The Motley Fool

シーズンストックとは?季節性のある株式は本当にその通りに動くのか

「Tシャツは冬に買え」という投資の格言があります。

これは季節限定で需要が高まる商品を需要が少ない季節に購入し、安い価格で取得することを意味しています。

こうした季節銘柄と呼ばれる株のことを「シーズンストック」と呼びます。

実際、このシーズンストックを中心に投資する手法もあり、例えば夏場に需要がある銘柄の場合、その半年以上前から投資家は株価や企業分析をしています。

猛暑や厳冬になると高騰するといわれるシーズンストックは、実際どのようなケースがあるのでしょう。

当然、季節関連のサービスを展開している企業は、毎回、新商品を発表しています。

日々、厳しい生存競争を勝ち抜こうと努力を続けているのです。

今回は実際の企業を例に詳しく解説していきます。

シーズンストックとは?

季節によって需要が高まる特徴的な商品を販売している企業の株価を「シーズンストック」と呼びます。

例えばアパレル業界などが分かりやすく、Tシャツなど夏物が、夏のピークを過ぎたとたんに一斉値下げセールを実施します。

ましてや冬場になるとTシャツを購入する人は滅多にいないはずです。

特に日本には春夏秋冬ハッキリとした四季があるので、季節ごとにさまざまな需要があり、各社がしのぎを削っています。

それを「投資」という目線でみていくと、一番割安な時期は需要が全くない季節のはずなので、株価もそれに連動する傾向にあります。

需要が季節によって偏る「シーズンストック」銘柄をベンチマークとして押さえておくことも、投資家にとって重要な判断材料のひとつとなるはずです。

また、夏に注目を集める銘柄をサマーストック、冬に注目を集める銘柄をウィンターストックと呼びます。

主要なシーズンストック

主に夏と冬にシーズンストック銘柄は集中しています。

エアコン、アイスクリーム、ビールなどを販売する企業は夏場にかけて需要が高まり、冬の場合は特に雪が降るような地域で、暖房器具や燃料、スタッドレスタイヤなどを販売する企業の需要が高まります。

では株式市場はどうなのか、需要と株価の関係についても触れていきます。

ビール・清涼飲料水メーカー

サッポロ、アサヒ、キリン、上場している三大ビール企業が清涼飲料水も含めて、例年、夏場のサマーストック銘柄の筆頭と言えるでしょう。

とはいえ、実際に株価を見てみると必ずしも夏場に上昇局面であるわけでなく、冬場の忘年会の時期に株価が高騰したケースもあり、実際の実体経済におけるフローの部分と株価が必ずしも一致してはいません。

特にこの3社と業界最大手のサントリーを含めた4社のビール業界は、激しく熾烈な競争の渦中にあります。

売上高は1位サントリー、2位アサヒ、3位キリン、4位サッポロの順番です。

それぞれ企業ごとの特徴を見ていくと、サントリーは米国のビーム社を買収した世界3位の飲料メーカーであり、清涼飲料水に強みがあります。

アサヒはビールが事業の柱であり、この分野でトップシェアを誇ります。

キリンはビール事業が国内2位ですが、東南アジアやオセアニア地域に独自の販売網を構築し、各国で高いシェアを獲得しています。

サッポロは他社と比べると売上高では劣るものの、北米や東南アジア諸国でブランドが認知され高いシェアを獲得しています。

特にカナダでは国内3位の売上高を誇ります。

このように、ビール業界だけをみても各社で個性が異なるため、しっかりと企業分析をして動向を注視しておくことが大切です。

アイスクリームなどの食品メーカー

アイスクリーム業界は競合会社も多く、各社に主要ブランドがあるのに加えて、新商品も次々と登場している群雄割拠と呼べる世界。

今回はそのなかでもグリコ、森永乳業、森永製菓、上場している3社の株価動向を見ていくと、冬と比べて気候が温かくなる春から夏にかけて、分かりやすく株価が上昇しており、典型的なサマーストック銘柄と呼べるでしょう。

特に「猛暑」や「酷暑」と呼ばれる年の株式市場においては、より注目度が高まっています。

反対に「冷夏」などの場合は売上も伸びず、株価も予想を下回り、気温による影響を受けやすいと銘柄といえます。

エアコンなどの家電メーカー

エアコンの最大手はダイキン工業です。

続いてパナソニックや富士通ゼネラルなどが続いています。

株価の値動きは各社バラバラですが、エアコンも典型的なサマーストック銘柄なので、暑い夏の年に多くの需要が見込まれます。

ただし、内閣府が発表した消費動向調査によると、家庭用エアコンの買い替えサイクルは平均13.6年と他の家電よりも長く、購入動機も上位機種への買い替えではなく、故障した場合や増税前に買い換えるなどが主な理由です。

また日本の人口は減少していくので、各社、海外展開へも積極的です。

注意が必要なのは、エアコンは日本の場合、室内機と室外機が分かれる「セパレート型」が主流で、欧米は「ダクト型」といって、エアコンが室内に埋め込まれ、吸込・吹出口のみ外に出るタイプであり、日本とはエアコンの規格が異なります。

そのため、ダイキン工業は北米メーカーをM&Aするなど、シェア拡大に向けダクト市場へも参入しています。

またエアコンは地域によって需要が異なり、例えば赤道近くの温暖な地域では、そもそも暖房機能が必要ないためシンプルなエアコンに需要があるなど、地域によって用途・様式が異なります。

そのため、エアコン業界は世界規模で戦略的なM&Aが増えていくことが予想されます。

シーズンストックは短期投資向き

シーズンストック銘柄は過去の株価の値動きを調べることで、おおよその傾向について知ることができます。

実際、サマーストック商品の場合でみていくと、重要が高まる夏場よりも前に株価がピークを迎えることが多く、それは各社が新商品を発表したタイミングや猛暑が予想される梅雨の時期などで、夏本番の8月には株価は下がるケースが多いのです。

そのような株価動向を狙って、シーズンストック銘柄の短期値上がりを期待した投資家が投資をするので、結果的に短期市場が形成されていきます。

まとめ

投資家にとってシーズンストック銘柄を調べる目的は、投資のリターンを期待してのことです。

今回挙げた以外に、例えば世間ではあまり有名でなくとも、市場シェアを握るシーズンストック銘柄は沢山存在します。

マーケティングの世界ではランチェスター戦略という経営戦略があり、そのなかで市場の首位独走の条件はシェア41.7%と言われています。

これは各社の目標数値のひとつであり、たとえ小さな分野でも沢山の1位を獲得している優良企業を見つけ出すことも、シーズンストックに注目していく楽しさのひとつではないでしょうか。


フリーレポート配信

モトリーフールの日本進出にあたって日本の投資家、また、これから投資を始めたい方に向けて無料で「株式投資にどう臨むか -スペシャルフリーレポート-」を配信しております。

また、英国のEU離脱が差し迫る中、投資家として知っておくべき情報も無料で配信しております。「ブレグジットの混乱を乗り越えて、よりよいポートフォリオを構築しよう:5ステップの投資ガイド」こちらからご覧ください。

ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。公式ツイッターアカウント@motleyfooljp公式フェイスブックアカウントをフォローする。

最新記事