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進化するがん治療で注目される5銘柄

モトリーフール米国本社、2019年6月6日投稿記事より

近年、がん治療において著しい進歩が見られ、さまざまなタイプのがん治療のための新薬や早期発見ツールが開発されています。

投資家はこれらに取り組んでいる企業に投資することで、長期的に多大な利益を得られる可能性があります。

現在注目されている5銘柄を紹介します。

ヘルスケア情報およびソリューション提供のIQVIAによれば、がん治療への世界的な支出額は2013年の960億ドルから2017年には1,330億ドルに増加しました。

2022年までには、これが1,900億ドルまで拡大するとみられます。

また、がん発見および診断関連製品の市場も拡大しています。

市場調査会社のグランドビュー・リサーチによれば、世界的ながん診断製品市場の規模は昨年1,440億ドル以上となり、2022年までに1,900億ドル近くまで成長する可能性があります。

がん治療で特に注目される銘柄

がん治療で注目される銘柄には、大手製薬会社、診断薬企業、遺伝子配列解析企業、バイオテクノロジー企業が含まれます。これらの企業には、2つの共通点があります。

第一に、がんの診断や治療法を改善するための革新的な製品を開発しています。

第二に、長期的な成長に関する明確な見通しを保持しています。注目される5銘柄は以下の通りです。

企業名(ティッカー名) 重点分野 時価総額
ブルーバード・バイオ(BLUE) CAR-T治療法 70億ドル
ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY) 免疫療法 765億ドル
エクセリクス(EXEL) 腫瘍増殖抑制剤 61億ドル
ガーダント・ヘルス(GH) がん診断検査 83億ドル
イルミナ(ILMN) 遺伝子配列解析 493億ドル

出典:Yahoo! Finance。時価総額は2019年6月7日現在

ブルーバード

ブルーバード・バイオはバイオ医薬品企業で、遺伝性疾患や難病向けに遺伝子治療製品を手がけています。

主要製品候補には、希少疾患である輸血依存性ベータサラセミアの遺伝子治療薬のZynteglo(旧名称はLentiGlobin)、やはり希少疾患の副腎白質ジストロフィーの遺伝子治療薬のLenti-Dがあります。

2018年6月に、ブルーバードは欧州でZyntegloの承認を獲得しました。

がん治療分野のパイプラインには、セルジーン(ティッカー:CELG)と共同開発を進めている有望なCAR-Tがん治療薬が含まれています。

(訳注:CAR-Tとは、患者自身のT細胞を取り出し、遺伝子技術を用いてCAR(キメラ抗原受容体)という特殊なたんぱく質を作り出すことができるようにT細胞を改変し、がん細胞を攻撃する治療法です。)

ブルーバードの主要製品候補が承認され、商業的に成功を収めた場合、長期投資家に相当な利益をもたらすと考えられます。

注目されているのは、まず欧州で承認されたZyntegloの売上です。

2020年までに2億ドル以上の売上となっていれば、ブルーバードの利益に大きく貢献するでしょう。

ブリストル・マイヤーズスクイブ

ブリストル・マイヤーズは、がん治療薬の開発と販売で長い実績を持つ大手製薬会社です。

同社の骨髄性白血病治療薬Sprycelは、白血病治療における化学療法として2006年に初めてFDA(米食品医薬品局)の承認を受けました。

近年、ブリストル・マイヤーズは免疫療法の主要企業として注目されています。

ブリストル・マイヤーズは2011年に免疫療法でFDAから初の承認を受け、その後2014年に強力な免疫療法薬Opdivoが承認されました。

Opdivoはその後、他の13種のがん治療薬としてFDAの承認を受けました。

現在、Opdivoを含んだ750以上の臨床試験が進んでいます。

ブリストル・マイヤーズは、今春にセルジーン買収で合意してため、がん治療において新たな成長機会がもたらされます。

市場調査会社EvaluatePharmaが予想する2024年までの5大ヒット医薬品のうちがん治療薬として、ブリストル・マイヤーズのOpdivoとセルジーンのRevlimidが含まれています。

なお、5大ヒット医薬品の中には、ブリストル・マイヤーズの抗凝固剤Eliquisも含まれます。

さらに、ブリストル・マイヤーズはセルジーンの有力なパイプラインも獲得します。

それらには、CAR-T療法のliso-cel、血液がん治療薬luspatercept、CC-486、セルジーンとブルーバードのパートナーシップ開発のide-celが含まれます。

エクセリクス

エクセリクスは、ブリストル・マイヤーズのような大手製薬会社ではありませんが、ブルーバードと違い既に成功している抗がん剤があります。

エクセリクスの場合、免疫療法のように免疫系を活用してがんと戦うのではなく、がん細胞の成長を促す酵素の抑制に焦点を置いています。

2016年にFDAは、エクセリクスのCabometyxを進行性腎細胞がんの治療薬として承認しました。

Cabometyxはその後進行性肝がん治療薬としても承認を受け、2018年の売上は6億ドル近くに達しました。

Cabometyxにはまだ成長余地があり、フェーズ1,フェーズ2の臨床試験が50以上進行中です。

Cabometyxの貢献により、エクセリクスは黒字を計上しており、バランスシート上の現金も相当な額に達しています。

ガーダント・ヘルス

ガーダント・ヘルスは、がんを発見出来るリキッドバイオプシー(血液による生体検査)の開発を手掛けるがん遺伝子検査企業です。

同社は、後期がん検診用に2つのリキッドバイオプシー製品、Guardant360とGuardantOMNIを販売しています。

どちらもまだFDAの承認を受けていませんが、利用環境を限定して販売することができます。

がん発見のために組織生検材料を採取するには、通常は外科手術が必要です。

それに対して、リキッドバイオプシーでは血液サンプルだけで済みます。

また、リキッドバイオプシーのさらに大きな利点は、がんの徴候が現れる前にそれを使用することができるので、組織生検を含む現在の方法よりもはるかに早い段階でがんを発見できるのです。

Guardant360とGuardantOMNIに対するFDAの承認はおそらく時間の問題ですが、承認により両製品の売上は拡大するでしょう。

経営陣によれば、2019年第3四半期にGuardant360のFDAへの承認申請が予定されているとのことです。

なお、FDAの承認がなくても、限定的な利用環境下におけるリキッドバイオプシーの売上は急増しています。

同社は、米国の進行期がん検診市場は年間60億ドル規模と見込んでおり、ガーダント・ヘルスには大きな成長の機会があります。

ガーダント・ヘルスの事業は後期がん検診に限定されるものではありません。

同社は、早期がんおよび再発モニタリングのためのLUNAR血液ベースのDNA検査を開始しました。

DNA検査は現在、バイオ医薬品研究者および学術研究者による研究目的でのみ利用可能ですが、会社にとって重要なステップです。

LUNARの今後の売り上げに関する会社の最新情報を注視すべきで、ガーダント・ヘルスは米国の市場規模を約330億ドルと予想しています。

注目される米国ヘルスケア株3銘柄:イルミナ、テラドック、ガーダント

イルミナ

一般的には、イルミナはがん関連銘柄と考えられていないかもしれません。

同社は遺伝子配列解析のパイオニアで、同市場の主要リーダーです。

遺伝子配列解析は、特定の遺伝子変異によって引き起こされるがんを標的とする診断薬や薬の開発に重要です。

イルミナのTruSight Oncology 500テストでは、何百ものがん関連バイオマーカー(特定の病状の指標)を分析できます。

また、イーライリリーが親会社のLoxo Oncologyと提携して、さまざまな種類のがん診断検査製品を開発して販売しています。

イルミナはまた、アムジェン、アストラゼネカ、ジョンソン&ジョンソン、サノフィなど他の主要製薬会社と提携し、抗がん剤投薬前のコンパニオン診断薬を開発しています。

イルミナは、リキッドバイオプシー市場と個別化薬(個々の患者、特に患者の遺伝的プロファイルに合わせてカスタマイズされた薬)市場の成長から恩恵を受けることができます。

しかし、それらだけが会社の成長要因ではありません。

米国では消費者向け製品で祖先の特定などで人気があるAncestryや23andMeのさらなる増収が見込め、海外市場では病気の特定などでそれらの製品の大きな成長が予想されます。

リスク

以上の5銘柄の見通しは有望ですが、リスクもあります。重要なリスクは、製品が臨床試験で失敗する可能性です。

また、臨床試験が成功したとしても、規制当局が製品を承認しない場合もあります。

これらのリスクは、ブリストル・マイヤーズのような大企業よりもブルーバードのような中小企業に大きな影響を与えます。

また、競合他社がさらに優れた製品を開発するリスクもあります。

そして、優れた製品を開発したとしても、将来的には主要特許が切れ、特許の独占権を失い利益が低下するリスクもあります。

がんとの戦いは続く

上記のリスクにもかかわらず、上述の5銘柄はがんとの戦いから利益を享受したい投資家にとって良い選択と考えられます。

それぞれの企業は各市場でユニークなポジショニングを維持しており、今後数年間で堅実な成長を遂げる可能性があります。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

「米国株投資を始めるのに適した、国内のネット証券5社を比較」


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元記事の筆者Keith Speightsは、セルジーン株とイルミナ株を保有しています。モトリーフール社は、ブルーバード・バイオ株、セルジーン株、エクセリクス株、ガーダント・ヘルス株、イルミナ株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、アムジェン株を推奨しています。

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