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海外投資をするなら知っておきたい為替ヘッジとは?

「為替ヘッジ」を理解するには、為替について知っておく必要があります。

為替には内国と外国があり、米ドル・ユーロ・ポンド・ウォンなど、国境を越えて違う種類の通貨の間で行われる取引を、外国為替取引と言います。

海外の商品を購入する際には、その国の通貨に交換しなくてはなりません。

通貨がいくらで交換できるのかは、常に変動している「為替レート」によって決定されます。

例えば、米ドルの需要が高まれば価値は上がり、逆に需要が落ちると価値も下がります。

このように通貨の価値は、それぞれの需要によって決定されているのです。

それでは、為替ヘッジについて説明していきます。

為替ヘッジとは?

為替ヘッジとは、為替の変動により利益が減ってしまうリスクを回避することです。

ヘッジは直訳すると、「避ける」という意味があります。

一般的に海外の株や債券などの資産に投資する時、その国の通貨で運用が行われます。

米国なら米ドル、欧州連合加盟国ならユーロ、インドならインドルピーでその国の株式や債券を購入します。

投資で得た利益を受け取る際、日本円に両替する必要がありますが、この時に為替レートの変動がその利益に大きく影響してくるのです。

例えば、投資先の海外通貨の価値が上がれば(円安)円換算した時にプラスになりますが、逆に価値が下がってしまえば(円高)利益はマイナスになってしまいます。

そのため、為替の変動により円換算する際に資産価値も変動することになります。

この資産価値の変動を為替リスクといいますが、このような為替の影響を回避することが為替ヘッジの目的です。

為替ヘッジを行うために、先物取引や信用取引などの取引が用いられますが、コストもかかってきます。

このコストによって、資産が目減りする可能性もあります。

為替ヘッジをしていたとしても、為替の影響を確実に回避できると保障されているわけではないため、注意が必要です。

海外資産へ投資する投資信託では、必ず目論見書(投資信託について、投資判断に必要な重要事項を説明した書類のこと)に「ヘッジあり」「ヘッジなし」と記載されています。

為替ヘッジの仕組み

為替ヘッジが、為替レートの変動による利益減少のリスクを回避するためのものだと説明しました。

それでは、どのような仕組みで為替の影響を回避しているのでしょうか。

一般的に、海外通貨の投資商品を購入する際、「為替予約」という取引を行います。

「為替予約」とは、購入した時の為替レートのまま、ある一定期間先の(通常数ヶ月〜1年以内)取引を予約しておくことです。

例えば、米ドルの投資商品を購入するとします。

購入した時の為替レートは、1ドル=100円でした。

1年後、1ドル=80円のドル安・円高になっていたら投資した商品の価格が変動していなくても、為替レートの変動だけで20%損失が出てしまいます。

将来円高・円安のどちらに転ぶかは誰にもわかりませんが、投資資金が減ってしまうリスクは避けたいものです。

そこで、最初に購入した為替レート1ドル=100円で1年後も取引すると約束してしまえば、20%の損失を出すことがありません。

しかし、1年後に1ドル=110円とドル高・円安になった場合、11,000円とプラスになります。

この時に、為替ヘッジをしていなければ両替の際に1,000円プラスになっているのですが、為替ヘッジをしている場合にはこの利益を得ることはできません。

つまり、為替予約することで、円高になった時のリスクは回避できるが円安になった時の利益は受け取ることができないということになります。

為替予約の予約期間は、各金融機関・金融商品等によって異なりますので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

為替予約をするためには「ヘッジコスト」が発生します。

円安・円高どちらに動いても必ずかかってくるものです。

費用は常に一定というわけではなく、為替予約を行う時の外国通貨との金利差分がヘッジコストとして発生します。

例えば、日本の短期金利が1%で米国の短期金利が4%だとすると、その差の3%を使ってヘッジコストを計算します。

ここ数年は、日本のマイナス金利政策と米国の利上げによってヘッジコストは右肩上がりで上昇。

ヘッジコストを含めた上で、為替ヘッジを行った方が良いのか判断する必要がありそうですね。

為替ヘッジのメリット

為替ヘッジを行うメリットは何と言っても、円高になった場合の損失を回避できることです。

為替の変動を意識しなくてよいので、金融商品そのものの利回りや価格変動に集中できます。

商品によっては、100%資産をヘッジするものや部分的に行うものもありますので、商品ごとに確認しましょう。

為替ヘッジのリスク

為替ヘッジを行うリスクは以下の2点です。

  • ヘッジコストが発生する
  • 円安の場合利益を享受できない

将来の円安を予測する場合は、為替ヘッジありの商品を避けることで利益拡大を狙えると言いかえることもできます。

為替ヘッジは必要なのか

「仕組みやメリット・デメリットは分かったけれど、結局為替ヘッジは必要なのだろうか。」と思う方もいるでしょう。

必要かどうかはそれぞれの投資スタイルや性格によっても変わってきます。

今後、円安を予測するのであれば為替ヘッジなしの金融商品がいいですし、円高を予想するのであればヘッジコストに気をつけながら為替ヘッジありの選択がいいかもしれません。

為替のリスクを許容できますという方は、コストもかからないため為替ヘッジは不要です。

必要か必要でないかは、それぞれの投資スタイルをよく知った上で判断することをおすすめします。

まとめ

海外投資は日本国内の投資商品よりも利回りが大きいこともあるため、自分のポートフォリオに組み込みたいものです。

為替の変動があることを理解し、必要であれば為替ヘッジを行うことでより安心して運用することができます。

今回の記事をぜひ参考にしてみてくださいね。


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