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一括投資と分割投資のリスクを可視化する事で見える、真のリスク

以前、当メディアにて一括投資と分割投資のメリット・デメリットの記事が公開されましたが、今回は違った視点でこれらの投資手法に隠れる真のリスクについて考えたいと思います。

一括投資と分散投資はどちらがいい?一括投資のメリット・デメリットをしっかり把握しよう

投資の世界において、リスクとは資産の変動率を意味しますが、筆者は損失を確定(売却)してしまうことが真のリスクだと考えます。

世界中の株式に分散した投資信託を用いると、企業が倒産するリスク(=価値がゼロになる)はなくなり、長期的にはプラスのリターンが期待できます。

しかし、一括投資の場合は投資信託を用いても損失を確定してしまう可能性が極めて高いのです。

一括投資の場合は投資したタイミングによっては、含み損を抱える期間が数ヶ月~年単位となって心が折れてしまい、含み損を抱えたまま売却してしまう(=損失の確定)可能性が高まるからです。

実際に先進国市場の株式へ分散投資をする野村DC外国株式インデックスFを用いて、2018年4月を基準に一括投資と分割投資を10年前・5年前・3年前から実施した場合のリターン・含み損回数・含み損期間を比較してみます。

投資元本に対して一括投資のリターンが分割投資のリターンを上回ったのは、5年前から始めた場合のみです。

分割投資が意外に優秀に見えるかと思われます。

3種類の投資期間で1ヶ月以上の含み損が発生した回数は分割投資が3~6回なのに対して、一括投資は1回しか発生していません。

この結果だけ見ると長期的にプラスリターンが期待できる投資信託を用いると一括投資が非常に優れた手法に感じます。

しかし問題は、その含み損が発生した後です。

グラフより、分割投資(オレンジ)のグラフが左寄りに集合していることから、分割投資は含み損の発生回数が多い反面、含み損を抱える期間が短い傾向にあることが分かります。

逆に一括投資の場合、含み損の発生回数は1回しかありませんが、含み損が発生すると損失を抱えたままの時間が長いことが分かると思われます。

特に投資期間が10年の場合、一括投資が含み損を抱える期間は58ヶ月とほぼ5年です。

しかも、5年間も含み損を抱えてもリターンが分割投資信託に負けてしまったのだから、一括投資はいかにタイミングが重要か分かるでしょう。

もし2019年1月から一括投資を行えばまた違った結果となるのかもしれませんが、長期にわたって含み損をかかえる可能性を負っても分割投資のリターンに対して大きなアドバンテージが無い事からすると、まとまった資金を無理に一括投資するメリットはあまりないと筆者は考えます。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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