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「ドレッシング買い」とは何か?背景や影響力、投資への判断を解説

出典:Getty Images

相場の世界には、時に入門書や格言では説明できないような不可解な値動きが起こることがあります。

相場の世界に「絶対」はないので、いちいち全ての値動きを説明できると考えること自体がナンセンスかもしれませんが、大前提として、相場は市場に参加しているプレーヤーによって形成されています。

買いも、売りも、いずれかのプレーヤーが何かしらの意図をもって行う行動です。

それらのすべてを公式化することは困難ですが、どんな意図をもって行動を行うのかは知っておいて損にはなりません。

今回は、機関投資家と言われるような大口な資金を持つプレーヤーの一部が行う可能性のある「ドレッシング買い」について解説していきます。

どんな買い方なのか、その意図や、タイミングは、相場はどの程度動くのか、そしてご自身の投資にどう活かせばよいのかといったことを解説していきますので、参考にしてみてください。

ドレッシング買いとは

ドレッシング買いとは、資産運用を行っているファンドなどのプレーヤーが、自身が運用している資産の評価額を上げるために、大量に購入することで特定の銘柄の価格を上げる行為です。

「お化粧買い」という呼び方もします。

銘柄の価格は本来市場の需要と供給にバランスにより決まるものですが、ドレッシング買いは、銘柄の価格、もしくはそれに伴う投資商品全体の評価額を上げることを目的に「買い」が行われます。

大量の買い注文が入ることで、市場の需要は買い手優勢に動いていくため、価格が上がる傾向にあります。

ドレッシング買いが行われるのは年度末・年末・月末の可能性が高い

ドレッシング買いが行われるのは、「年度末」「年末」「月末」といったタイミングが多いです。

ドレッシング買いを行うファンドの立場に立って考えれば理解が難しいことではないと思います。

ファンドを運用している会社は、そのファンドの購入者に対して、月次、年次といったタイミングで、運用成績を含めたレポートを発行しなければなりません。

その運用成績が芳しくなかったり、さらにその理由を説明できなかったりすると、ファンドの信用そのものが損なわれかねません。

場合によっては、ファンドの解約につながる可能性すらあります。

そこで、自ら買いを入れてでも価格を維持、吊り上げを行うことで、運用成績を維持する形をとっています。

ドレッシング買いは相場に影響を及ぼす?

ドレッシング買いが、実際のところどの程度相場に影響を及ぼすかは、ケースバイケースです。

ドレッシング買いが行われることで価格が上がったり、チャートの形が良くなると、銘柄の買いタイミングを伺っていたプレーヤーが参入してきたり、短期目線のトレーダーが飛びついてくる可能性があります。

こういった別のプレーヤーからの投資行動も「買い」の方向に傾けることができれば、さらなる価格の向上を狙うことが可能です。

一方で、ファンドがある程度の資金でドレッシング買いを行ったとしても、市場の需要として売り圧力の方が強ければ、ドレッシング買いの勢いが追い付かず価格は下落してしまうかもしれません。

ドレッシング買いがどの程度市場に影響を及ぼすかは、ファンドがどのくらいの資金をドレッシング買いに使うかや、その銘柄の売買の勢い、そして時価総額といった要素によって左右されます。

ドレッシング買いを事前に見分けるのは難しい

こういったファンドの買いの特性を理解していると、投資の手法の一つとしてドレッシング買いに「乗っかる」という戦略を思いついた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ファンドのドレッシング買いを事前に読んで、あらかじめ銘柄を仕込んでおき、ドレッシング買いが入って株価が上昇したタイミングで売却するといったようなものです。

実際の市場の動きの中で本当に上がる保証はないものの、大口の買いが入ることがわかっていれば、かつ可能性の高い相場とは考えることができそうです。

結論としては事前にドレッシング買いが行われる銘柄を見分けること、それを投資手法に活かすということは困難です。

ドレッシング買いが行われやすいタイミングは決まってはいるものの、実際にそのタイミングで本当にファンドによる大きな買いが入るという保証は一切ありません。

ドレッシング買いするまでもなく上昇しているような銘柄であれば、わざわざ評価額を底上げするために買いを入れる必要性は薄いと判断されるかもしれません。

下がっているような銘柄であったとしても、総合的な運用成績が悪くなければあえてドレッシング買いが入らないかもしれません。

ドレッシング買いを事前に察知し、それを投資とりわけ短期目線のトレードに取り入れようというのはかなり難易度の高い手法であると言わざるをえません。

ファンドに組み入れられている銘柄を保有する際は覚えておこう

ドレッシング買いへの「乗っかり」投資が難しいとなるとドレッシング買いのことを知っていても、それを投資判断に活かすのは難しいのでしょうか?

結論としては、知っておくことで役に立つ場面もあります。

それは、保有している銘柄がファンドに組み入れられている銘柄であった場合、一つの上昇の要因として、ドレッシング買いが作用する可能性があるという点です。

基本的に、銘柄の価格が上昇するのは

  • 市場全体が買いムードの時
  • テクニカル目線で、上昇トレンドの時
  • ファンダメンタル目線で割安だと判断されたとき
  • 銘柄や業界に特有の良いニュースが出た時

などといったケースが考えられますが、そういった事情が何もないにも関わらず、突然株価が上昇する場合もあります。

もちろん、特に説明ができないと言っても考えられる要因は多岐にわたるものの、その中の可能性の一つとして「ドレッシング買い」の可能性に思考が巡るのは、相場全体を考える上では重要な視点です。

仮にドレッシング買いが上昇の要因であるとするならば、その上昇は必ずしも実態を伴ったものではないので、ぬか喜びせずに冷静な判断を行う必要があるかもしれません。

まとめ

ドレッシング買いは、「保有しているファンドの評価額を上げるため」にファンドの運用会社などの関係者が自ら買いを行うことです。

「株価を上げる」という意図的な買いであり、あくまで市場の本来の需要と供給のバランスを反映したものではないということは注意しなければなりません。

また、その影響力も相場を大きく動かすものもあれば、ドレッシング買いが行われたのかどうか判断もつかないような場合もあり、完全にケースバイケースです。

ドレッシング買いを見越したトレードをするのは非常に難易度の高いものとなってきますが、保有銘柄が特定のファンドの中に組みこまれているか、組み込まれているとしたらどの程度の割合かといったことを情報として持っておくと、予測不能な値動きに対して冷静な対処ができる可能性も高まるのではないでしょうか?

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