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株式分割とは?メリット・デメリット、株価への影響についても解説

株式投資を行っていると、少し放っておいている間に株価がかなりの水準で推移してることがあります。

もちろん、暴騰、暴落の結果ということもありますが、チャートの動きをみるとどうもそのようなことでもありません。

実はこのような時、「株式分割」が行われている可能性があります。株式分割は、株を「分割」することによって、既存の株主が持っている株の価値はそのままにしたまま、株の発行部数を増やすことで株の流動性を上げる施策です。

株式分割を行うことで、株価などにはどのような影響があるのでしょうか?

投資家心理も考えながら、考察していきたいと思います。

ご自身が保有している株が、今後分割を発表しないとも限りませんので、参考にしてみてください。

株式分割とは?

株式分割は、株を新規発行はせず、既存の株を分割することによって、市場の株の流通量を上げる施策です。

ポイントは、株式分割自体での会社の時価総額はかわらないこと。

たとえば、

  • 株価:100円
  • 発行済株式数:1億株

という企業があったとします。

この企業が、株式を「2分割」する場合、

  • 株価:50円
  • 発行済株式数:2億株

となります。

「n分割」する分だけ、発行済株式数を「n倍」することによって、時価総額(=株価×発行済株式数)は、変化しないようにしています。

したがって、既存の株主が持っている株については、保有株式数が自動的にn倍となることによって、価値に変化はないようになっています。

株式分割のメリット

株式分割を行うメリットは主に2つあります。

  1. 株の流動性が上がる
  2. 株の売買がより柔軟になる

まず、発行済の株式数が増えるということは株の流動性が上がることを意味します。

株がより活発に売買されるようになると、市場からも注目され、さらに取引量が増えるといった循環が起きる可能性もあります。

加えて、株式が分割され単価が下がることで、もしくは、保有している株式数が増えることでより柔軟な売買が行うことができるようになります。

たとえば、ユニクロ、GUなどの有名ブランドで知られるファーストリテイリング(9983)の2019年5月8日の終値は、64,150円です。

この株の最低購入単元は100株なので、ファーストリテイリングに投資を考えた場合、約650万円の資金が必要になります。

ここまでは用意できない、もしくは1つの銘柄に投資はできないという個人投資家も多いのではないでしょうか?

もしファーストリテイリングが株式を10分割し、最低購入単元は100株のままだった場合、約65万円から投資をはじめることができます。

このくらいであれば、投資も可能という方も増えてくるかと思います。

一方で、既にファーストリテイリングの株を100株保有しているという株主にとっても、「10分割」はメリットがあります。

すなわち、100株しか保有していなければ「保有するか、売却するか」の2択しか取りえなかったものが、1000株保有した状態になった場合、「半分を手放す」「8割は利益確定を行い、2割だけ保有する」といった柔軟な投資戦略を取ることができます。

このように、単価が下がり、株式数が増えることは投資家にとって選択肢が増えることを意味します。

株式分割の株価への影響は?

株式分割を行うと、一般的に株価は上がる「傾向」にあります。

株式の流動性が上がることや、より柔軟に株式を売買できるようになることは、投資家にとってプラス材料と判断されがちだからです。

加えて、「株式分割を行うと株価が上がる」という投資家心理が働き、株式分割の発表、もしくは分割の実行そのものが買い材料となるケースもあります。

ただし、当然ですがこれはあくまで傾向であり、必ず上がるとは限りません。

  • そもそもの相場が悪い
  • 株式分割以上の悪材料が出ている
  • 株式分割を市場が露骨な株価対策と捉え、ポジティブ材料とみなされない

といった要因で、株式分割をもってしても株価が上昇しないというケースもありえます。

(参考)株式の新規発行

発行済株式を増やし、株の流動性を上げる代表的な施策として株式の新規発行があります。

新規発行した場合は、株価は下落する傾向があります。

株式分割の場合は投資家にとって保有している株の価値に変化はありませんが、新規で株式が発行された場合は保有している株式の価値が相対的に下がるため、手放される傾向があります。

ただし、こちらももちろんケースバイケースで、株式の発行を「攻めの姿勢」とポジティブに捉えた場合、株価が上昇することもあります。

株式分割のデメリット

株式分割は、投資家にというよりも、企業にとってはデメリットも存在する施策です。

すなわち、株式を分割することにより、株主の数も増えることが想定されます。

そうなると、株主の管理コストが増えると同時に、資金の少ない層の投資家が株主となりうることを意味します。

株主の数や層を限定しておきたい企業にとっては、株式分割は株価の上昇と引き換えに自社の戦略と反する結果になりかねません。

また、投資家視点のデメリットとしては、株式分割が行われることにより株価が企業の実態と乖離し、上昇する可能性がある点が挙げられます。

株式分割自体は市場にとっては取引を活性化させる材料になりますが、企業価値そのものの向上とは一切関係がありません。

したがって、株式分割を材料に大きく上昇した株価は、下落リスクを抱えているといえるでしょう。

(参考)株式併合

株式併合は、株式分割とはまったく真逆で、時価総額はそのままに株数を減らし、1株あたりの株価を上げる施策です。

株主の数を抑える場合や、投資金額の水準を調整するために行われます。

株式併合は、株主に不利にはたらく可能性があるため、株主総会の特別決議での承認を得られた場合に実行されます。

まとめ

株式分割が行われることによって株の流動性は上がり、投資家としても多様な投資戦略をとることができます。

そのため、株式分割は一般にプラス材料とされています。

ただし、絶対に上がるわけではないことを念頭に置くと当時に、株式分割そのものは企業価値の向上に影響を及ぼさないことも覚えておきましょう。

あまりに上昇しすぎた場合、それは今後下落リスクとしてのこるかもしれません。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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