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【米国個別株動向】インテル株下落は買い場かそれともバリュートラップか?

モトリーフール米国本社、2019年5月20日投稿記事より

半導体大手のインテル(ティッカー:INTC)の株価は、さえない決算発表および業績見通しを受け大きく下落しています。PER(株価収益率)は10.2倍と低くなっており、一部の投資家は買い場と見ています。

【米国個別株動向】インテル、低調な3年見通しで株価下落

しかし、同社は多くの逆風に直面しており、そのどれもが容易には克服できないものばかりです。

インテル株が買い場なのか、それともバリュートラップ(割安銘柄が割安なまま放置される状態)なのかを見ていきます。

S&P500インデックスが年初来で14.9%上昇しているのに対して、インテルの株価は3.2%下落しています。

インテル(青)とSPDR S&P500 ETF(オレンジ)の年初来トータルリターン推移(日次ベース)

出典:YCHARTS。2019年5月18日時点

競争優位性に陰り

まず、インテルが長年維持してきた重要な競争優位性が失われつつあるとの見方があります。

同社は、伝統的に半導体の設計、製造などを垂直統合で迅速に進めてきたため、競合他社に対して常にリードしてきました。

この結果、PCおよびデータセンター向けプロセッサーでは90%以上の市場シェアを維持してきました。

しかし、最先端の7ナノメーター(nm)チップ開発では、長年のライバルであるアドバンスド・マイクロ・デバイシズ(ティッカー:AMD)に追い越されました。

AMDは既に7nmチップをリリースしていますが、インテルの10nm(AMDの7nmに相当)チップはスケジュールがたびたび延期され、第3四半期にリリースされる予定です。

AMDの新プロセッサーが、インテルに先んじてどれだけ市場シェアを取るのかが注目されています。

インテルが予定通り新製品を投入できたとしても、値下げを余儀なくされるとの見方があります。

既存製品のセキュリティ問題浮上

7nmチップでの競争に出遅れただけでなく、インテルは既存製品のセキュリティ問題にも直面しています。

2018年1月に、同社は「スペクトル」および「メルトダウン」というセキュリティの脆弱性問題を公表しました。

インテルはソフトウェアで問題に対応しましたが、そのためにチップのパフォーマンス低下を招きました。

そして先週、新たな「ゾンビロード」という脆弱性問題を専門家が発表しました。

これはインテルのチップだけを狙い撃ちにしたもので、インテルはソフトウェアで対応しましたが、これもやはりパフォーマンスを低下させる可能性があります。

度重なるセキュリティの脆弱性問題の浮上が、インテル・ブランドへの逆風となりつつあります。

低調な成長見通し

株価へ大きなダメージを与えたのは、低調な成長見通しでした。

最近の投資家向けミーティングで経営陣は、今後3年間の年率増収率は1桁台前半に留まるとの予想を発表しました。

これは、クラウドコンピューティング需要に支えられた2018年の12.9%増から大きく落ち込むものです。

また、インテルは2022年~2023年までに6ドルのEPS(1株当たり利益)を目指すとしていますが、これも年率成長率は5.5%~7.5%に過ぎません。

そして、この予想はインテルにとって新規ビジネスである次世代5G基地向けや自動運転車向けでの成功を前提としています。

急速に変化するテクノロジー

テクノロジーは急速に変化するので、それ自体はエキサイティングですが、同時に創造的破壊を招く可能性があります。

PCやモバイル機器を中心とした時代からビッグデータやAIの時代に移りつつある中、インテルの競争優位性の一部が崩れている可能性があります。

インテルの業績が今後回復すれば、現在の株価水準は割安とみられますが、もし競合が引き続き勢力を拡大し、インテルが新市場に浸透できず、財務状況が悪化した場合、バリュートラップということになります。

筆者は今後の動向に関して確信を持てないため、様子見を続けます。


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元記事の筆者Billy Dubersteinは、記事で言及されている株式を保有していません。Dubersteinの顧客が、記事で言及されている株を保有している可能性はあります。モトリーフール社は、記事で言及されている株式を保有していません。

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