英国の賃貸用不動産投資よりもFTSE100の不動産株に注目

モトリーフール英国支局、2019年5月14日投稿記事より
英国の不動産業者Hamptons Internationalのレポートによると、2013年以降、英国の住宅価格の上昇率は、賃料の上昇率をはるか上回っています。
これは、高価な賃貸用不動産を購入し、その住宅ローンの返済をテナントの賃料に頼る家主からすると、非常に大きな問題です。
低下する賃貸利回り
Hamptons Internationalによりますと、ロンドンの賃貸利回りは現在平均5.4%にすぎません。
利回りが最も高いロンドンの北東部でも、8.7%です。
これらの数字は魅力的に見えるかもしれません。
しかし、賃貸利回りは、賃貸料と不動産の購入価格を単純に比較して計算されたものです。
実際には、メンテナンス費用、保険料、住宅ローンの支払利息、および空室期間などの費用を考慮して計算しなければなりません。
これらの費用と税金を考慮すると、ほとんどの家主の実際の賃貸利回りは、はるかに低いものとなります。
対照的に、多くの優れたFTSE 100の不動産株式(含むREIT(不動産投資信託))は、それが英国版NISAで保有されている場合、賃貸用不動産の課税前賃貸利回りと同等の配当利回りを提供します。
ロンドンの一部を所有する
住宅価格がピークの時に不動産を購入するのではなく、価格が下がったときに不動産を購入する方がもちろん理にかなっています。
FTSE 100銘柄で小売店舗やオフィスなどを対象とするREITのLandsec(ティッカー:LAND)に対しても同様です。
Landsecの保有ポートフォリオの価値は昨年、前年比4.1%減の137億5,000万ポンドとなりました。
これは主に、ブルーウォーター・ショッピング・センターの一部所有を含む、同REITの24億9,300万ポンドに及ぶ一部ポートフォリオの価値が、11.7%も下落したことによるものです。
なお、同REITが保有する小売店舗の資産価値は、今後さらに下落する可能性があります。
しかし、Landsecの52億6,600万ポンドのロンドンオフィスのポートフォリオ価値はほとんど変わらず、レジャー施設やホテル施設などのポートフォリオも堅調に推移しています。
現在、Landsecは30%以上下落していることから、1株あたりの純資産価値1,339ペンスに対し、890ペンスで購入できます。
Landsecの今後の開発計画は、ロンドンが中心です。
長期的に見て、これは有益な戦略だと思われます。
また、Landsecは5.1%の現金分配金利回りを提供しており、長期保有に適した銘柄とみられています。
ロンドンの住宅に投資する別の方法
ロンドンにフォーカスしているもう一つの企業は、住宅建設会社のBerkeley Group Holdings(ティッカー:BKG、以下「Berkeley」)です。
同社はこれまで、早期に不動産市場のサイクルを捉えたという輝かしい実績を持っています。
Berkeleyは2020年にかけて減益を予想しています。
しかし、同社は今後の利益に関して明確な発表を行っていますので、減益予想はすでに株価に織り込まれています。
同社は昨年10月末時点で8億5,970万ポンドの現金を保有しており、2025年まで毎年2億8,000万ポンドを株主に還元する予定です。
それは一株当たり約217ペンスになります。このうちの一部は、自社株買いに利用される予定で、残りは配当に充てられます。
アナリストは、Berkeleyは一株当たり203ペンスの配当と5.5%の配当利回りを予想しています。
長期投資家にとって、Berkeleyへの投資は、ロンドンの住宅市場から利益を得るのにふさわしい方法と考えられます。
(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)
「米国株投資を始めるのに適した、国内のネット証券5社を比較」
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元記事の筆者Roland Headは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフールUKはLandsec株を推奨しています。