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AI投資ヘッジファンド「Numerai」をはじめ、人工知能が投資でも身近な時代へ

人工知能(AI)という言葉を聞くのも最近では珍しくなくなってきました。

AIが様々な仕事にとってかわる時代と言われるようになりましたが、投資の世界でも例外ではありません。

既にAIのディープ・ラーニングが投資の世界にも登場しており実用化されています。

アルゴリズムが市場を支配するようになったと言われてきました。

今後はその先をいく学習能力も備えたAIが投資の世界で幅をきかせる可能性があります。

多くの仕事がそうであるように、投資家もAIを使う側にまわることが当たり前になる時代が近い将来、到来しそうです。

AIが現在どれぐらい市場の世界に活用されているのかを知ることで、AIの投資における位置づけを理解する必要が近い将来訪れるかもしれません。

特にAI投資で有名なのがAIヘッジファンド「Numerai」です。

Numeraiを中心に現在のAI投資を見ていきましょう。

人間のディーラーはもういらない?

2000年代初頭、アメリカの大手投資銀行のゴールドマン・サックスにはトレーダーが約600人ほどいました。

しかし市場の電子取引が加速し、コンピュータアルゴリズムによるトレードが少しずつ主流になっていきました。

そして最終的にゴールドマン・サックスのディーラーは2人にまで削減されました。

現在のアメリカ市場の参加者のかなりの部分が実はアルゴリズムであると言われています。

機関投資家が用いる手法「アルゴリズム取引」を理解しよう。今後は規制がなされる可能性も?

そのためアルゴリズムが時には暴走し市場でも極端な値がつくことがあります。

時には取引そのものが無効とされることもありました。

個人投資家でも、裁量によるトレードは損と儲けたいという欲望に挟まされながら精神的なプレッシャーがかかりがちです。

しかしコンピュータのアルゴリズムならば、人間のように取引の度に恐怖を感じることはありません。

また人ができない瞬時の計算と判断はアルゴリズムの得意分野です。

多くの人間のトレーダーが去っていったことを考えると、アルゴリズムは投資の世界では人間に対して優位性があったといえるでしょう。

現在は、個人投資家でもシステムトレードを用いた取引をするのが珍しい時代ではなくなりました。

人間は取引のルールを決めシステム・アルゴリズムを道具として使う側に回るようになったのです。

そしてAIの登場ではアルゴリズム自体が自主的に変化に対応していく時代が訪れようとしています。

AIヘッジファンドNumreiはイーサリアムを基盤にしたヘッジファンド

ヘッジファンドもAIが担うようになりました。

その象徴がNumeraiです。

南アフリカ人の30代前半になるリチャード・クレイブが運営するヘッジファンドです。

Numeraiは、仮想通貨でお馴染みの技術ブロックチェーンとAIの技術を使い、クラウドソーシングで金融取引の最適な方法を生み出す新しいタイプのヘッジファンドです。

AIとブロックチェーンがNumeraiの特徴

Numeraiは、ブロックチェーンとAIを用いた分散型・自律型の投資を可能にしようとするプロジェクトです。

何千人ものデータ・サイエンティストによって構築されたAIシステムで運用されています。

南アフリカ人のNumeraiの運用者クレイブはファンドの取引データを隠すシステムを構築したうえで、データを匿名のサイエンティストからなる巨大なコミュニティと共有しました。

サイエンティストの得意分野は、統計学・機械学習・人工知能・遺伝学・物理学などバラエティにとんだ開発者が集まっています。

Numeraiのシステムにサイエンティスト達がアクセスし、機械学習モデルを開発していきます。

その際にデータがブロックチェーンの技術で暗号化されており、サイエンティストはファンドの取引詳細を見ることができないようになっています。

Numeraiには10000人以上のサイエンティストが携わっていると言われており、それぞれが知見を生かしてヘッジファンドの機械学習モデルを育てています。

そしてクレイブはオンラインで募集したサイエンティストが誰なのかを知らず、一方でサイエンティストもクレイブのデータには関与しない仕組みになっています。

この匿名性の高さと、通常のヘッジファンドでは携われない多数のサイエンティストによる開発力がNumeraiの特徴であり強みです。

Numeraiの成功報酬

Numeraiに携わるサイエンティストは当然ボランティアで開発に取り組んでいるわけではなく、インセンティブが設けられています。

簡単にいえば、Numeraiに貢献し精度の高い機械学習モデルを開発すると、トークンが発行される仕組みになっています。

「Numeraire(ヌメライア)」というトークンは、自分の機械学習モデルが実際のマーケットでどのような結果を残すのかを「賭ける」ために用いられます。

そして「賭け」を行うことで、サイエンティストは成功を収めたモデルに対する配当金のようなものを受けとることができるようになります。

Numeraiの開発を通して配当金のようなものを受け取り、Numeraiが成功すればするほど関わるサイエンティストは成功報酬を手に入れられる仕組みが備わっています。

仮想通貨Numeraireを買う方法

Numeraire(NMR)を仮想通貨として購入することもできます。

仮想通貨のビットコインはマイニングをすると報酬としてビットコインを受け取ることができます。

しかしマイニングをせずとも法定通貨でビットコインは購入できます。

それと同じでNumeraireは開発者が受け取ることができるトークンですが、投資家も購入が可能です。

Numeraireは海外の仮想通貨取引所大手のBittrexやYo Bitなどで取り扱いがあります。

日本の仮想通貨取引所大手での取り扱いはありません。

Numerai以外のAI投資

Numerai以外にもAI投資の事例は多くあります。

中には日本の個人投資家がすぐに取り入れることができるものまであります。

既にAIを個人投資家が用いることも不可能ではありません。

Numerai以外のAI投資の事例を見ていきましょう。

ツーシグマインベスツメント

急成長しているAIを活用しているファンドが「ツーシグマインベスツメント」です。

彼らの投資手法は、裁定取引やロングショート・ファンダメンタルズ投資など従来のヘッジファンドも用いている戦略ですが、彼らの強みは膨大なデータをAIの機械学習で分析していくところにあります。

投資判断のもととなるデータソースがテクニカル分析・ファンダメンタルズ分析だけではなく、アナリストの調査結果や衛星写真など、あらゆるものが活用されています。

AIのディープラーニングよって従来では分析することができなかった膨大なデータを処理して、実際の投資に落とし込むことに成功したのがツーシグマインベスツメントです。

セレベラム・キャピタル

セレベラム・キャピタルはアメリカのサンフランシスコに拠点を置くAIヘッジファンドです。

彼らの投資法の特徴は多数の投資戦略を機械学習で自動生成していく点です。

市場の変化に対応した新しい投資戦略を考案し次々に生み出していくところに強みがあります。

決められたルール通りに動くだけのアルゴリズムトレードから、一歩先をいく進化するトレードをAIによって築いているのがセレベラム・キャピタルの特徴です。

カブドットコム証券のAIサービス

日本のネット証券大手のカブドットコム証券でも、AIによる運用を一つの売りにしています。

例えば「AI日本株式オープン」というファンドでは、AIを活用し複数の戦略を組み合わせたアクティブ運用で収益の獲得を目指しています。

またAIによる運用ではなく、AI関連企業そのものに投資するファンドの取り扱いもあります。

AI関連株そのものに投資ができるのも投資家の強みです。

2019年に注目すべき3つの米国トップAI(人工知能)関連株式

まとめ

人工知能・AIは投資でも重要なテーマであると同時に、AIを用いたファンドも身近になりつつあります。

AIを取り入れたヘッジファンドも登場しており、投資家がうまくAIを使う側、活用する側にまわらなければいけない時代も近いのではないでしょうか。

AIヘッジファンドのNumeraiの発行するトークンは海外の仮想通貨取引所で売買されています。

また日本のカブドットコム証券もAIをテーマにした投資信託が登場しているため、日本人投資家にも買いやすくなっています。


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