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株式の指定替えとは?株価への影響と予測の方法について

今年に入ってから東証再編の議論が活発化しており、株式市場は特に目が離せない日が続くかもしれません。

現行の4市場(東証1部、2部、ジャスダック、マザーズ)から3市場へと再編をするのではと報じられており、東証1部上場基準が厳格化されることが予想され、それに伴い現在約2100社ある東証1部企業が半分以下になるとも予想されます。

反対に、2部から1部へと成長する企業もあるでしょう。

このように、企業が証券市場における所属する市場が変更されることを「指定替え」と呼びます。

今回はこの「指定替え」の基準や実際の株価にどのような影響を与えるのか、くわしく解説していきます。

指定替えとは?

指定替えとは、証券取引所に上場している企業の所属カテゴリーが変更されることです。

例えば企業が成長し、東証2部へと上場承認された場合、企業は東証2部から1部へと昇格を目指すことが多いです。

なぜなら、東証1部企業の知名度や信頼度は他の市場よりも圧倒的に高く、そのため、多くの資金が集まりやすくなります。

成長著しいベンチャー企業の中には、1部上場へと指定替えされることを経営目標の一つに掲げている企業もあるのです。

それほど東証1部というブランドには多くのメリットがあるといえます。

指定替えは株価に影響を与える?

指定替えで東証1部へと昇格することで、株価も上昇することが予想されます。

その要因のひとつとして投資ファンドが運用する商品の中には、東証1部に特化したファンドも少なくありません。

そのため、東証1部へと指定替えされれば、それだけ多くの資金が集まり、株価も上場することが予想されます。

反対にもしも再編が実現して東証1部企業が降格した場合、ファンドが株を売りに出すはずなので、降格企業の株価は下落し、企業活動へ影響が出るはずです。

これにより、ファンドは売って得た資金を使って、さらに東証1部へと資金が集中していくことが予想され、東証1部企業の株価がさらに上昇していき、指定替えにより明暗ハッキリと分かれる影響が出るはずです。

指定替えの基準

東証2部から東証1部へと指定替えする基準を例にみていきます。

東証1部上場基準(一部抜粋)

  • 株主数は2200人以上
  • 流通株式数は2万単位以上で流通株式時価総額は20億円以上
  • 売買高は申請日の属する月の前の月以前3ヶ月間及びその前の3ヶ月間の月平均売買高が200単位以上
  • 時価総額40億円以上であること
  • 純資産額が連結純資産で10億円以上、及び単体純資産の金額が負でないこと

このように定められています。

実際、東証1部の中にはトヨタやソフトバンクなど、日本経済を牽引する売上高1兆円を超える大企業もあれば、売上高数百億円規模の企業まであり、その企業規模には大きな違いがあります。

そして現在、議論されている再編案では1部上場基準が500億や1000億とも言われており、もし本当に再編されたら、実に7割の会社が降格すると言われています。

現在の2100社から600~700社しか残らないことになり、その影響は計り知れません。

指定替えが行われそうな銘柄は予測できる?

指定替えが行われる企業銘柄は、ある程度予測することができます。

まず上場基準を満たしていることが基本条件です。

それに加えて経常利益で判断することができます。ここでのポイントは2年連続で黒字化出来ていることと、経常利益が合わせて5億円以上である必要があります。

ここでいう黒字とは、財務諸表上の経常利益の金額を指します。

いくら人気企業といっても赤字であれば指定替えすることができないのです。

気になる企業の決算発表を見る際に、黒字基準額に到達しているのかも合わせて確認しましょう。

また、株式の流動性も条件の一つです。

この流動性とは流通している浮動株を指しますが、リアルタイムに把握できないので、厳密に適用されることは少ないです。

流動性が少ない会社、例えばワンマンオーナーや典型的な親族経営などの場合、特定の人物に株が集中しているケースでは流動性が低いと判断され、東証1部への指定替えの可能性はほぼないといって間違い無いでしょう。

また新たに株主優待の新設がある場合、それは企業が株主を募集していることになるので、指定替えの可能性があります。

そして、「立ち合い外分売」といって、市場に出回る流動株を増やす戦略があります。

これは証券取引所の取引時間外に大株主の売り注文を小口にわけて多くの投資家に売買してもらう方法です。

これにより、投資家の数が増え、流動性が向上するため、指定替えを狙う可能性が高い企業と判断できます。

他には、そもそも経営状況が悪く東証1部への昇格を狙う所まで業績が改善されていないケースがあります。

あとは、経営陣の方針です。意図的に東証2部で居続ける企業もあれば、ジャスダックやマザーズなどの新興市場に上場している企業は、東証1部に指定替えすること、さらには世界的なグローバル企業になる野心を秘めた会社もあります。

今後成長していく、テンバガー越えする企業を発掘する面白さと、指定替え企業は、成長企業を探すという意味において、共通点があるように思います。

なぜなら成長著しい企業を業界では「出世魚」と呼んでおり、株式市場でもマザーズからいきなり東証1部へと出世する企業もあるのです。

情報は常に「適時開示情報閲覧サービス」によって確認できるので、投資機会の一つとして情報を得ることもオススメです。

まとめ

近い将来、起こるかもしれない「東証再編」の動き。

こういったときだからこそ、投資家は客観的な企業分析が必要です。

事実、東証1部への指定替えのハードルは低くなり、東証1部企業の増加と相対的にそのステータスは低下しているとも言われています。

とはいえ、東証1部であることは日本国内において強い影響力を持っており、株式市場は企業にとって資金調達の場でもあるので、再編により大きな軋轢が生まれるはずです。

今後、東証1部のさらに上の、グローバル企業しか参入できないプレミアム市場が誕生するかもしれません。

何より、国内だけでなく世界中の投資家にとって、魅力的な証券市場になって欲しいと思います。

「指定替え」は今後の株式市場に置いて、さらに注目が注がれるはずです。


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