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株価の割高・割安のトレンドは「シラーPER」でも判断できる。PERとの違いについても説明

アメリカを始めとする投資大国では様々な金融や投資における研究がなされており、経済の動向や株の値動きなどを判断する指標というものが生み出されています。

配当利回り・PBR・ROE・PERなど馴染みのない言葉ですので、投資家初心者にとって投資が難しいと思ってしまう原因の一つかもしれません。

しかし、指標を理解することで投資における一つの目安にでき投資家の強い味方になってくれます。

そして、勘に頼ったギャンブルのような投資を避けることが可能です。

今回は、数ある指標の中でも「シラーPER」について説明していきます。

株式投資をされている方はぜひ参考にする指標の一つに加えてみてください。

シラーPERとは?

シラーPERとは、インフレ率を調整した過去10年間の1株あたりの純利益の平均値でPER(株価収益率)を計算したもののことです。

もっと簡単に言うと、株価もしくは株式市場の割高・割安を測る指標の一つということになります。

通称、CAPEレシオとも呼ばれています。

この指標は、2013年アメリカのノーベル経済学賞受賞者ロバート・シラー教授とジョン・キャンベル氏によって考案されたものです。

このシラー教授は、ITバブルの崩壊やサブプライムについていち早く警告したことで有名な人です。

一般的にアメリカの株式指標に対して使われていますが、日本の株式指標などにも用いることができます。

基本的に、このシラーPERが高ければ株価が割高で、低ければ割安の相場だと言われています。

10年スパンでこの平均収益を見ていますので、加熱しすぎてバブル期を迎えているのかこれからトレンドが来るのかなど長期的に見ることが可能です。

シラー PERは株式指数の割高・割安などを見るために用いられますが、株の個別銘柄への判断にはあまり用いられません。

このシラーPERのチャートはインターネットなどで誰でも見ることが可能です。

(参考:株式マーケットデータ

シラーPERと通常のPERとの違い

先ほど、PER(株価収益率)という言葉を出しましたが、これはシラーPERとは意味が異なります。

PERは、株価が割安かそうでないかを測る指標のことです。

今の株価を、単年度の1株あたりの純利益で割って計算します。

PER値が15倍以下であれば割安と言われていますが、過去の状況と予想PERを見比べたときに15倍以下であっても割安だと言えない場合もありますので、他の指標も用いることが重要です。

また、成長が期待できる企業はPERが高くなり、逆に成長が見込めない企業のPERは低くなる傾向もあります。

PERは、長期間ではなく単年度という短いスパンで見ているものになります。

一方、シラーPERはPERとは異なり、インフレを補正し1株あたり純利益の10年間平均値を使っているため、収益の変動や経済状況の影響などを除いて長期的に判断することができるPERの一種です。

基本的には、25倍を超えてくると割高でその後下落に傾く可能性が高くなるため、要警戒だと判断されます。

過去25倍以上になったのは、世界恐慌前に起こったバブル期・ITバブル期・サブプライムバブル期、そして現在の4回です。

2017年~2018年には30倍越えした時期もありますが、2018年の年末から2019年にかけてやや落ち着いてきている印象です。

しかしながら、25倍以上であることには変わりありませんので、割高な時期だということが分かります。

そして、この警戒域の25倍を超えてから約5年近くが経ちいまだに25倍以上をつけていますので、今までの歴史から見ても異様な状態です。

ちなみに、シラーPERは1881年から現在までの膨大なデータがあります。

シラーPERの計算方法

次に、どのような計算方法でシラーPERが求められるかを説明します。

上記で出てきたPERは、

PER=現在の株価÷1株あたりの純利益(EPS)

で求められます。

※EPSとは1株あたりの利益のことで、当期純利益÷発行済み株式数で求めることができます。また、一般的にEPSは値が大きいほど良いと言われています。

一方シラーPERは、

シラーPER=現在の株価÷過去10年間の1株あたりの純利益の平均値

※純利益のインフレ補正が必要です。

で求めることができます。

この計算方法を知っていれば、投資初心者の方もデータを当てはめてシラーPERを求めることが可能です。

シラーPERを見るメリット

先に触れたとおり、シラーPERを見るメリットとして、

  • 株価の割高・割安などのトレンドを大まかに知ることができる
  • インフレ率を調整して計算しているため、様々な影響を除いて長期的に判断することができる

が挙げられます。

シラーPERを見るデメリット

シラーPERにおけるデメリットに「割安な時期を示してくれない」ことが挙げられます。

1881年から現在までのシラーPERの平均値はおよそ16倍ですが、ここ20年ほどはほぼ16倍以上という結果が出ています。

平均値以下の時期がないため、数字上であれば「割安な時期がない」と判断されることになってしまいますよね。

ですが、その16倍を下回らない時期でも株価が割安な時期は実際ありました。

まとめ

今回は、シラーPERについて説明してきました。

シラーPERは株価の割高・割安を判断する一つの指標です。

この指標だけで判断するのではなく、あくまで「大まかな目安」として他の指標と一緒に投資戦略に使っていただけたらと思います。

過去のデータと比較しながら、現在の株価相場を見ていけるようになれれば株式投資の強い味方になってくれます。

ぜひ、参考にしてみてください。


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