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株式のPO(公募・売出)とは?メリット・デメリットやIPOとの違いも解説

出典:Getty Images

証券会社のホームページでは、「PO」もしくは「IPO」という単語を見かけます。

「IPOなら知っているけれど、POって何?」

という方も多いのではないでしょうか?

POも、IPOも、市場の価格で株を売買するのではなく、企業が購入希望者を募集し、決めた価格で販売するという売り方そのものは同じです。

違いとしては、POは既に上場している企業が買い手を募集するのに対し、IPOはこれから上場する企業が株の買い手を募集する方法であるということ。

上場しているかどうか、という前提が大きく異なるため、行われる目的や投資家が受け取れるメリットについても、大きく変わってきます。

今回はPO株について、その仕組みやメリット、デメリットをIPOと比較しながら考察していきます。

POとIPOの違い

POとは、「Public Offering」の略で、既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得させることをいいます。

日本語でPOは、「公募・売出」と呼ばれます。

「公募」とは、「不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘すること」です。

「売出」とは、「既に発行された有価証券の売付けの申込み又はその買付けの申込の勧誘のうち、均一の条件で50人以上の者を相手方として行うこと」をいい、通常は「公募」と「売出」を合わせて「PO」と呼ばれます。

PO(公募・売出)は、設備投資や人材獲得、企業買収などに必要な資金を投資家から集めることなどを目的として、行われます。

一方で、IPO(〝Initial” Public Offering)はオーナーやその家族といった特定の株主が保有し、流通していない状態の株式を不特定多数の投資家に発行株式として公開することをいいます。

IPOは、企業の資金調達や社会的信頼度向上、企業イメージの向上などを目的としています。

POもIPOも、「不特定多数への株式の販売」「資金調達目的」という性質は似ていますが、POは上場企業が行うもの、IPOはこれから上場する企業が行うものであることと、IPOにはイメージ戦略も含まれていることが違いとして挙げられます。

POのメリット

POのメリットは、大きく以下の4つが挙げられます。

  1. 割引された固定価格で株が買える
  2. PO前より流動性が高まる
  3. 増資によって資金を調達できるため、企業活動の拡大に期待できる
  4. 既に上場している株のため業績推移などを把握しやすい

①上場企業の株なので、株式市場から調達することもできますが、PO株は企業側が提示した価格で行われ、一般的に市場での価格よりも割安です。

その企業の株を保有したい投資家にとっては、「バーゲンセール」ですね。

②流動性の株式が増えるため、市場での取引が活発になることも期待されます。

新規発行される場合(公募株式)はもちろんのこと、発行済の株が販売される場合(売出株式)も、市場に出ることで売買が積極的に行われる可能性は高いため、流動性は高まります。

③POの目的は、基本的に資金調達です。

新たに資金を調達する以上、企業活動の拡大が目的である可能性が高いです。

④既に上場している企業であれば、業績の推移が公開されているため、PO株購入の是非の判断が行いやすいです。

全体として目的や売買のための判断材料が明確である点が挙げられます。

POのデメリット

POのデメリットは、短期的にはPOを行った銘柄の株価は下がる傾向にあるという点です。

まず、公募株式で増資を行った場合、株式の希薄化が起きます。

現在の業績は増資をしてすぐには変わりませんが、発行済株式数が増えることで保有している一株あたりの利益は減ります。

それを嫌い、株を売りたい人が増えるため、株価は下がりがちです。

一方、売出株式の場合、新規で株を発行するわけではないので、株式の希薄化は起こりません。

ただ、これまで市場に出回らなかった安定していた株が流動的になるため、短期目線では売り圧力のほうが勝り、株価が下落する傾向にあります。

いずれにせよ、POを行った直後の株価は下落する可能性が高いです。

※当然、既存の投資家が短期目線のデメリット以上にPOそのものを評価し株式を手放さなければ、株価が下落しないこともあります。

POを申し込むには?

POを申し込む流れは、以下の通りです。

  1. 目論見書を確認する。
  2. ブックビルディング(需要申告)に参加する。
  3. 購入権利の有無を確認する。
  4. 訂正目論見書を確認し、購入申し込みを行う。
  5. 抽選結果・配分株数を確認する。

基本的にIPOも同様の手順を踏みますが、公募価格が固定で、その権利の抽選を行うIPOにと比較しステップ②のブックビルディングにおいて大きな違いがあります。

IPOは購入の申し込みをするだけなのに対し、POの場合、今の株価から何%安く買うか、ディスカウント率を提示します。(具体的には「3.0%、3.5%、4.0%」などと提示された中から、投資家が一つ選びます。)

ブックビルディングの期間が終了後、割引率が決定されますが、それを下回る金額での申告を行っていると購入することが可能になります。

割引率を高く設定した方が、当選した時割安で購入できますが当選する確率は当然さがります。

他のPOに参加する投資家との心理戦になります。

一般的に価格決定日の翌日から3日間で購入申込期間となり、およそ1週間後に株が発行されます。

PO株は買いなのか?

PO株が買いかどうかは一概には言えません。判断は以下の2点から行います。

  1. その株は中長期目線で本当に伸びるのか
  2. 伸びるとしても、短期的に下落するのであればPO株ではなく、PO直後に価格が下落した市場から調達した方が良いのではないか

PO株は短期目線では株価が下がることが多いため、トレードには向きません。

しかし中長期目線で考えた場合、「増資を考える」ということはその資金を元に事業拡大をすることに前向きである可能性が高いです。

したがって、その資金調達目的、戦略、それに伴いどの程度業績の向上が期待できるかといった判断を行い、前向きに投資を考えられるようであれば「買い」の判断ができます。

ただし、もう一点判断が必要なのは、「その銘柄が中長期的に『買い』であるとして、短期的に下がるならば市場から調達した方がよいのではないか」ということです。

実際のところ、これはケースバイケース。POを行った株が必ず下がるとも限りませんし、下がったとしても公募価格を割るかは分かりません。

下がったとして、ベストな購入タイミングを探るにはもうひと手間かかることになります。

不確定要素のリスクを飲みながらも、少しでも良い条件で調達したいのか、中長期目線での投資対象を、割安かつ、固定された条件で買いたいのかによってもPO株の「買い」判断は分かれます。

まとめ

一般的に株式公開後、株価が上昇し利益を得られる可能性の高いIPOに対し、POは短期目線では株価が下がる可能性が高いです。

一方で、事業拡大が期待でき、かつ、投資判断も行いやすいPOは中長期的な投資判断としては、魅力的なことも多々あります。

本当に中長期的に見て「買い」なのかはこれまでの業績、戦略、目論見書などを読みながら分析する必要はありますが、その手の判断がしやすい点も魅力。

手を出すべきPOをしっかりと見極められれば資産形成に大きく味方してくれることでしょう。

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