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米国株の配当における税金の二重課税とは?外国税額控除をうまく活用する方法

米国株には値上がり益も期待できますが、配当も大きな魅力です。

米国では株主重視の姿勢から高配当を望め、25年以上連続増配を継続している「配当貴族」と呼ばれる銘柄も多くあります。

配当貴族指数とは?日米の指数比較と投資するための4つの方法

また、日本株の配当は年1~2回ですが、米国株は四半期配当(年4回)が普通です。

P&G、コカコーラ、マクドナルドなど大手企業も配当貴族で長い間増配を続けています。

ただ、高配当を望める米国株投資ですが、「配当の二重課税」という問題があります。

配当の二重課税とは

配当金は証券会社にもよりますが、証券口座に外貨で振り込まれるのが主流です。

そして、配当金は日米で二重課税になっています。

米国株の配当を受け取る際、現地課税(10%)が自動的に差し引かれます。

さらにそこから国内課税20.315が差し引かれるのです。

計算式は以下のようになります。

受取配当金=支払配当金 × 0.9(米国の源泉徴収10%)× 0.79685(日本国内の税率20.315%)

例えば、年間10万円の配当が支払われたとすると、

受取配当金=10万×0.9×0.79685=71,716.5円

となります。

約3割近くが税金になるのです。

外国税額控除とは

ただし確定申告をすることで、米国課税分10%を日本の所得税や住民税から控除することができます。

これを「外国税控除」といい、還付を受けることができます。

また、確定申告することにより譲渡益(株式の売却益)と損益通算させることが可能です。

ただし、外国税控除の適用は、確定申告して総合課税か申告分離課税を選択した場合に限られます。

配当金に対する税金をまとめると以下の図のようになります。


配当課税に関しては、特定口座・一般口座の区別なく手続きは同じです。

それでは、日本の配当金の税金について確認しておきましょう。

国内の配当金の税金

国内における配当金の税金の支払い方法は次の3つです。

  1. 配当金に対して20%の源泉徴収
  2. 確定申告をして、配当控除の適用を受ける(総合課税)
  3. 確定申告をして、株などと損益通算をする(申告分離課税)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

配当金に対して20%の源泉徴収

配当金は支払いの段階で源泉徴収(税金があらかじめ引かれていること)されているので、確定申告は不要です。

他の所得と分離されているので所得税の税率に影響を与えません。何も手続きをする必要がないので手間がかかりません。

確定申告をして、配当控除の適用を受ける(総合課税)

総合課税は、給与所得など各種所得と配当所得を合算して税率を掛けて税額を算出します。

所得税は超過累進課税率となっているので所得に応じて段階的に税率が上がっていきます。

したがって、所得が低い場合は、総合課税を選択すると少ない税率で済みます。

また、総合課税を選択すると配当控除を受けることができます(国内株式のみ)。

確定申告をして、株などと損益通算をする(申告分離課税)

申告分離課税は、確定申告はするものの、給与など各所得とは合算せずに、所得税15.315%、住民税5%で完結する課税方法です。

税率自体は源泉徴収と変わりませんが、株式の譲渡損失と損益通算できる点が異なります。

また、その年の確定申告で、申告分離課税の所得のマイナス分を控除しきれない場合は、3年間マイナスを繰り越すことができます。

したがって、株式で多額の損失が発生している場合は、申告分離課税を選択するといいでしょう。

米国株は10%の源泉徴収となります。

日本国内の税金を「総合課税」か「申告分離課税」どちらかを選択することにより、源泉徴収された10%の還付を受けることが可能になるのです。

米国株をNISAで購入した場合

NISAとは少額投資非課税制度のことで、年間120万円までの投資額に対して値上がり益と配当金が非課税になります。

SBI証券や楽天証券など大手ネット証券では、米国株も日本株同様に利用できます。

米国株の譲渡益(値上がり益)は非課税になります。

ただし、配当金はNISA口座であっても日本の税金20.315%は非課税となりますが、米国内における源泉徴収額10%の控除はできません。

つまり、NISA口座で米国株を購入した場合の税金は次のようになります。

  • 米国株の譲渡益 非課税
  • 米国株の配当金 10%の課税

値上がり益や日本での配当金に対する税金は非課税になるものの、米国内における10%の税金がかかることには注意しましょう。

まとめ

高配当が魅力の米国株ですが、「配当の二重課税」という問題があります。

配当金は源泉徴収されるので、30%近い税金が取られてしまうのです。

ただし、確定申告をして「総合課税」か「申告分離課税」どちらかを選択することで外国税控除が適用され、還付を受けることが可能です。

株式投資で損失が出ている場合は、損益通算や繰越控除ができるので「申告分離課税」を選択した方が有利に、所得が少ない場合は「総合課税」を選択した場合が有利になる可能性が高くなります。

ただし、総合課税についての計算は複雑なので、申告の際は税務署等へ問い合わせた方がいいでしょう。


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