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企業の「器」具合がわかる!?ネットキャッシュ倍率について解説します

皆さんの中で割安株を中心に投資をされる方も多いかと思います。

PERやPBRを分析し、さら深く分析をしようとしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

PERやPBRで割安性を分析すること以外に、ネットキャッシュ倍率という指標があるのをご存知でしょうか?

実はこのネットキャッシュ倍率からも企業の割安性を判断することが可能なのです。

そこで今回の記事では、

  • ネットキャッシュ倍率とは
  • ネットキャッシュ倍率の計算方法
  • ネットキャッシュ倍率を見ると何がわかる?
  • ネットキャッシュ倍率の目安

以上について解説していきます。

この記事を読んで頂ければ、ネットキャッシュ倍率について理解でき、割安株投資を行う上でさらに深く分析することが可能になります。

ぜひ最後までご覧ください。

ネットキャッシュ倍率とは

ネットキャッシュ倍率は企業の「器」具合を見るための指標です。

企業の時価総額に対してどれだけのネットキャッシュがあるのかを示す数値です。

そもそもネットキャッシュとは、企業の手元流動資産(現金、有価証券など)から有利子負債を差し引いた金額です。

簡単に言えば、企業の持っている現金などのすぐに動かせるお金から、借金を差し引いた金額です。

ネットキャッシュが多ければ財務健全性が高い、と判断できますが、株主などから増配やさらなる設備投資を求められる可能性があります。

ネットキャッシュ倍率の計算方法

計算方法は以下の通りです。

ネットキャッシュ倍率=時価総額÷ネットキャッシュ

またネットキャッシュとの計算方法は、

ネットキャッシュ=手元流動性(現金・預金+有価証券)-有利子負債

参考:野村證券

それではネットキャッシュ倍率を見ることでどのようなことがわかるのでしょうか?

またこの数値を基にどのような銘柄分析を行うのでしょうか?

以下で詳しく見ていきましょう。

ネットキャッシュ倍率を見ると何がわかる?

ネットキャッシュ倍率からわかることは以下の3つです。

  • 財務健全性
  • 企業買収の判断材料
  • 割安性

財務健全性

ネットキャッシュ倍率は、時価総額をネットキャッシュで割ったものです。

この数値が1倍以下ということは、時価総額以上にネットキャッシュを持っているということになります。

つまりこのような企業は、財務健全性が高いと判断することができます。

ネットキャッシュが豊富な企業は新規事業への設備投資や配当金の増配に対し余裕資金が多くあると判断できます。

不況で一時的に収益が落ち込んだとしても、豊富なネットキャッシュがあれば持ちこたえることが可能と判断できます。

企業買収の判断材料

企業が買収(M&A)をしかけるにあたり、負債が多い企業よりも豊富なネットキャッシュがあり、それを上手く活用しきれていない企業は買収候補となることがあります。

現金などのネットキャッシュは保有する資産の中でも最も流動性が高いため、買収する側からはとても魅力的に映ります。

また、近年は「物言う株主」と言われる集団がこのようなネットキャッシュを多く持つ企業の株を買い増し、配当金の増配などを求めることがあります。

このようなネットキャッシュを多く持つ企業が買収されると、株価が上がることがあります。

割安性

一般的に株価の割安性というと、PER(株価収益率)を思い浮かべる方も多いかと思います。

PERとは、時価総額を純利益で割ったものです。

そもそもこの時価総額とは企業を丸々買ったときに必要な資金です。

例えばA社を買収し、1000億円の資金を投入しました。(時価総額:1000億円)

ではこの1000億円を回収するためには、買収した企業が稼いでくれなければなりません。

A社の純利益は100億円であれば、

1000÷100=10(倍)

つまりこのA社のPERは10倍となります。

このPER10倍というのは、言い換えれば10年かけて買収資金の1000億円を回収できるということになります。

PERは元が取れる年数と考えてもいいのです。

同じ資金を投入しても元が取れるのが早いに越したことはありません。

PERが低ければ低いほど、株価は割安と判断できます。

ところがこのPERには一つ欠点があります。

それは利益にしか着目していないことです。

たとえば、このA社は市場が成熟してきたことから設備投資を控え、ネットキャッシュを積極的に積み上げていたとしましょう。

このような企業が将来さらに利益を上げていくことができると判断できるのでしょうか?

そこでPERの補完的に活用するのが、ネットキャッシュ倍率です。

このような場合A社のPERは10倍と比較的割安な水準にあり、ネットキャッシュを積み上げているため、ネットキャッシュ倍率は低くなります。

つまり市場が成熟してきたため、ネットキャッシュを積み上げ守りの経営に入ったことがうかがえます。

今後株価が上がる可能性は低くなります。

ネットキャッシュ倍率で財務の健全性や割安性を判断できることがわかりましたが、どこまでが割安と判断できるのでしょうか。

具体的に見ていくことにしましょう。

ネットキャッシュ倍率の目安

ネットキャッシュ倍率は時価総額をネットキャッシュで割ったものということは前述しました。

たとえば以下の例で考えていきましょう。

B社:時価総額1000億円 ネットキャッシュ500億円

C社:時価総額800億円 ネットキャッシュ1000億円

B社のネットキャッシュ倍率:1000÷500=2

C社のネットキャッシュ倍率:800÷1000=0.8

この場合どちらが割安かというと、C社の方と言えます。

ネットキャッシュ倍率は低い方が、割安と判断できます。

そして一つの目安として、ネットキャッシュ倍率が1倍を下回るか上回るかが分岐点となります。

1倍を下回れば、時価総額よりもネットキャッシュが多いので割安と判断できます。

ではネットキャッシュ倍率が低ければ低いほどいいかというと、そうではありません。

ネットキャッシュ倍率が低いということは、多額のキャッシュはあるがそれをうまく活用できていないといえます。

低すぎるネットキャッシュ倍率は設備投資などに消極的で衰退産業であることがありますので注意が必要です。

まとめ

ネットキャッシュ倍率について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の記事のポイントは、

  • ネットキャッシュ倍率が低いと割安と判断できる
  • ネットキャッシュ倍率が低ければ買収の候補となる可能性がある
  • 低すぎるネットキャッシュ倍率の銘柄は注意が必要

企業の財務健全性や割安性を判断できるネットキャッシュ倍率ですが、あくまでPERの補完的という扱いで使用することが一般的です。

どのような指標もそうですが、どれか1つだけでなく様々な指標を組み合わせて活用することで、より銘柄分析を深く行えると言えます。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。


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