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任天堂とテンセントの「スイッチ」中国市場投入の行方

モトリーフール米国本社、2019年4月22日投稿記事より

最近、任天堂(ティッカー:NTDOY)は、テンセント(ティッカー:TCEHY)と提携し、ゲーム機「スイッチ」の中国市場投入を発表しました。

テンセントは、「スイッチ」とゲームソフト「NewスーパーマリオブラザーズUデラックス」を規制当局に申請し、このほど暫定的な認可を得ました。

これにより、任天堂の株価は6ヵ月高値を付けています。投資家はこの提携をどう捉えればいいのでしょうか?

任天堂が中国市場を必要な理由

中国は世界最大のゲーム市場ですが、2000年から2015年にわたりゲーム専用機の利用が禁止されていたため、ゲームのプラットフォームはPCとスマートフォンに大きく移ってしまいました。

この市場動向とゲームソフトに対する厳しい規制により、ソニー(ティッカー:SNE)やマイクロソフト(ティッカー:MSFT)も、中国市場でのゲーム機販売に苦戦しています。

任天堂は2017年にスイッチを販売開始し、これまで3,300万台以上を出荷しました。

しかし、市場の飽和化により、売上成長が減速してきました。

任天堂は2019年3月期に累計出荷台数の3,800万台達成を見込んでいましたが、1月に下方修正しています。

「スイッチ」ゲーム機、関連機器、ゲームソフトの売上は、任天堂の直近四半期売上高の90%を占めていました。

スイッチを中国に投入できれば、中核事業の強化につながるでしょう。

テンセントが任天堂のスイッチを欲しい理由

テンセントの主力であるゲーム事業は、直近四半期売上高の29%を占めていますが、昨年9カ月間続いた新ゲームソフトの認可凍結の影響に苦しんでいます。

また、PCゲーム売上の長期的な低迷が、スマートフォンゲーム売上増の足を引っ張っています。

テンセントのセグメント別売上の四半期伸び率(前年同期比、%)

セグメント 2018年

第1四半期

2018年

第2四半期

2018年

第3四半期

2018年

第4四半期

スマートフォンゲーム 68% 19% 7% 12%
PCゲーム 0% -5% -15% -13%
オンラインゲームの合計 26% 6% -4% -1%

出典:テンセントの四半期報告書

テンセントは、人気ソフトPUBGやフォートナイトのPC版の認可を得られていません。

ゲームビジネスの成長を加速させるためには、これらの人気ゲームの認可が欠かせません。

テンセントが任天堂とパートナーシップを結ぶ利点は2つあります。

第一に、スイッチをスマートフォン、PCに続く第三のゲームプラットフォームにすることで、テンセントが保有するゲームを活用できます。

第二に、テンセントのスイッチ向けゲームソフトを海外での販売することができます。

投資家が注意すべきこと

任天堂とテンセントにとっては、ウインウインの提携のように聞こえますが、スイッチの今後のゲームソフトが認可されるかは不透明です。

もし、PCゲームやモバイルゲームと同様に、中国規制当局の姿勢が遅々たるものである場合、ゲームユーザーはスイッチへの関心を失う可能性があります。

さらに、ゲームユーザーの多くは、海外または国内の非公式市場でスイッチを購入していることも考えられます。

この結果、スイッチが公式に認可されても、売上を大きく押し上げない可能性もあります。

このため、投資家は、両社のパートナーシップを過大評価すべきではないとの見方があります。


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マイクロソフトの子会社LinkedInの従業員であるTeresa Kerstenは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者であるLeo Sunはテンセント株を保有しています。モトリーフール社は、マイクロソフト株とテンセント株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、任天堂を推奨しています。

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