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ソニーはスマートフォン事業から撤退すべきなのか?

モトリーフール米国本社、2019年3月21日投稿記事より

ソニー(ティッカー:SNE)は、ビデオゲーム、映画、音楽、および家電製品の巨人です。

しかし、スマートフォン市場ではずっと劣勢であり、投資家はこの赤字部門の継続を疑問視しています。

最近、ソニーを「買い」から「ホールド」に格下げしたジェフリーズのアナリストのアチュル・ゴーヤルは、同社がスマートフォン事業に固執するのは「失望すべきことで戦略的誤り」だと述べています。

ゴーヤルは、スマートフォン事業の継続的な損失と、ゲーム事業の減速により、今後2年間はソニーが「遅々たる利益成長」しか生み出せないだろうと強調しています。

それでは、ソニーがついに問題山積のスマートフォン事業をたたむ時が来たのでしょうか?

ソニーのスマートフォン事業

ソニーは以前、エリクソン(ティッカー:ERIC)との合弁事業(ソニー・エリクソン)を通じてモバイルデバイスを販売しました。

ソニーは2008年に初のXperiaデバイスを、そして2010年に初のアンドロイド携帯電話を発売しました。

2012年に、ソニーはエリクソンの持分を買い取り、ソニーモバイルとして部門をリブランドしました。

ソニーは当初、スマートフォン市場で好調でしたが、ハイエンド市場でのサムソン(ティッカー:SSNLF)およびアップル(ティッカー:AAPL)との競争およびミッドレンジ市場の飽和化により、Counterpoint Researchによると2018年までにグローバル市場シェアが1%未満に減少しました。

またCanalysによれば、ソニーは日本国内のスマートフォン市場シェアは、9%に満たないものです。

ソニーは今年、超ワイド4K OLEDスクリーンを搭載した新しい携帯電話で再起を試みましたが、あまり市場から歓迎されていません。

PCマガジン誌は最近、Xperia X10 Plusは「ミッドレンジ携帯としては堅実な性能を有するが、電池寿命の悪さ、優れているとは言えない製造品質、そして高価格のため、なかなか売れないだろう」と指摘しています。

スマートフォン事業での損失

ソニーのモバイルコミュニケーションズ(MC)事業は、2018年の最初の3四半期で同社売上高の6%を占めています。

しかし前年同期比で32%減少しており、他を大きく引き離して最もパフォーマンスの悪い部門となっています。

ソニーのMC事業の本当の問題は、利益が出ていないことです。

2018年9月までの9ヵ月間の営業損益は、前年同期の170億円の営業利益に対し、561億円(5億1,000万ドル)の損失となりました。営業損失を計上した唯一の主要事業部門でした。

ソニーの総営業利益は、2018年の最初の9ヶ月間に、ゲーム、音楽、映画、映像事業の利益率改善により、前年同期比で14%増加しました。

しかし、MC事業を除外した場合、ソニーの総営業利益は25%増加したはずです。

したがって、一部のアナリストが、ソニーはスマートフォン市場から撤退すべきだと考える理由が簡単にわかります。

結局、スマートフォン事業から撤退し、ゲーム機サイクルの成熟により成長鈍化に苦しんでいるゲーム事業により多くのリソースを投入する、という方が賢明との見方があります。

展望なき厳しい競争市場

IDCによると、2018年の世界のスマートフォン出荷台数は、市場が飽和状態になり顧客が買い換えを延期したため、前年比で4.1%減少しました。

マーケットリーダーのアップルとサムソンも、直近四半期にスマートフォン販売の低迷に苦しんでいたので、ソニーのような弱小プレーヤーにチャンスが来るとは考えづらいでしょう。

前四半期の電話会議で、専務兼CFOの十時裕樹氏は「厳しいスマートフォンの市場環境」は今後1年間は続くだろうと述べましたが、一部のスマートフォンは優れたカメラ性能で差別化できると強調しました。

ソニーの半導体部門は見過ごされがちですが、同部門が世界のおよそ半分のスマートフォンメーカーにイメージセンサーを供給しており、より良いスマートフォンカメラへの大きな需要は、同部門に利益をもたらすでしょう。

しかし、たとえソニーが最新のXperiaシリーズに最高のカメラ機器を搭載したとしても、現在の飽和状態の市場で大きなシェアを取り戻せるかどうかは非常に疑問との見方があります。

スマートフォン事業を再考すべき時

2015年当時、ソニーモバイルのCEOを務めていた十時氏は、中東紙アラビアンタイムズとのインタビューで、同社はモバイル市場において「決して(事業を)売却したり撤退したりしない」と明言していました。

十時氏は、スマートフォンは「人々の生活に密接に結びついている」と言及し、ウェアラブルデバイスのような同社の他のコネクテッド製品にとって不可欠なハブと強調していました。

しかし、時代は変わり、ソニーの多くのコネクテッド・デバイス(フィットネストラッカーやスマートメガネなど)はあまり人気がありません。

その結果、ソニーモバイルの将来を再評価し、VAIO PCと同様にスピンオフまたは売却することが、長期的には最善の動きであるとの見方が強くなりつつあります。


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