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相関係数とは?分散投資のために確認しておきたいポイント

ポートフォリオ(資産の配分)で銘柄の組み合わせを決める時に役立つのが「相関係数」です。

相関係数は資産間の値動きの関係を表しています。

この記事では、相関係数の考え方から、各資産の相関係数まで詳しく解説していきます。

資産運用はポートフォリオを組んでリスクを軽減させることができる

資産運用ではポートフォリオを決めることが大切です。

ポートフォリオとは、金融商品の組み合わせのことで、具体的な運用商品の比率を決めることです。

例えば、株式はどの銘柄で何株持つか、債券の割合をどのようにするかという意味です。

例えば、我々の年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオは次のようになっています。

出典:GPIF

このようにポートフォリオを組むことによって、複数の銘柄や資産に分散投資できるので、リスクを減らして安定的なリターンを目指すことができます。

これは、「ポートフォリオ理論」による値動きの異なるものに分散投資するとリスクが低下するという理論に基づいています。

ポートフォリオを構築することの重要性

ただし、同じような値動きをする資産に複数投資しても、分散効果は小さくなります。どのような資産に投資すればいいのでしょうか?

この時に大切な考え方が「相関係数」です。

相関係数とは

相関係数とは、2つの資産の関連性を表す統計値です。

+1からー1までの範囲で表され、+1に近づくほど値動きが連動する傾向が高く、-1に近づくほど逆の値動きをする傾向が強くなります。

全く違う動きの時はゼロに近づきます。統計的に正確な定義は次のようになります。

0.7≦ r ≦1.0 強い正の相関
0.4≦ r ≦0.7 正の相関
0.2≦ r ≦0.4 弱い正の相関
―0.2≦ r ≦0.2 ほとんど相関がない
―0.4≦ r ≦―0.2 弱い負の相関
―0.7≦ r ≦―0.4 負の相関
―1≦ r ≦―0.7 強い負の相関

ポートフォリオを組む場合は、負の相関が強いほどリスクを下げる効果があります。

異なった値動きをする可能性が高いからです。

例えば、株式と債券では逆の値動きをすることが多いので、株式市場が下落する局面では債券相場の上昇により損失をカバーできます。

リスクとリターンの関係

リターンが高い金融商品ほど、リスクが高い傾向にあります。

例えば、債券よりも株式の方がリターンを目指せますが、その分損失のリスクも高まります。

同様に、先進国よりも新興国の債券や株式のリスクが高いものの、期待できるリターンも高くなります。

一般的に、リスクとリターンの関係は以下のようになります。

これらのリスクとリターンを考慮しながら相関係数を計算して、なるべくポートフォリオのリスクを少なくするように資産配分を決めていくのです。 

分散投資でも完全にリスクを消せるわけではない

分散投資によってリスクを下げることはできますが、完全にリスクがなくなるわけではありません。

例えば、ブラックマンデーやリーマンショックなどでは、株式を分散していても全部下がってしまう場合もあります。

値動きが異なる株式や債券でも、つねに逆の動きをするわけではなく、同じような値動きになる時もあります。

ですから、短期的には損失が膨らむ可能性があるのです。

ただし、長期的にみれば元の相関に落ち着くことも多いので、一時的に相関係数が変わっても慌てることなく、長期的な視野で考えるようにしましょう。

相関係数と投資のリスクに関しては以下のように考えるのが一般的です。

相関係数 分散効果
1.0 効果なし
0.5 緩やかにリスク低下
0 かなりリスク低下
-0.5 ほとんどリスク低下
-1 すべてのリスク消滅

相関係数が+1.0ということは、完全に同じ動きをするので分散効果はありません。

一方、相関係数がー1.0ということは、完全に逆の値動きをするので、リスクはなくなります。

ただし、相関がプラスでも、分散投資をすればリスクは低下します。+0.5でも緩やかにリスクが低下します。

例えば、JPモルガン・アセット・マネジメントの調査では、相関係数は以下のようになっています。

出典:J.P.Morgan Asset Management

右側のグレーのゾーンは直近10年間の相関係数、左側のゾーンは直近3年間の相関係数です。

日本株(1番左上)と米国株(2番目)を比較した場合、10年間の相関係数は「0.60」、3年間の相関係数は「0.68」となっています。

日本株と米国株は「正の相関」ですが、両方を購入することによりリスクを軽減させる効果があるのです。

もちろん、日本株と日本国債は-0.34(10年)、日本株と米国10年国債は-0.45(10年)となっているので、よりリスクを軽減できますが、正の相関を持つ株式でも幅広く分散させる方が効果的です。

ただし、0.7以上は「強い正の相関」となりますので、0.7未満で考えるようにしましょう。

分散投資の効果

相関係数を調べ、負の相関がある資産を組み合わせるほどリスクは軽減させることができます。

ただし、その分、リターンも減ってしまうことには注意しましょう。

逆相関ということは、値動きが逆なので、株式が上昇する時は、債券の価格は下落することになります。

しかし、投資の基本は「長期・分散」投資です。

短期的に大きな利益を狙うのではなく、なるべくリスクを減らして安定的なリターンを目指していくべきです。

確かに大きなリターンは魅力ですが、相関係数を考慮した分散投資でリスクを下げて、長期的な視点で資産運用を行うようにしましょう。

まとめ

今回はポートフォリオを決める時に大切な「相関係数」について解説してきました。

ポートフォリオ理論は、一般に機関投資家が用いる手法なので、個人投資家が厳密に相関係数を調べて銘柄配分を決める必要はないかもしれません。

ただし、分散投資で資産配分を決める時に、国内株と外国債券の値動きの関係はどうなっているのかなどを把握することは大切です。

保有する銘柄の相関係数を調べ、資産運用に役立てるようにしましょう。


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