相場が瞬間的に暴落する?フラッシュクラッシュについて解説します

皆さんの中には、相場が急落するフラッシュクラッシュがなぜ起きるのか調べている方もいらっしゃるかと思います。
フラッシュクラッシュの原因を調べて、その対策を考えている方もいるでしょう。
実はフラッシュクラッシュは人為的なものでなく、AIなどのコンピューターによるものが多いということをご存知でしょうか。
そうであるとしたら、私達はどのように相場に向かえばいいのでしょうか?
そこで今回の記事は、
- フラッシュクラッシュとは?
- 機関投資家の売りやそれに伴うアルゴリズムの自動売買が原因
- フラッシュクラッシュが起こった時の対処法
- 過去に起きたフラッシュクラッシュの例
以上について解説していきます。
この記事を読んで頂ければ、フラッシュクラッシュについての理解ができ、その対処法までを知ることができます。
ぜひ最後までご覧ください。
フラッシュクラッシュとは?
フラッシュクラッシュとは、相場が瞬間的に暴落、急落することをいいます。
これは、株でもFXでも発生することがあります。
フラッシュクラッシュの特徴として、一瞬にして相場が下落するということがあります。
それ以前は相場も安定していたが、ある時を境に急落、暴落します。
たとえば、2019年の1月3日のFX市場でもこのようなことが発生しました。
またもう一つの特徴として、流動性が著しく低下した時に発生します。
前例の2019年1月3日は、正月という市場への参加者が1年を通して少ない時に発生しました。
流動性が低い時に、誰かが一気に大金を動かすようなことがあれば相場が急変動することも納得できます。
またこの流動性が低い時期というのは、日本だけのイベントでなく、世界各国のイベントにも注目しておく必要があります。
たとえば、日本のお盆に当たる時期も欧米のサマーバケーションと重なり、クリスマス休暇は市場参加者も少なくなります。
このような時期にエントリーする際は注意が必要です。
それではフラッシュクラッシュは誰が、どのように事を行うことによって発生するのでしょうか?
以下で詳しく見ていくことにしましょう。
機関投資家の売りやそれに伴うアルゴリズムの自動売買が原因
実はフラッシュクラッシュを起こすのは、ほとんどが機関投資家であることが多いです。
しかもその機関投資家も人ではなく、AIを活用したコンピューターアルゴリズムの自動売買が原因です。
最近は超高速売買といって、数秒単位で大量の売買を行われています。
その超高速売買は、AIを活用したコンピューターアルゴリズムを使用しています。
機関投資家が用いる手法「アルゴリズム取引」を理解しよう。今後は規制がなされる可能性も?
そもそもアルゴリズム取引とは、あらかじめ定められた条件(たとえば、「テロ」、「デモ」、「大統領選挙」など)を指定し、コンピューターが自動で売買する取引です。
主にトレンドに追随して淡々と売買を繰り投資手法を得意とします。
参考:日本経済新聞
アルゴリズム取引は、重要人物の発言や軍事的な動きがあると瞬時に動くため、人為的な取引よりも動きが早くなります。
最近ではアメリカのトランプ大統領の発言が世界的に注目されていますが、発言1つで大きく相場が動くことも珍しくありません。
それではそのようなフラッシュクラッシュに対する対処法はあるのでしょうか?
以下で詳しく解説していきます。
フラッシュクラッシュが起こった時の対処法
フラッシュクラッシュの対処法は以下の通りです。
- フラッシュクラッシュに強い取引業者を選んで取引する。
- エントリーと同時に損切注文を行う。
- 流動性の低い時期のエントリーは避ける。
フラッシュクラッシュに強い取引業者を選んで取引する
フラッシュクラッシュに強い業者を選ぶことにより対応することが可能です。
たとえば、暴落や暴騰時にスプレッド差が小さい業者を選んだり、サーバダウンが少ない業者を選ぶといいでしょう。
特にスプレッド差は業者によってかなり開きがあるため、慎重に選ぶ必要があるでしょう。
2019年の正月のフラッシュクラッシュでは、スプレッド差が最大の業者で110pips、最低の業者では6.2pipsでした。
また、サーバーダウンなどで取引が停止してしまうこともあります。
こちらも業者により開きがあります。
レート配信が止まった時間が最大の業者は17分、最低の業者で1分でした。
このように、フラッシュクラッシュなどが発生した場合では業者による差も大きいため、業者選びの大切さを理解できるでしょう。
エントリーと同時に損切注文を行う
エントリーした理由が明確であるならば、エグジットするタイミングも見えてくるはずです。
実はトレードにおいては、エントリーよりもエグジットの方が大切な場合が多いです。
エントリーのタイミングで自分でシナリオを描き、シナリオを外れた時のポイントを明確にしておく必要があるでしょう。
ただし注意点としてエグジットのポイントを狭めすぎると、なかなか利益を上げることが難しくなるので、自分のリスク許容度とよく相談して決めるようにしてください。
投資はリスクとってこそのリターンですので、リスクをとらなければリターンも得られないことを覚えておく必要があります。
流動性の低い時期のエントリーは避ける
フラッシュクラッシュは流動性が低いタイミングで発生することが多いです。
そのためなるべくそのような時期にエントリーするのは避けた方がよいでしょう。
流動性が低い時期は前述の通り、休暇のタイミングが多いです。
日本でいえばGW、お盆休み、年末年始などです。
株式投資であればそのような時期はそもそも市場が休みなため、意識する必要はそれほどありませんが、FXの場合は世界のどこかの市場が空いていれば取引が行われるため、世界各国のイベントを頭に入れておく必要があります。
特に注意が必要なのは前述の通り、日本のお盆休みと欧米のサマーバケーションが重なる時期、クリスマス休暇、年末年始です。
この時期は著しく取引量が減少し、流動性も下がるので注意が必要です。
また時間帯によっても注意が必要です。
FXは24時間取引可能ですが、時間帯によって取引量も異なります。
一般的には日本時間の早朝(オセアニア市場がオープン)は市場への参加者が少なく、流動性が低いことで知られています。
それでは過去に発生したフラッシュクラッシュは具体的にどのようなタイミングで起きているのでしょうか?
以下で詳しく見ていきましょう。
過去に起きたフラッシュクラッシュの例
事例①…2019年1月3日
もっとも最近発生した事例です。
この時は日本の市場は休みでしたが、シドニー市場では取引が行われていました。
シドニー市場は世界的に見ても取引量が少ないため、流動性が著しく低下したタイミングを狙われたものかと思われます。
2019年1月3日7:00(日本時間)、米ドル/円レートが1時間で400pips以上暴落しました。
このタイミングでポジションを持っていた人の多くは強制的にロスカットを強いられました。
事例②…2015年1月15日
スイスフランショックと呼ばれる事例です。
こちらの事例はアルゴリズムによる影響ではなく、スイス中央銀行の突然の政策変更によるものでした。
スイスフランは日本円と同様に、安全資産として世界で有事が発生すると買われる傾向がありました。
日本と同様にスイスフラン高に悩まされていました。
特にこのころはユーロ圏内で、ギリシャやイタリアなどのソブリン危機が騒がれていた時期ですので、スイスフランは資金の退避先として買われることが多かったです。
そこでスイス中央銀行は、「対ユーロで1.2を割り込めば為替介入を行う」と市場に宣言していました。
ところが為替介入には多額のコストが発生します。
ユーロが揺れていた時期でもあり、幾度となく為替介入を続けた結果、スイス中央銀行は「突如為替介入を止める」、という宣言をしました。
その結果、ユーロ/スイスフランはたった数分で40%以上も下落しました。
これにより、ユーロ/ドルへも波及をしていきました。
まとめ
フラッシュクラッシュについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回の記事のポイントは、
- フラッシュクラッシュは流動性が低下した時に起きる可能性が高くなる。
- 現在の機関投資家はAIを活用したアルゴリズム取引が主流。
- 大切な資産を守るためにも証券会社選びは慎重に行う。
でした。
フラッシュクラッシュは、市場参加者であるならば必ずと言っていいほど一度や二度は遭遇します。
それでも適切な対応を施すことにより、損失を最小限に抑えることは可能です。
自分のリスク許容度をしっかりと理解して取引に臨むようにしてください。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。
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