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株の相続について。名義変更や評価について基礎知識を理解しよう

株式の相続は、普通の財産の相続とは少し違います。

株式の名義変更をすれば相続が完了しますが、それまでの過程は少し複雑です。

詳しく見ていきましょう。

相続の基礎知識

株式の相続の前に相続の基礎知識について関連することを考えてみましょう。

現預金や不動産と違い、株式の場合には信用取引をしていたりするとマイナスになる場合もあるので、その際のことも考えなければなりません。

相続放棄をするのであれば、「相続開始があったことを知った日から3ヵ月以内」、限定承認の場合は「相続があったことを知った日から3ヵ月以内」に相続人が家庭裁判所へ申請しなければなりません。(限定承認の場合は、相続人全員で申請することが必要になります。)

ここで言う相続放棄とは、相続を一切しないことで、限定承認とは、マイナスの財産とプラスの財産がある場合、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続することを意味します。

相続税の申告書の提出は、「相続開始があったことを知った日から10ヵ月以内」であり、相続税もそれまでに納めなければなりません。

そのため、ある程度の現金の用意が必要となります。

相続人の間で遺産を分ける時には、遺産分割協議書を作る必要があります。

ただし、遺言書があれば、その内容が優先されます。

株の名義変更

株の相続とは、故人名義の株式を相続人名義の株式に名義変更をすることを意味します。

実際の業務は、取引していた証券会社でやってくれますので、相続の旨を伝えて、必要な書類を揃えることが大切です。

しかし、その前に故人名義の口座の株の保有残高や保有銘柄を確認するために、取引先の証券会社に対して、残高証明書の発行を依頼します。

残高証明書には、死亡日時点で保有している株式の銘柄名や数量、時価が記載されています。

株式の資産額が明らかになり、相続人の間での協議を終えることができれば遺産分割協議書が完成します。

これにより、無事株を引き継ぐことになり、いよいよ株の名義変更処理を行います。

証券会社に必要書類を提出して名義変更を依頼します。

また、株を相続する人が、故人と同じ証券会社に口座を持っていないときは、新しく口座を開設する必要があります。

これは、故人の口座をそのまま使って取引をすることはできないからです。

この時、故人の取引先証券会社とは別の証券会社の口座に引き継ぐことも可能です。

なお、遺言書も遺産分割協議書もない場合でも、委任状など証券会社が指定する書類を提出することで、名義変更をすることは可能です。

この場合は、各証券会社に相談してみてください。

非上場株式の相続の場合、証券会社は無関係ですので非上場株式発行会社へ直接の手続きを行わなければなりません。

非上場株式発行会社には株主名簿が保管されているはずです。

相続人全員の合意を得て、株主名簿の書換をすることになります。

相続人全員の合意が得られれば、相続による株主名簿の書換はいつでもできます。

非上場会社の株主名簿の管理は、いい加減なケースも多く、誰が株主かよくわからない状態の会社がよくあることも事実です。

ただし、非上場株式であっても相続税が発生するほどの金額になる場合は、税務署が株主名簿をしっかりと確認しますので、いつでも税務署に説明ができるように株主名簿を整備しておくことが必要です。

非上場株式を実際に相続するときには、遺産相続に強い弁護士に相談するとよいでしょう。

株価の評価

遺産額評価のための株式の評価については、上場株と非上場株の場合がありますが、ここでは一般的な上場株の場合について主として説明します。

上場株式は、日によって、時間によって大きく変化しますので、株価の評価は、次の4つのうち、最も低い株価とします。

1)相続開始日(通常は被相続人の死亡日)の終値

ただし、相続開始日が取引所の営業日でなかった場合は、前後で最も近い日の終値とします。前後が同じ近さの場合は、その平均株価とします。

2)相続開始日の当月すべての営業日の終値の平均株価

3)相続開始日の前月すべての営業日の終値の平均株価

4)相続開始日の前々月すべての営業日の終値の平均株価

非上場株の評価については、相続人の会社経営への影響力の有無により評価額や評価方法が異なります。

主に原則的評価方式が採用されることが多いですが、会社の規模によりさらに細かく評価方式が分かれており仕組みは複雑です。

取得費加算の特例

株を相続した場合の税金の特例には、「取得費加算の特例」があります。

株式を売却した時に利益が得られれば、所得税を払わなければなりません。

相続した株式の売却益については、相続税と所得税の2重課税になるのを防ぐために、この特例は設けられています。

相続で上場株式を取得して、相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日までに売却した場合は、株の取得価格に相続税額を加算することができます。

この場合の相続税額とは、実際に納めた相続税額のうち、株に対応する部分の金額です。

所得税は、株式の売却価格から取得価格を差し引いた売却益にかかります。

相続税額を加算すると取得価格が大きくなるため、株式を売却して利益が出た場合、利益を圧縮することができます。

なお、この特例を受けるためには確定申告をする必要があります。

終わりに

株式の相続については、その額の大きさや相続人の人数や株式投資への習熟度などによっても違います。

相続税の基礎控除以内あるいはその近辺であれば、名義変更後に売却した後で現金を均等に相続した方が争いにならなくて現実的かもしれません。


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