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世界株ETFのインデックス積立投資の強みと弱み

資本主義は時にリーマンショックなどの暴落もありましたが、これまで何度も暴落から立ちなおって膨張し続けてきました。

少なくとも世界全体としては資本主義は拡大し続けてきている訳で、世界の株式市場が崩壊するような大惨事があるなら何をしても助からない。

それなら、世界全体の株価のインデックスを丸ごと積立方式で買い続けていれば、投資の途中では損をしても最後にはプラスになる。

世界経済全体の規模は拡大し続けるという仮定に基づいた究極の投資法として話題になったのが、世界の株式市場を丸ごと買って積み立てる投資法。

具体的に言えば世界の株式市場のインデックスETFを積立投資をするというもの。

世界株ETFの積立投資の強みと意外な弱みについてご紹介します。

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世界経済は長い目で見れば膨張し続ける?

  • 資本主義は、人間の欲望を原動力にした自己増殖システムである
  • 人間の欲望には限りがないから、長期的には市場は必ず拡大し続ける
  • 世界の国ごと地域ごとに栄枯盛衰があり、どこの国・地域が伸びるか分からないが世界全体が拡大するなら全体を丸ごと投資すれば良い

確かに世界の株式市場を振り返ると、世界恐慌やリーマンショックなどの世界的な経済危機が幾度となく起きましたが、何度も立ちなおり市場最高値を更新し続けてきた経緯があります。

リーマンショックが起きたときは、ニュースでも資本主義の終わりがさけばれました。

しかし、リーマンショック後はアメリカをはじめとする量的緩和政策で世界の株式市場は上昇し続けました。

アメリカのダウやS &P500は、リーマンショック以前の価格を上回っています。

リーマンショックから約10年、もしかしたらリセッションにそろそろ陥る兆候もありますが、上記3つの仮定が正しいとするなら、一度、市場が暴落しても世界の株式市場は今後も上昇し続けるということになります。

世界の株式市場の価格を追うETF

  • どこの国、地域が伸びるかは分からないが世界全体は結局のところ拡大する
  • しかし市場がどのような途中経過を経て上昇していくのかは分からない

という2つの前提に立って提唱された投資法が、次の2つです。

  • 世界株インデックスのパッシブ投資
  • ドルコスト平均法で積立ていく投資

ドルコスト平均法とは?

ドルコスト平均法は簡単に言えば一度に購入せずに均等な額で積立投資をしていく投資法のことです。定額購入法とも呼ばれています。

この投資法の強みは、高値づかみのリスクを避ける時間分散にあります。

長期投資でリスクを抑え安定した収益を得たい時に使われる投資法です。

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世界株インデックス積立投資の強み

銘柄選択とタイミングをそれぞれの基準や裁量によって行うアクティブ投資と対極にある投資法が、世界株インデックスの積立投資法です。

アクティブ投資と違い、選択せずに市場を丸ごと買ってしまい、しかもドルコスト平均法によってタイミングもはからないで投資をします。

ある意味では究極のパッシブ投資といえるかもしれません。

そんな究極のパッシブ投資の強みとは一体、何なのでしょうか。

銘柄選択に迷わない

世界株インデックスの積立投資は基本的には銘柄選択に迷いません。

もちろん世界の株式市場を丸ごと買うためには、どのETFが最適なのかといった問題もありますが、基本的には一度決めた世界の株価に追随するタイプのETFを積立続けるだけです。

そのため銘柄選択に迷わずに済みます。

心に余裕を持って投資できる

アクティブ投資のように難しいファンダメンタルズ分析をしたり、ローソク足や移動平均線、RSIなどのテクニカル分析に凝る必要性もありません。

実際に成長株投資であれバリュー投資であれ、本気で銘柄選択をしようとすると、かなりの時間がかかってしまいます。

日々の各銘柄のニュースも追わなければなりません。

また、ポジションをとった後も企業の決算の日を確認し、売上やEPSが市場のコンセンサスを上回るかどうかを確認するなど、ポートフォリオのメンテナンスも欠かせません。

しかし世界株のインデックス積立投資なら、あれこれ考えずに積み立て投資をし続けるだけです。

そのため銘柄選択とタイミング選択をする際の心理的な負担やプレッシャーがありません。

投資以外の別のことに時間を使える

市場に1日中張り付いていないといけない短期トレードでなくても、本気で投資をしようとしたら、それなりに忙しいものです。

日々、世界の経済の動向を追ったり、決算発表を気にしたり、場合によっては個別銘柄のコンプライアンス違反のニュースなどにも敏感にならなくてはいけません。

世界株のインデックス積立投資は、そんな煩わしいことをしないでドルコスト平均法で買い続けるだけなうえに、買ってしまえば後は放っておくだけです。

そのため投資以外のことに自由に時間を使うことができます。

投資そのものにあまり興味がなく、もっと他のことに時間を使いたい人には大きなメリットです。

投資以外の本業に時間を割くこともできます。

世界株インデックスETFの代表例

最近では、ETFをはじめ投資信託でも世界の株式市場全体に投資できる金融商品が増えてきています。

有名なのがトータルワールドストックETF(VT)でバンガード社の世界株式ETFです。

他にも上場インデックス世界株式(MSCI ACWI)やi シェアーズMSCI ACWI ETF(ACWI)などが有名です。

ETF以外にも投資信託のインデックスファンドを通して世界株ポートフォリオを買う方法もあります。

例えば、楽天・全世界株式インデックスファンドやSBI全世界株式など大手のネット証券でも買い付け手数料の安い投資信託が販売されています。

ETFか投資信託か、どちらを選択するかは、買い付け手数料や保有コストで有利な商品を各々で選択すれば良いでしょう。

どれも代表的な世界株ETFや投資信託は大手ネット証券での購入が可能です。

世界株ETF積立の意外な弱点は人間の寿命?

世界株ETFの積立投資は長期的に見れば必ず儲かるといいます。

それが思想的に正しいかどうかは分かりませんが、自分達が生きている間は前提は変わらないだろうと考える投資家も多いでしょう。

しかし問題は出口戦略でしょう。

極端な話をすると世界的な恐慌が起きて株価が生きている間、冴えずに長い年月が経ってやっと上昇に転じることもありえます。

例えば上昇に転じるまでに20年、30年とかかってしまったらどうでしょうか。

もしも投資をはじめる時期が遅かった場合は、その20年、30年の間に投資家本人の寿命がきてしまう可能性があります。

子供や孫に資産を残すということでしたら良いのですが、老後の楽しみや生活資金としてあてにしていた場合は生きている間ずっと含み損という可能性もあるのです。

つまり何が言いたいかと言うと、人間の寿命と資本主義の寿命の長さはだいぶ違うということです。

また本当にお金が必要な時も、積立ていたETFを含み損のまま取り崩さないといけないことも現実的にはあります。

理論的には正しいかもしれない世界株の積立投資ですが、その成果や果実を投資家が都合の良い時に享受できるのかという問題があるわけです。

寿命が尽きるまで世界株のインデックス投資を続け保有すること自体が趣味だというなら、問題はありません。

また子や孫に代々受け継いでいくというなら良いでしょう。

しかし世界株のインデックス積立投資の成果が出るまでの間に、投資家自身の寿命が尽きてしまう可能性も念頭に入れたうえで投資をするべきです。

配当金を受け取れても結局、資金を拘束されるデメリットがまさってしまうこともありえます。

一度、はじめたら成果が出るまでずっと続けていく忍耐強さも必要です。

理論的には正しい投資法にも、現実的な問題があるため投資家自身の事情も考えて積立投資をするべきかどうか決めるべきです。

「必ず儲かる。ただし儲かるのは100年後」だとしたら、その金融商品を買うでしょうか?

もちろん思っていた以上に早く成果が出ることもあります。

しかし、世界株インデックスがどのような過程と経過で最終的に伸びていくかは分からないのです。

まとめ

世界の株式市場を丸ごと買うETFの積立投資法は、途中経過は分かりませんが、資本主義が世界規模で見れば拡大していくという前提に立てば最終的には利益がでるかもしれません。

銘柄選択の必要も基本的になければ、財務分析や決算発表の確認なども必要ないため、時間がない投資家にも実践しやすいのも強みです。

その一方で投資家が生きている間、またはお金が必要な時に都合よく含み益がでているかどうかも実は分かりません。

思想的、理屈としては正しい投資法も出口をどうするかが問題になります。

投資家が亡くなった後にやっと含み損から脱却という可能性もないわけではないからです。


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