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成長株投資では営業キャッシュフローにも注目すべき理由

成長株投資では1株あたり利益(EPS)の伸びに注目する投資家が多いのではないでしょうか。

特に成長株投資でお馴染みのウィリアム・オニールの投資法CAN―SLIMでは、過去3年で年間EPSの平均増益率が25%程度あることを条件としています。

簡単に言えばEPSが右肩上がりにしっかりと伸びていることが成長株投資のファンダメンタルズ分析で多くの投資家が重視するファクターとなっているのです。

確かにEPSの増加率は多くの投資家が売りか買いかを判断する材料となっているので無視できません。

しかしEPSだけではなく営業キャッシュフローにも着目する方が、より成長株発掘の精度が高くなります。

EPSよりも営業キャッシュフローは会計上、誤魔化しづらいと言われています。

営業キャッシュフローにも注目することで銘柄選択の精度を高めましょう。

営業キャッシュフロー(CFO)とは

営業キャッシュフロー(CFO)とは、本業による収入と支出の差額です。

つまり、本業を行なった結果に手元にお金がいくら残ったのかが分かる項目です。

この項目の合計額がプラスならば、本業が順調にいっている証拠でマイナスの場合は本業で稼げていない可能性があるのです。

EPS(1株あたり利益)よりも営業キャッシュフローを見れば、本業が順調に伸びているのかどうかを確認することができる項目なのです。

英語で「Total Cash Flow From Operating Activities」です。CFOと略されます。

多くの成長株投資家はIncome Statement(損益計算書)のRevenue(売上)やEPS(1株あたり利益)を確認しますが、Cash Flowの項目も念のため確認しておくべきです。

営業キャッシュフローと純利益を見比べる

営業キャッシュフロー(CFO)と見比べるべきなのは純利益(Net Income)です。

営業キャッシュフローは純利益よりも大きなければ、その企業は本業で稼げていないにも関わらず本業以外の部分から無理に利益を計上しているリスクがあります。

成長株投資では、その身柄がもつビジネスモデルが新しい時代を牽引しているかどうかを重視します。

つまりビジネスそのものの成長力が問題になるため、それ以外の部分で無理に利益を計上しているとなると本当の意味での成長株とは言えない可能性が高まります。

EPSの増加率を気にする投資家が多いためEPSの数字を粉飾したり、良い数字に見せようとするバイアスがかかりますが、CFO>NetIncomeという基準を別に設ければ、ファンダメンタルズでの騙しにかかりづらくなります。

EPSの増加率をクリアしていてもCFO>NetIncomeになっていなかった場合は注意が必要です。

何かあるのではと一歩、立ち止まって慎重になった方が良いというわけです。

営業キャッシュフローが右肩上がりの銘柄を選ぶ

営業キャッシュフロー(CFO)を見るのは本業での、その企業が稼げる力を見ることと同じです。

成長株の投資ではEPSや売上が右肩上がりに伸びているかどうかを買いかどうかの条件にしています。

営業キャッシュフローも毎年、右肩あがりに伸びていることが望ましいのは当然です。

営業キャッシュフローが順調に右肩上がりでなければ、まだビジネスが成長株として株価を伸ばすための軌道にまだ乗っていない、または成長が見込めない株の可能性を疑うべきです。

EPSだけが右肩上がりでも営業キャッシュフローが横ばい、下がっているとなると慎重に投資をするなら買いは控えるべきです。

営業キャッシュフローを調べる方法

使っているネット証券のデータで営業キャッシュフロー、「Total Cash Flow From Operating Activities」を確認できれば良いのですがデータ取得が出来ない、見辛い、別途情報を買わなければいけない環境の方は、アメリカ版のYAHOO!FINANCEで調べることが出来ます。細かい手順ですが、

ティッカーシンボルを検索し、Financials→Cash Flowのタブをクリックしていけば「Total Cash Flow From Operating Activities」を確認出来ます。

営業キャッシュフローマージンとは?

営業キャッシュフローマージンの計算式は「Total Revenue」を「Total Cash Flow From Operating Activities」で割ります。

例えば一例ですがアメリカのコカ・コーラなら2017年12/31のTotal Revenue が3541000、Total Cash Flow From Operating Activitiesが7106000ですので、これを割り算すると約49.8%となります。

この営業キャッシュフローマージンが15%以上あることが望ましい。

コカ・コーラは15%以上あるので営業キャッシュフローの切り口では、悪くない数字と言えます。

このように、営業キャッシュフローマージンも見ることで成長株投資でもより慎重なフィルタリングが可能になります。

EPSと営業キャッシュフロー(CFO)の2つで成長株を判断する

もちろんEPSが右肩上がりかどうかも成長株投資では重要なファクターです。

EPSが右肩上がり出なくなれば、多くの市場の投資家が失望し株の売り材料になります。

特にEPSや売上のコンセンサスが市場の期待以下だった場合は、急な勢いで伸びていた成長株ほど酷い売られ方をしがちです。

そのため多くの投資家が注目するEPSはしっかり確認すべきです。

しかしEPSだけでは、会計の粉飾などによって本業がうまくいっているかどうかまでは確認しづらいのです。

そのためEPSと合わせて注目するのが営業キャッシュフロー(CFO)です。

CFOをフィルタリングに加えることによって、本業でしっかり儲かっている企業なのかどうかも併せて確認出来ます。

成長株の投資をするときは、完璧なファンダメンタルズの銘柄を探すことは難しいでしょう。

そのため、最終的にはファンダメンタルズと銘柄が持っているストーリーと総合的に勘案して投資するかどうかを決めることになります。

成長株投資をする際にポートフォリオに組み込む銘柄で、何を優先するべきか悩むこともあります。

そんな時にCFOも判断材料に加えることで、よりフィルタリングの精度が高まります。

もちろんCFOは成長株投資のみならずバリュー投資でも注目すべき指標です。

バリュー投資でもCFOをしっかり生み出せている企業かどうかを判断できます。

長期投資のバイアンドホールドの銘柄を探す際にも、CFOを見ることで財務的に強い企業かどうかを判断する材料に出来るため、成長株投資以外のアプローチでも気をつけるべきです。

まとめ

成長株投資家はEPSの増加率に着目します。

そのため企業もEPSでなるべく良い数字を出そうとするバイアスがかかります。

EPSだけを見ていると、その企業の本来持っている本業での稼ぐ力を見誤る恐れがあります。

買いの精度を高めるにはEPSだけではなく営業キャッシュフロー(CFO)にも注目しましょう。

営業キャッシュフローは会計的にごまかしづらいうえに、本来の企業が持っている本業での稼ぐ力をはかれます。

成長株投資のファンダメンタルズ分析だけでなくバリュー投資家にとってもCFOは無視できない

重要な指標です。企業の本業の調子を確認するためにもCFOを確認するようにしましょう。


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