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銘柄比較:P&Gとコカ・コーラ

モトリーフール米国本社、2019年4月14日投稿記事より

プロクター&ギャンブル(ティッカー:PG、以下「PG」)とコカ・コーラ(ティッカー:KO)は、株式市場において最も安定した企業として知られています。

また、両社は数十年にわたり増配してきたため、「配当貴族(25年以上連続して増配を実施している会社)」に該当します。

また、両社は、消費財市場において歴史ある企業ですが、同市場は現在、新興ネット企業との競争にさらされています。

長期的に見た場合、どちらが市場環境の変化にうまく適応できるでしょうか?

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新たな消費市場に適応できるのはどちらか?

事業戦略面において、両社は同様の課題を抱えています。

両社はこれまで、小売店の販売棚を囲い込むことで競合を排除し、市場で支配的なポジションを維持してきました。

また、コカ・コーラは新ブランドを次々と投入することで飲料市場のシェアを拡大しました。

一方、P&Gは多角化戦略を取り、様々な製品によって小売店の販売スペースを占拠してきました。

しかし、インターネットと新たな小売りトレンドが、両社の小売市場ポジションを変えてしまいました。

アマゾンのような小売業者の登場により、小規模のブランドであってもコカ・コーラやP&Gと張り合うことが可能になりました。

さらに、消費者向け製品における健康、カスタマイズ、ローカル志向が、両社の成長見通しに影響を与えています。

下のチャートにあるように、両社の売上高は過去5年間にわたり減少しています。

これは、資産売却の影響があるものの、既存事業が以前ほどには堅調に成長していないこともあります。

P&Gとコカ・コーラの売上高(上)と純利益(下)の推移(単位:パーセント)

出典:YCHARTS。2019年4月7日時点

新しい消費トレンドに適応していけるのはどちらでしょうか?

P&Gの方が、戦略的に良いポジショニングにあると考えられます。

紙おむつのパンパース、男性用デオドラントのオールドスパイス、洗濯用洗剤のタイドといったP&Gブランドには、高いブランドロイヤルティがあります。

また、大規模生産によりコスト競争力もあります。一方、コカ・コーラは飲料市場におけるローカル化競争に直面しています。

人々は、以前のようにグローバルブランド飲料にこだわらず、より健康的で地域の根ざした飲料を好むようになっています。

近年の業績推移

最適な投資を考える場合、企業戦略が重要ですが、業績推移も劣らず重要です。

コカ・コーラとP&Gは高い利益をあげていますが、P&Gの方が資産からより良い利益をあげています。

下のチャートにあるように、P&Gは過去2年間、営業利益率は若干低下したにもかかわらずROA(総資産利益率)は上昇しています。

なお、コカ・コーラの営業利益率の上昇には注意が必要です。

これは、利益率の低いボトリング会社売却が影響しているためです。

P&Gとコカ・コーラのROA(上)と営業利益率(下)の推移(単位:%)

出典:YCHARTS。2019年4月7日時点

営業状況のおいては、P&GのROAの方が高いため、若干優位に立っていると考えられます。

バリュエーションで見た場合

バリュエーションについては、P&Gとコカ・コーラに大きな差はありません。

下のチャートで分かるように、予想PERはほぼ同様です。

P&Gとコカ・コーラの配当利回り(上、単位:%)と予想PER(下、単位:倍)の推移

出典:YCHARTS。2019年4月7日時点

消費財分野で起こりつつある創造的破壊を考えると、2つの株を典型的なバリュエーション指標で比較することは意味がないように考えられます。

その代わり、各市場において、2社がどのような戦略ポジションを取りつつあるかを見た方が有効でしょう。

その場合、P&Gに明確な強みがあるとみられます。


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