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「個人間金融」を実現するP2Pレンディングとは?仕組みや特徴を解説

出典:Getty Images

インターネットの発展といった要因で、働き方やビジネスの在り方が変化し「個の時代」と称されて久しいです。

「個の時代」の流れの波は金融分野にも進出しています。

従来「お金を借りる」といえば、(直接の)貸し手は金融機関であることが一般的でしたが、現在はインターネットを通じて、個人や中小企業がお金の貸し借りをしあうP2Pレンディングという仕組みも世界では急速に伸びてきています。

今回はP2Pレンディングについて、似たような概念としてよく挙げられるソーシャルレンディングや、クラウドファンディングとの違いも明らかにしながら、解説していきます。

メリット、デメリットを踏まえ、今後貸し手、もしくは借り手となる時選択肢に入れうるか判断指標にしていただけますと幸いです。

P2Pレンディングとは?

P2Pレンディングは、金融機関を介さずに、個人、中小企業といったプレーヤー同士が、インターネットを通じて比較的小規模な融資を行う仕組みです。

「P2P」は仮想通貨やブロックチェーン分野でも目にしたことがあるかもしれませんが、「Peer to Peer」すなわち、同等の者同士という意味を持っています。

中央集権的な金融機関を介さずに、小規模なプレーヤー同士が直接やり取りを行う点が従来の融資の在り方と大きく異なっています。

P2Pレンディングの仕組み

P2Pレンディングは、インターネット上のプラットフォーム上で行われます。

貸し手となるプレーヤー、借り手となるプレーヤーがプラットフォーム上に集まり、そこでマッチングが行われ、成立すると、融資が実行されます。

発生する利息は貸し手の配当となるのは当然ですが、一部は運営者に対し報酬、およびプラットフォームの維持コストとして支払われます。

ソーシャルレンディングやクラウドファンディングとの違い

「個人間(もしくは小規模事情社)でのお金のやり取り」「インターネット上でのプラットフォーム」といった特質を見ると、似たような概念として「ソーシャルレンディング」もしくは「クラウドファンディング」を連想される方もいらっしゃるかもしれません。

それぞれとの違いを解説します。

まず、ソーシャルレンディングとの違いは、プラットフォーム運営者の位置づけです。

どちらも、ウェブのプラットフォームを介した小規模プレーヤー同士の融資という特徴をもっていますが、その運営者の立ち位置が異なります。

P2Pレンディングのプラットフォームはあくまで、貸し手と借り手を結ぶ、マッチングを行う役割を担います。

利息の中から発生する運営者に対しての支払いは、あくまでプラットフォームの利用料という位置づけです。

一方でソーシャルレンディングの場合、プラットフォーム運営者は貸し手側の資金を取りまとめ、借り手側に融資する形で、貸し借りの中に中間的な立ち位置として主体的に入り込みます。

次に、クラウドファンディングとP2Pレンディングの違いとしては、お金を出す側のインセンティブの違いが挙げられます。

いずれのモデルも、プラットフォームの運営者は、あくまで仲介手数料を受け取る立場で、介入は行わない点は同様です。

ですが、P2Pレンディングにおいては、資金を「貸す」対価として「利息」を受け取るというインセンティブが明確です。あくまで「融資」の形です。

一方で、クラウドファンディングは寄付、もしくは投資です。

資金の受け取り手は資金を受け取りたい目的および出資者に対するリターンを明確にし、出資を募ります。

出資の判断は、「出資額よりも大きなリターンを得られる可能性がある」もしくは「目的を応援する意味合いでの寄付」のどちらかになります。

P2Pレンディングのメリット

P2Pレンディングのメリットは、中央集権的な機関を介さないことにより、借り手、貸し手双方にメリットがある取引ができることです。

銀行のビジネスモデルを非常に簡略化して考えると、以下の通りになります。

  1. 個人から集めた預金を、企業に貸し出す
  2. 貸し出した企業から利息を受け取る
  3. 預金者に対して利息を支払う
  4. 企業から受け取った利息と個人に支払った利息の差額が銀行の利益

現在、企業にどのくらいの利息で貸し出されているのかは想像がつかなくても、預金していて受け取れる利息が僅かであることは日常のなかでご認識いただいているはずです。

仮に、直接の貸し出しを行った場合、銀行よりも遥かに低い利息で貸し出しても、銀行預金に比べ十分な利息収入が得られることは想像に難くないでしょう。

条件がある程度個別に設定できるため、利率、リターンを得る期間、スタートする金額などの諸条件で融通を利かせることが可能です。

 P2Pレンディングのデメリット

一方で、P2Pレンディングの(貸し手側)のデメリットとしては、デフォルトのリスクが相対的に高いことが挙げられます。

銀行が融資を行う場合、融資の実行の有無についてはかなり慎重な判断がなされます。

貸し倒れた場合、利息収入が得られないどころか、貸し出した資金が損失となるため、当然慎重な判断が行われます。

P2Pレンディングにおいて同水準の判断を行うことは難しく、加えて、P2Pレンディングに借り手としての参加者の中には、銀行などで融資を得られなかった、貸し倒れのリスクが高いプレーヤーが参加している可能性も十分に存在します。

(こういった課題の解決策の一つが、AIにより借り手の信用力を策定する「スコアレンディング」です。)

また、P2Pレンディングそのもののデメリットではないですが、日本においては日本では貸金業法と金融商品取引法の制約が強いため、運用が難しいといった点も挙げられます。

まとめ

インターネットの発展とともに進む、「脱中央集権化」の流れの中で、金融分野における代表的な動きの一つが、P2Pレンディングです。

日本においては、法的な制約もあり、運用が難しい部分もまだまだあるものの、今後の法規制の緩和や、AIの発展のもとに、信頼性、安全性が高まり、新たな金融の形の一つとして市民権を得るかもしれません。

実際に貸し手、もしくは借り手として利用するかを別にしても、トレンドとしては抑えておきたい仕組みです。

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