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インサイダー取引はパート・アルバイトでも該当する?情報受領者について解説

「インサイダー取引」は株式投資における重大なルール違反ですが、きちんとルールを把握している人は少ないのではないでしょうか?

そもそも、どのような人がインサイダー(内部情報者)に該当するのか、というところを把握しておく必要があります。

この記事では、インサイダー取引で起こりうるケースを会話形式で説明していきます。

今回は、情報受領者について確認していきましょう。

インサイダー取引について、実際に起こりうるケースを会話形式で解説

インサイダー取引の情報受領者について

上場会社モトリーフール物産で顧問弁護士を務めているS井弁護士が経理部員であるK主任から相談を受けている設定です。

法理論及び裁判例などの実務をベースとして考え方を提示します。

K主任:S井先生、前回の続きでインサイダー取引の情報受領者について教えて下さい。

S井:K主任、いいですよ。前回説明したとおりインサイダー取引の主体は原則として上場会社等の役員、使用人、代理人その他の従業者とされているんです。

K主任:そうでしたよね。私のような末端の社員でも含まれるし、パートやアルバイト、派遣社員でも含まれるんでしたよね。

S井:そうです。でも社内の人だけを対象にすると会社関係者が外部の人に重要事実を教えて、その人が公表前に株式を購入することでインサイダー取引ができてしまいますよね。

K主任:そうですね。脱法的な行為ができてしまいますよね。

S井:そこで金融商品取引法は会社関係者から重要事実の伝達を受けた人についても公表前の売買等を禁止してインサイダー取引の網をかぶせているんですよ。こういう人を情報受領者といいます。

K主任:情報受領者って具体的にはどういう人があたるんですか?

S井:情報受領者にあたるためには会社関係者からその伝達意思に基づいて伝達を受けたことが必要になるんですよ。

K主任:そうすると会社関係者に伝達意思がない場合には情報受領者にはあたらないことになるんですね。

S井:例えば、社内のエレベーターの中で会社関係者がひそひそ話をしているのを第三者が立ち聞きしてしまった場合とか、会社関係者が電車の中に置き忘れた機密資料を第三者が見てしまった場合などは会社関係者に伝達意思があるとはいえないでしょうね。

K主任:例えば会社関係者の夫から重要事実を聞かされた奥さんとか、接客中に会社関係者から重要事実を聞かされたキャバクラのホステスさんなどはどうなりますか?

S井:この場合には会社関係者に伝達意思があるといえるので、奥さんやホステスさんは情報受領者にあたりますね。

K主任:ちなみにその情報受領者からさらに又聞きをした人がいた場合にはどうなるんでしょうか?

S井:K主任、いいところに気がつきましたね!

K主任:ありがとうございます。

S井:情報受領者からさらに又聞きをした人は二次情報受領者といいます。その関係で一番最初の情報受領者は一次情報受領者といいます。

K主任:二次情報受領者もインサイダー取引になるんですか?

S井:いいえ、二次情報受領者はインサイダー取引の規制対象にはならないとされているんです。

K主任:そうなんですか。それはどうしてですか?

S井:なぜかというと二次情報受領者までインサイダー取引の規制対象に含めてしまうと処罰範囲が不明確に拡大して、かえって証券取引ないし証券市場を混乱させてしまうからなんですよ。

K主任:確かに二次、三次と拡大していったらキリがなくなりますものね。でも二次情報受領者が一次情報受領者と結託して、例えば一次情報受領者が情報を、二次情報受領者が資金を提供して、協力してインサイダー取引をやる可能性もあるんじゃないですか?その場合でもインサイダー取引にはならないんですか?

S井:K主任、またまたいいところに気がつきましたね。今日は冴えていますね。

K主任:恐縮です。

S井:そういう場合には二次情報受領者は一次情報受領者が行ったインサイダー取引違反の共犯ということにできるんですよ。
K主任:共犯ですか?何やら犯罪行為みたいですね。

S井:いやいや、インサイダー取引違反は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金なので立派な犯罪行為なんですよ。だからこれに関与すると共犯が成立するのは当たり前なんですよ。

K主任:インサイダー取引が立派な犯罪だということを忘れていました。

S井:実際に最近の裁判例でも一次情報受領者と二次情報受領者についてインサイダー取引の共同正犯を認めたものがあるんですよ。

K主任:なるほど、勉強になりました。

株主もインサイダー取引の対象になる?注意点について解説


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