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【米国個別株動向】アマゾン、中国でのEコマースから事実上撤退

モトリーフール米国本社、2019年4月22日投稿記事より

アマゾン(ティッカー:AMZN)は、7月に中国国内のマーケットプレイスを中止すると発表しました。

これにより、アリババ(ティッカー:BABA)やJD.com(ティッカー:JD)との15年にわたった苦しい戦いに終止符が打たれます。

アマゾン中国のEコマース(電子商取引)マーケットプレイスは存続しますが、中国国内業者による消費者向けの製品販売は出来ず、中国以外の国のサードパーティーしか製品を販売できなくなります。

アマゾンは、キンドル、オンラインコンテンツ、クラウドサービスのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)などを中国で扱うので、中国市場を完全に諦めたわけではありません。

しかし、国内向けの本格的なマーケットプレイス構築(中国製品の取り扱いと自社の独自配送網を駆使した受注と配達)はもはや叶わないようです。

アマゾン、中国市場をこじあけられず

アマゾンが中国市場に進出できなかったのは、JDとアリババが国内のEコマース市場に先に参入し、強固な地盤を築いていたためです。

JDは1998年に設立され、2004年にEコマース・マーケットプレイスを開始しました。

アマゾンと同様にJDはB2C(企業と一般消費者の取引)モデルです。

アリババは1999年に設立され、2003年に淘宝網(Taobao)マーケットプレイスをスタートさせました。

淘宝網はC2C(消費者間取引)ビジネスモデルで、アマゾンよりもイーベイに近いものです。

そして2008年にはB2Cのマーケットプレイスである天猫(Tmall)を開始しました。

アマゾンは、2004年にオンライン書店のJoyo.comを7,500万ドルで買収して中国市場に参入しました。

しかし、JoyoはJDやアリババの後塵を拝し、アマゾンの大規模投資やブランド最構築も奏功しませんでした。

また、2016年には中国版プライムを開始しましたが、アリババやJDのような迅速な受注・配達が出来ず、さらにストリーミングのコンテンツも不十分でした。

調査会社のeMarketerによれば、アマゾン中国は、2018年の中国Eコマース売上の0.7%を占めるに過ぎず、市場第1位のアリババの58.2%、第2位のJDの16.3%に大きく差をつけられています。

インド市場に注力

なお、中国経済の成長減速に伴い、アリババやJDの売上高の前年比伸び率もこのところ減速しています。

中国はアマゾンにとって主力市場(現在は米国、ドイツ、英国、日本)ではないため、アマゾン中国の国内マーケットプレイスの閉鎖は同社の長期的な成長には影響を及ぼさないでしょう。

このためアマゾンは中国での投資を圧縮し、インドのように今後有望な市場の開拓に注力しています。

人口が世界第2位のインドは経済成長を続けており、モルガン・スタンレーは、2024年までには人口の半分がインターネットユーザーになると予想しています(2016年時点では14%)。

アマゾンとウォルマートがインドの2大Eコマース企業で、アマゾンは事業拡張のため3年前に50億ドルを投じています。

アマゾン中国の今後

アマゾンは中国から撤退するわけではありませんが、継続する事業も厳しい競争に直面しています。

アマゾンは引き続き海外の製品を中国で販売しますが、アリババのアリエクスプレスやJDのJDワールドワイドはクロスボーダー取引を充実させており、強敵です。

またクラウドコンピューティングのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)についても、調査会社のIDCによれば、アリババクラウドが中国最大のクラウドプラットフォームとなっており、AWSは大きく差をつけられています。

アマゾンのキンドルも、テンセントのQQリーダーと苦しい戦いになっています。


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アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者であるLeo Sunは、アマゾン株、JD株、テンセント株を保有しています。モトリーフール社は、アマゾン株、JD株、テンセント株を保有しており、そして推奨しています。モトリーフール社は、イーベイ株を推奨しています。

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