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インサイダー取引について、実際に起こりうるケースを会話形式で解説

株式の取引をしていなくても、ニュースなどで「インサイダー取引」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?

インサイダー取引は株式取引における重大なルール違反です。

犯してしまった場合、懲役や罰金などの刑が科されることもあります。

ですが、インサイダー取引のルールは分かりづらいこともあり、場合によってはうっかり株の売買を行ったら、インサイダー取引に抵触してしまう、ということも考えられます。

この記事では、インサイダー取引について会話形式で分かりやすく説明していきます。

株式の取引を行う前に、インサイダー取引の「いろは」についてしっかり理解しておきましょう。

うっかりミスでは許されない?インサイダー取引について

上場会社「モトリーフール物産」で顧問弁護士を務めているS井弁護士が、経理部員であるK主任から相談を受けている設定です。

法理論及び裁判例などの実務をベースとして考え方を提示します。

K主任:S井先生、ちょっとよろしいですか。

S井:K主任、お疲れ様です。

K主任:ちょっと相談したいことがあって。

S井:いいですよ。どうかしましたか?

K主任:インサイダー取引について教えて欲しいのですが。

S井:インサイダー取引ですか?

K主任:実は昨日、経理部長から役員会議で使う資料作成を指示されまして、その資料作成の過程でうちの会社が今度、業績好調のため前年度6割増の剰余金配当を行うことを決定した事実を知ってしまったんです。

S井:ほう、それで。

K主任:この事実を会社が発表したら株価は一気に上がりますよね?

S井:でしょうね。

K主任:これから私がうちの会社の株を買って高値で売り抜けたらインサイダー取引になるのか聞きたかったのです。

S井:K主任、買う前に私に相談してくれてよかったよ。

K主任:え?ということは、やっぱりインサイダー取引になるんですか?

S井:なります!思いっきりなります!

K主任:やはり、そうなんですね。危なかった・・・

S井:インサイダー取引というと会社のお偉いさんが役員会で知った情報を基に高値で株式を売り抜けて大もうけするイメージが強いけど、それはあくまで典型的なケースで実はもっと広く認められるんですよ。

K主任:つまり私のような末端の社員でもその対象になるということなんですね。

S井:インサイダー取引の主体は上場会社等の役員、使用人、代理人その他の従業者とされています。

末端の社員であっても使用人や従業者に該当しますよ。

K主任:ちなみに代理人というのは?

S井:代理人というのは私のような顧問弁護士のことです。

K主任:じゃあ、S井先生が株を買ってもインサイダー取引になるんですね。

S井:さっきK主任から剰余金配当の事実を聞かされてしまったからね。聞かなければよかったよ(笑)

K主任:ちなみに使用人や従業者というのはどこまで入るんですか?

うちの会社はアルバイトにパート、それから派遣会社から派遣されてくる派遣社員さんたちもいますけど。

S井:形式的な名称にかかわらずその会社の業務に従事する者であれば含まれます。

だからアルバイトやパートも入りますよ。それからその会社の指揮命令下にあればよいので派遣会社から派遣されてくる派遣社員さんも入ります。

K主任:そうなんですか!そんなに広く含まれるとは知らなかったです。

S井:ちなみに先ほどK主任は会社の株を買って高値で売り抜けたら・・と質問しましたけど高値で売り抜けなくても買うだけでもインサイダー取引になりますよ。

K主任:え?そうなんですか。高値で売り抜けてもうけることが悪いことかと思っていましたが。

S井:金融商品取引法は重要事実を知って会社からの公表前に「売買等」をすること自体を禁止しているんですよ。

つまり重要事実を知って買うこと自体がインサイダー取引違反になるんですよ。

もちろん不当にもうけたかどうかは課徴金や没収や追徴の有無に影響はしますけど、もうけが出てなくてもインサイダー取引違反は成立するということなんです。

K主任:買うだけでも罪になるとは恐るべしインサイダー取引ですね。

S井:インサイダー取引は典型的な例のほかにいろいろバリエーションがあるから注意したほうがいいですよ。

K主任:ありがとうございます。

S井:そうだ、次回はこの続きで情報受領者について解説してあげるよ。


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