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ダシン・リテール・トラストの主なリスク

モトリーフール・シンガポール支局、201953日投稿記事より

ダシン・リテール・トラスト(ティッカー:CEDU、以下「ダシン」)は、2017年1月にシンガポール証券取引所に上場した中国の小売業施設を中心とした不動産投資信託(REIT)です。

このREITのポートフォリオは広東省中山市にある4つのショッピングモールで構成されています。

このREITは、中国の不動産を所有しながらシンガポールで上場しているので、それに伴う主なリスクを紹介します。

1. 最大保有者2社の分配金放棄に関するリスク

ダシンの最大保有者のうち、アクア・ウェルス・ホールディングスとバウンティウェイ・インベストメンツの2社に対して、2022年まで分配金放棄が定められています。

このため、2022年までは、より多くの分配金がその他のREIT保有者に渡っています。

つまり、2022年にこの分配金放棄が失効すると、その他のREIT保有者への分配金は大幅に少なくなる可能性があります。

ダシンは2018年度の決算で、年間の1口当たり分配金(DPU)が分配金放棄の場合は7.22シンガポールセント、分配金放棄がない場合は3.81シンガポールセントであることを発表しました。

これは、分配金放棄が失効すると仮定した場合、47%の減少となります。

2019年5月2日の時点でダシンは0.88シンガポールドルで取引されています。

したがって、分配金利回りは分配金放棄で8.2%になりますが、分配金放棄なしでは4.3%に大幅に減少します。

2. 集中リスク

ダシンは、4つのモールすべてが中山市内にあるため、集中リスクがあります。

地震や台風などの自然災害が同市を襲った場合、ダシンの収益の大部分を占めるモールに多大な損害をもたらす可能性があります。

また、REITは4つの資産しか保有していないため、収益源が分散されていません。

純賃貸可能面積では、2つのモール、Shiqi Metro MallとXiaolan Metro Mallで全体の66%を占めています。

3. REITの負債に関するリスク

ダシンのローンは、満期までの加重平均残存期間がオフショアローンでわずか0.8年、オンショアローンで2.5年です。

ローンの速やかな借り換えが必要で、条件が大幅に変更される可能性があります。

さらに、ローンの金利は、オフショア、オンショアの両ローンで5.4%~5.5%と高く、金利の上昇によってREITの分配可能利益をさらに低下させる可能性があります。

まとめ

投資家にとって重要なのは、以上のリスクが現実のものとなった場合、REITに悪影響を及ぼす可能性があることです。

現在、8.2%の高利回りとなっていますが、利回りを大幅に低下させる可能性がある分配金放棄および集中リスクに留意する必要があります。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者で、モトリーフール・シンガポールの寄稿者であるRoyston Yangは、記事で言及されている株式を保有していません。

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