The Motley Fool

制度信用取引と一般信用取引の違いとは?それぞれのメリット・デメリットも解説

出典:Getty Images

株の資産運用は、基本的には買った株が値上がりする事で利益を得ます。

そのため株価が下がれば損をしますが、実は株価が下がる事で利益を得る手法と言うのもあります。

それが制度信用取引と一般信用取引です。

今回は株の資産運用では上級者向けと言われる、制度信用取引と一般信用取引の違いについて、メリット・デメリットも含めて解説します。

上級者向けの手法ですが、信用取引について覚えておけば株に関する知識が深まります。

ぜひ、最後までご覧ください。

なお、モトリーフールジャパンでは信用取引による短期売買を推奨してはおりませんので、ご留意ください。

信用取引とは

制度信用取引と一般信用取引の違いを説明する前に、「信用取引」が何なのか簡単に解説します。

信用取引とは、自分の信用を担保に持っている以上の資金を使って株式投資を行うやり方です。

この場合の信用とは、保有している資金や株式の事を指します。資金や株式を担保にして、証券会社からお金を借りるのですが、信用取引の場合お金以外にも株を借りて投資を行う事が出来ます。

自分の持っている資金範囲内で行う取引を、現物取引といいます。

資金を切り崩して株を購入すると、利益を出すには株価が上がらなければいけません。

しかし、信用取引で株を借りた場合、株価が下がる事で利益を得ます。

例えば、株価1000円の株を借りて売り、株価が700円になった時に買い戻したとします。

その場合、差額の300円分と借りた株が手元に残りますが、株は借りた物ですから期限までに返却する義務があります。

最終的に残った300円は利益として手に入ります。この手法を空売り(信用売り)と呼び、株価が下がる事で利益を得る手段となります。

現物取引とは違い、自分の持っている資金以上の資金で株式投資が行えて、株価が下がる事で利益を得るチャンスがある信用取引には2種類のやり方があります。

それが制度信用取引と一般信用取引となります。

制度信用取引と一般信用取引はどう違う?

制度信用取引とは

制度信用取引は、証券取引所が定めたルールで信用取引を行う手法になります。

投資家は証券取引所が決めた銘柄や、定められた返済期限の範疇でしか取引は出来ません。

一般信用取引とは

一般信用取引とは、証券会社が定めたルールで信用取引を行う手法になります。

投資家は証券会社が決めた銘柄や、証券会社ごとに違う返済期限の範疇で取引を行います。

制度信用取引と一般信用取引の主な違い

一番の違いは、信用取引におけるルールを誰が作っているかという点です。

制度信用取引の場合は証券取引所が、一般信用取引の場合は証券会社がルールを作っています。

どちらのルールが厳しいのかというと、証券取引所が作る制度信用取引の方が厳しいです。

2018年末の時点で上場している企業の数は3655社ありますが、その内の3621社が制度信用取引の対象銘柄となっています。

99.8%とほとんどの企業が対象の銘柄となっていますが、上記で説明した空売りが出来る銘柄は2145社と、59.2%まで下がってしまいます。

一方で一般信用取引の場合、証券会社ごとに違いはありますが全ての銘柄を対象にしています。

また、返済期限にも違いがあります。

制度信用取引の場合は借りた金や株を最長でも半年以内に返却しなければなりません。

一般信用取引の場合は証券会社ごとに違いはありますが、原則無期限となっています。

なお、どちらも口座を持っている証券会社から取引が出来ます。

それぞれのメリット・デメリットを解説

一見すると制度信用取引よりも一般信用取引の方が、ルールが緩くて利用しやすいように思えますが、それぞれメリット・デメリットがあります。

制度信用取引のメリット・デメリット

制度信用取引のメリットは、金利が低い事です。

信用取引は信用を担保に資金や株式を借りているため、普通の借金と同じように利息が発生します。

一般信用取引との金利の差は約1%ですが、借りる資金が多いほど手数料は重くなります。

また、制度信用取引は証券取引所が厳選した銘柄で取引でる点もメリットになります。

制度信用取引の対象銘柄の基準は細かく定められており、その基準を下回れば対象から外されます。

言い換えれば、この銘柄で取引しても上場廃止や業績不振と言ったリスクが少ないとお墨付きを得た優良な銘柄となります。

一方で制度信用取引のデメリットは返済期限が定められている事と選べる銘柄が限定されている事と、そして大きな損が生まれる可能性が高い事です。

制度信用取引で空売りを行う際、投資家は株を借りますが発行されている株式の数には限界があります。

人気のある株に空売りが集中すると、株を用意する証券会社は株不足となってしまいます。

そのため、証券会社は日本証券金融会社に株の追加をお願いし、それでも足りなくなったら今度は機関投資家から株を借ります。

その際に発生する株のレンタル料が、投資家に加算されます。これを逆日歩と呼び、思わぬ金額を支払う事になります。

逆日歩の怖い所は、その日の取引が終了するまで発生したかどうか分からないため、事前の予測が難しい所です。

また、逆日歩が発生した上で株価が上昇するケースも珍しく無いため、二重の損失が生まれる可能性もあります。

一般信用取引のメリット・デメリット

一般信用取引のメリットの1つは、逆日歩が発生しない事です。

一般信用取引でも空売りは行えますが、証券会社が用意した株が無くなったら、そこで売り切れとなり取引がこれ以上できなくなります。

そのため、逆日歩が発生するリスクはありません。

また、制度信用取引と違い購入できる銘柄が証券会社によって違いはありますが自由で、返済期限も無期限な場合もあります。

一方で一般信用取引のデメリットはコストが高い点です。

前述したように、制度信用取引に比べれば資金や株式を借りた時の金利が1%ほど高いです。

返済期限が無期限という事は、長く借りていれば利息がどんどんと増えていくことを意味します。

また、一般信用取引は証券会社が保有している数だけしか空売りが出来ません。

そのため人気のある株は早い段階で売り切れるケースもあるため、早い者勝ちな面があります。

制度信用取引と一般信用取引はどちらを使えばいい?

制度信用取引と一般信用取引はどちらもメリット・デメリットが存在します。

そのため、どちらか片方だけを利用するよりも、状況を見ながら使い分けるがオススメです。

例えば、制度信用取引だと扱えない銘柄を空売りする時は一般信用取引。

コストを抑えて資産運用したい時は制度信用取引といった具合に、その時々に合わせて使い分けてみましょう。

ただし、信用取引はリスクの高い資産運用です。

損が発生した時、耐えられるだけの資産を用意してから行うのが望ましいです。

まとめ

以上が制度信用取引と一般信用取引の違いになります。

信用取引は株式の資産運用としては上級者向けですが、株が売りと買いで取引されている以上、覚えておくべき手法になります。

今回の記事を読んで、株式への理解が深まれば幸いです。

最新記事