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【米国個別株動向】ボーイング決算:737MAX運航停止の影響さらに拡大へ

モトリーフール米国本社、2019年4月24日投稿記事より

 ボーイング(ティッカー:BA)が24日水曜に発表した2019年第1四半期(1月~3月)決算は、新型機737MAXの2度にわたる墜落事故と運航停止の影響を大きく受け、コア1株当たり利益とフリーキャッシュフローは前年同期比2桁減となりました。

運航停止は当面継続する見込みで、その影響で第2四半期の業績はさらに悪化するとみられます。

第1四半期決算の概要

近年ボーイングは、コスト削減、737生産拡大等により、利益とフリーキャッシュフローを大きく拡大させてきましたが、第1四半期にそれが反転しました。

財務指標 2019年第1四半期 2018年第1四半期 前年同期比
売上高 229億ドル 234億ドル -2%
民間航空機引き渡し台数 149 184 -19%
コア営業利益率 8.7% 10.7% N/A
フリーキャッシュフロー 23億ドル 27億ドル -17%
コアEPS(1株当たり利益) 3.16ドル 3.64ドル -13.2%
受注残合計額 4,870億ドル 4,860億ドル 0.2%

出典:ボーイングの第1四半期決算報告

第1四半期の民間航空機の引き渡しは、前年同期比で35機減少しました。

737MAXの引き渡し中止が大きく響いています。

なお、航空機引き渡しの大幅な減少にもかかわらず、売上高の減少は前年同期比2%減にとどまりました。

これは、第一に、737のようなナローボディー機(内部通路が1つの旅客機)よりも、ワイドボディー機(内部通路が2つある旅客機)の方が売れるためです。

第二に、防衛部門の売上が2%増、新サービス部門が17%増となったためです。

それでも、民間航空機引き渡しの減少は、利益とキャッシュフローを悪化させています。

このため、第1四半期のコア1株当たり利益とフリーキャッシュフローが大きく減少しました。

会社ガイダンス発表を中止

第1四半期決算の発表によれば、ボーイングは2019年通年の会社ガイダンス(業績見通し)の発表を取りやめました。

同社は、737MAXで問題があったソフトウェアを改修し、コックピットの変更やパイロット向けトレーニングの強化などの対策を取っていますが、737MAXの運航再開の認可を取るためには時間がかかるため、通年見通しを立てるのが難しくなっているためです。

当然のことながら、第2四半期の業績はさらに悪化することになるでしょう。

737MAXの運航停止は第2四半期末までには解除されない可能性が高く、同四半期中に737の引き渡しができないでしょう。

つまり、ボーイングは737MAXの生産を続けていても、販売代金を受け取れないため、同社の利益とフリーキャッシュフローに甚大な悪影響を及ぼすことになるとみられます。

737MAXの引き渡しが再開すれば、年内にはいったん失ってしまった利益やキャッシュフローの一部が取り戻せる可能性があります。

しかし、ボーイングは737の減産を決定したため、当初の目標達成はほぼ不可能です。

さらに同社は、墜落事故の被害者や航空機ユーザーへの補償コストに直面しています。

ボーイング株は、実績PER(株価収益率)24倍で依然取引されていますが、不透明要因が多いため、予見できる将来においては、ボーイング株に対して警戒した方がいいと考えられます。


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元記事の筆者であるAdam Levine-Weinbergは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、記事で言及されている株式を保有していません。

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