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インデックス投資の弱点とは?

ETFや投資信託でインデックス投資は身近な運用法になりました。

最近では信託手数料の安いETFや投資信託も増えてきたため、より個人投資家にとってインデックス投資は人気になりました。

しかも、アクティブ運用のほとんどは長期的にみるとインデックスに投資をするパッシブ運用以下の成績しかあげられないと言われており、黙ってインデックスファンドを積み立てていけば良いという考えの人も多いのではないでしょうか。

確かにインデックスに連動したETFや投資信託を買い続ける投資法は、下手に素人が短期のトレーディングに手をだしたり、よく分からないまま地名度の高い個別株を買うよりも手堅い運用方法には違いありません。

しかし老後にお金が必要になった時に、必ず運用成績がプラスになっていてあなたの生活を保障してくれる魔法のような投資法かと言われると、それは違います。

インデックス投資とは

インデックスとは米国ならばNYダウ工業株30種やS&P500に代表される市場全体の動きのことをさします。

ETFや投資信託の中にはインデックスの動きに連動するものがあります。

このインデックスに連動した金融商品に投資をすることをインデックス投資と呼びます。

一方、インデックス投資以外の個別銘柄と売買タイミングを裁量で判断する投資をアクティブ投資と呼びます。

インデックス投資はアクティブ投資に対してパッシブ投資とも呼ばれています。

一般的に、アクティブ投資はインデックス投資を長期的にみるとアンダーパフォームすると言われています。

またアクティブ投資は機関投資家の裁量も入る分、信託手数料がインデックス投資よりも高めに設定されています。

そのため、アクティブに個別株を売買するよりも、インデックスを黙って買い続ける方が手堅い投資だと考える投資家も現在では少なくありません。

特に、資本主義下の世界全体の経済は浮き沈みや地域による盛り上がりに違いがあっても、全体としてみれば上昇し続けると仮定するなら、世界全体の株価に連動するETFや投資信託を買っておけば間違い無いとする投資法も人気です。

確かに資本主義経済は膨張し続け何度も恐慌などはありましたが、危機を乗り越え成長してきました。

個別銘柄には流行り廃りがあっても資本主義経済の寿命は今後も続き膨張し続けると仮定するなら、世界の株価インデックスを買い続ければ、必ず運用成績はプラスになり資産を築くことができそうです。

インデックス投資は敗者のゲーム

『敗者のゲーム』という投資の世界で有名な書籍があります。

著者のチャールズ・エリスはゲームには「勝者のゲーム」と「敗者のゲーム」があると説きます。

チャールズ・エリスはテニスを例え話に、次のように述べています。

テニスのプロの試合では当然、一流の技術を持ったプロ同士の対戦になります。

そのためラインのギリギリのところを狙ったり、力強いサービスで相手が追いつけないほどのスピードで打ち込んだりと、一流同士のハイレベルな技術のぶつかり合いになります。

これが技術が優れている方が勝つ勝者のゲームです。

一方で技術が未熟な素人のテニスの試合では、プレイヤーはプロと違いミスをすることも少なくありません。

例えばサービスが相手のコートまで届かなかったり、ネットにすぐにボールをひっかけてしまったりとプロと違いミスを連発します。

このような、素人同士の試合で簡単に勝つ方法はミスをしないことです。

ミスをせずに無難にコートにボールを返し続ければ、相手のミスによる失点が積み重なり勝てるのです。

これが敗者のゲームです。

チャールズ・エリスによると、株式投資はミスをしなければ確実に勝てる敗者のゲームだと言います。

統計的にはファンドマネージャーのアクティブ運用は、猿にダーツを投げさせて当たった銘柄を適当に選んで組んだ運用と成績は大して変わらないと説きます。

敗者のゲームである投資の世界で言うと、多くのアクティブファンドとの相対リターンを競う勝負ではミスをしないインデックス投資が勝ちやすいというわけです。

株投資の世界が敗者のゲームなら下手なアクティブ運用をしない方が良いということになります。

インデックス投資の弱点

インデックス投資は必ず儲かる魔法の投資法のように感じます。

少なくとも、下手なデイトレードやアクティブファンドを買うよりもずっと手堅い投資法なのは否定できません。

しかし、インデックス投資をしていれば、必ず老後に生活するために十分な資産を形成できる魔法の投資法かというとそれは違います。

世界経済は本当に成長し続けるのか

インデックス投資は世界経済が成長し続けることを前提としています。

資本主義が今後、崩壊したり限界を迎えた場合は前提条件が崩れてしまいます。

確かに資本主義が生まれてから世界の経済は膨張し続けてきました。

しかし、地球規模での資源の枯渇や人口の減少や戦争などで資本主義が限界を迎えた場合は、世界の株価指数に投資をしても、世界経済の成長を取り込むことで資産を育てることはできません。

もちろん世界経済が崩壊するような事態になった場合は投資どころではないため、どのような運用をしても利益をあげることは難しいです。

しかし世界経済が必ず成長し続けると考えないなら、インデックス投資でアクティブ運用に対して相対的なリターンを得ることはできても、投資をしない方が結果的には良かったというケースも起こりえます。

投資家には寿命もライフステージもある

投資家には寿命もあればライフステージもあります。

例えば、40歳の人がインデックス投資をはじめたとして、65歳までの25年間の間、株式市場がずっと低迷の時代を迎えて大きく下落し、上昇局面に転じたのが40年後だったというケースも起こりえます。

インデックス投資の運用がプラスに転じる頃に投資家が寿命を迎えてしまうこともあるのです。

また子育てで教育資金を捻出しなければならなくなったり、自身の老後の資金を資金が必要になった時にタイミングよくインデックス運用の含み益が十分にあるかといえば、そんな保証はありません。

投資家の寿命やライフステージで育てた資産を現金化したい時に、都合よくインデックス運用がプラスになっているとは限りません。

市場はそれぞれの投資家の都合を考慮してくれません。

インデックス投資の強み

インデックス投資は決して魔法の投資法ではありません。

しかし、それでも他の投資法に比べて強みもあります。

時間がかからない

インデックス投資は、基本的に決まった市場平均に連動したETFや投資信託を買いましていくだけなので、銘柄選択や売買のタイミングに悩む必要がありません。

特に投資信託の自動積立ならば個人投資家はすることが、ほとんどありません。

せいぜい運用成績を定期的に確認するぐらいです。

投資に時間をかけない分、他の仕事や本業に打ち込んだりできるのはインデックス投資の強みです。

銘柄選択がいらない

個別株の投資ではある程度、財務やEPSなどの分析が必要になります。

それぞれの持ち株の企業の成長ストーリーや、コンプライアンスを守っているかどうかといった動向にも気を配らなければなりません。

つまり銘柄選択をする手間も知識も必要なのです。

しかしインデックス投資ならば、個別株のPERやEPSなどの分析をしなくても済みます。

アクティブ投資に相対リターンで勝ちやすい

インデックス投資は、相対リターンではアクティブ投資に長期的に勝てるという統計があります。

そのため投資に詳しくない人が無理に個別銘柄を選んで投資をするよりも、インデックス投資は大きく失敗しない無難な投資法でもあります。

インデックス投資は万能で必ず儲かる魔法ではない

インデックス投資は確かにファンの多い優れた投資法に違いはありません。

むしろ中途半端な知識で個別株で運用したり、無理な短期トレードを繰り返すよりも手堅い投資法です。

そして個人投資家にも取り組みやすい素晴らしい投資法に違いありません。

しかし資本主義が今後も続くことを前提としており、資本主義が危機を迎えた時はインデックスの運用も無事では済みません。

そして世界経済が膨張し続けていくとしても、必ずしも投資家の寿命やライフステージに都合よく運用益が伸びるかどうかはわかりません。

極端な話、寿命を迎えた後に自分のポートフォリオが大きく成長することもあるのです。

自分が必要な時に必ずしもインデックスのポートフォリオが育っているとは限りません。

まとめ

インデックス投資は個人投資家にも取り組みやすい投資法です。

しかし、世界の株価インデックスを買っておけば必ず成功するというわけではありません。

インデックス投資にも資本主義が今後も続くかどうかといった問題があります。

また投資家の寿命やライフステージに合わせて運用成績が都合よくプラスになっているとは限らないのです。

インデックス投資は素晴らしい運用法の一つですが、盲信しすぎも良くありません。


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