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会社員からフリーランスになるときに必要な社会保険の知識

フリーランスの人が加入する国民健康保険は、会社員や公務員が加入する健康保険に比べて保障が薄いのが特徴です。

この記事では、会社員や公務員がフリーランスとして独立するときに気をつけるべき社会保険の情報をお伝えします。

中には退職後20日以内に手続きしないと間に合わないものもありますので、早めに勉強しておきましょう。

フリーランスの社会保険制度の3つのポイント

最低限覚えておく知識は下記の3点です。

  • フリーランスの人は、国民健康保険に加入する
  • 会社員や公務員との違いは、3つある
  1. 全額自己負担(会社員の場合は会社が半額負担してくれる)
  2. 出産による休職中、お金が一切支給されない
  3. 病気やケガによる休職中、お金が一切支給されない
  • 退職後20日以内に手続きをすると、2年間は健康保険に継続加入できる

社会保険の種類

広い意味での社会保険は、次のようなものがあります。

  • 医療保険
  • 介護保険
  • 年金保険
  • 労災保険
  • 雇用保険

この記事では医療保険についてご説明します。

医療保険とは、「病院で支払うのは3割でいいですよ」「高額な医療費は負担しなくても大丈夫ですよ」「出産する時には一時金を支給しますよ」などの制度です。

フリーランスは国民健康保険(国保)、会社員や公務員は健康保険に加入します。

フリーランスが加入する国民保険は保障が薄いことを説明するために、まずは会社員や公務員が加入する健康保険についてご説明します。

会社員(公務員)の保険は健康保険

会社員(公務員)やその家族が加入する保険です。労災以外のケガや病気、死亡、出産の時に保険金が支給されます。

保険料

給与やボーナスに応じて金額が算出されます。

会社との折半なので、会社が半分支払ってくれます。

内容

日常生活では「病院に行った時の3割負担」以外に思い当たりませんが、実はさまざまな場面で保障されています。

  • 病気やケガの治療費

病院での診察や薬代の一部が保険でまかなえます。

小学校入学までの子どもは2割負担、小学生〜70歳は3割負担、70歳以上は2割負担(平成26年3月以前に70歳になった人は1割負担、現役並みの所得のある人は3割負担)です。

  • 高額療養費

月の医療費が「自己負担限度額」を超えた場合、お金が返金される仕組みです。

例えば、標準報酬月額26万円以下の人は自己負担限度額が57,600円ですので、交通事故に遭って20万円かかった場合には、14万2,400円が返金される仕組みです。

  • 出産育児一時金

一人の子供につき42万円が支給されます。

中絶手術の場合も、週数によっては42万円が支給されます。

  • 出産手当金

出産前の42日間、出産後の56日間で仕事を休んだ場合に支給されます。

支給の目安は、支給開始以前の12ヶ月の標準報酬月額の2/3です。

  • 傷病手当金

病気やケガで出勤できない時に、給与の2/3を最長1年半まで支給される制度です。

3日以上続けて休む場合に4日目から支給されます。

例えば、月に平均30万円の給与のある人が10日続けて休んだ場合、7日分の給与の2/3が支給されます。

つまり、休んだとしても7万円×2/3=46,000円が支給されるのです。

  • 埋葬料

保険の加入者やその家族が亡くなった場合、埋葬料として5万円が支給されます。

フリーランスの保険は国民健康保険

フリーランスや自営業、無職の人は国民健康保険に加入します。

保険料

市町村によって異なりますので、「住民票が実家にあるときはもっと安かった」ということもあります。

保険料は前年の所得によって異なります。

内容

ほとんど健康保険と同じですが、傷病手当や出産手当が出ないのが特徴です。

病気やケガ、子育て等により働けなくなった時に自動的に支給されるお金が一切ありません。

フリーランスでも「健康保険」に加入する方法

会社員や公務員でも、退職から20日以内に手続きをすると「健康保険の継続」が可能です。

ただし、労使折半にはならないので「健康保険だけど全額自己負担」になります。

健康保険に継続して2ヶ月以上加入し、退職後2ヶ月以内に申請した人は、退職後2年間は退職前の健康保険に加入し続けることができます。

退職後も健康保険に加入し続けたい人は、20日以内に市町村の役場で手続きしましょう。

フリーランスと会社員(公務員)の違いを比較

国民健康保険と健康保険は、ほとんど内容が同じです。

ただし、下記の3点が大きく異なります。

フリーランスは労使折半がない

労使折半とは、「保険料の半額を会社が負担してくれる制度」です。

フリーランスは会社に所属していないため、この仕組みが適用されません。

保険料は全額自己負担になります。

フリーランスは出産手当金がない

出産手当金とは、「出産の前後に休んでも、給料の2/3は支給しますよ」という制度です。

これもフリーランスには適用されません。

仕事のできない期間は一切お金が振り込まれないため、ある程度貯蓄しておく必要があります。

傷病手当金がない

傷病手当金とは、「病気やケガで休職しても、1年半の間は給料の2/3は支給しますよ」という制度です。

これもフリーランスには適用されません。

例えば、会社員の場合はうつ病で休職しても、1年半は給料の2/3が支給されます。

しかし、フリーランスは一切支給されません。

急に心身に不調をきたしても、お金が支給されないのです。もしもの時に備えておく必要があります。

国民健康保険と健康保険を比較

表で比較すると下記のようになります。

国民健康保険

(フリーランス)

健康保険

(会社員や公務員)

病気やケガの保障
高額療養費
出産育児一時金
出産手当金 ×
傷病手当金 ×
埋葬料

フリーランスは出産や休職中の保障がありません。

保険料は免除や減額も可能?

前年度の所得が低い、失業中で生活が苦しいなどの事情があれば免除や減額申請を出すことができます。

ただし免除になる人はほぼいなく、7割減額、5割減額、2割減額などになる場合が多いです。

実際にわたしも7割減額になりました。

理由は、大学を卒業してからすぐにフリーランスとして活動を始めたものの、収入が低かったためです。

市役所で手続きしていただき、その日のうちに「減額の割合」と「年間の保険料」を知ることができました。

減額になるとどんな不利益がある?

保険料が減額になったからといって、特に不利益を被ることはありません。

年金の場合は「免除や減額になると、将来の受給額が低くなる」という不利益がありますが、保険料の場合は特にありません。

所得が低く、保険料を支払うのが厳しい場合には、住民票のある市町村で相談してみましょう。

おさらい:フリーランスの社会保険制度の3つのポイント

  • フリーランスの人は、国民健康保険に加入する
  • 会社員や公務員との違いは、3つある
  1. 全額自己負担(会社員の場合は会社が半額負担してくれる)
  2. 出産による休職中、お金が一切支給されない
  3. 病気やケガによる休職中、お金が一切支給されない
  • 退職後20日以内に手続きをすると、2年間は健康保険に継続加入できる

まとめ

国民健康保険のみに加入するフリーランスは、働けなくなったらお金の供給がストップしてしまいます。

もしもの時に備えて、貯蓄や民間の保険に加入することが大切です。

フリーランスの華やかな面だけを見るのではなく、「会社員(公務員)と比べて何に気をつけるべきか」を把握しておきましょう。


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