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景気の方向性を知るためのツール、景気動向指数を理解しよう

景気が「上向き」または、「下向き」であるかを数値で捉えられることをご存知でしょうか?

景気動向指数は毎月内閣府から発表される指数であり、景気のおおまかな傾向を捉えることに役立ちます。

新聞やニュースなどで見かける機会が多く、株価の動向や企業の売上の予測がしやすくなりますので、投資をする上で非常に便利です。

また、景気動向指数は人間の判断によるバイアスがかからないため、客観的な景気判断に有用と言えます。

今回は、景気動向指数についての基礎的知識と指数の種類について説明します。

景気の動向を捉える参考にしていただけると幸いです。

景気動向指数とは?

そもそも「景気」とは、モノやサービスの売れ行きや企業の業績、個人レベルの所得の状況のことを指します。

景気動向指数は景気が「上向き」あるいは、「下向き」に変動しているかを捉えるために使用される総合的な指標です。

景気が良くなると給与が増えて消費も伸びたり、逆に景気が悪くなると給与が減って消費が伸び悩んだりと、生活にも直接影響を与えます。

景気動向指数の種類

景気動向指数にはDI(ディフュージョン・インデックス)とCI(コンポジット・インデックス)の2種類があります。

DIは景気の変動を「方向性」で捉えるのに対し、CIは景気の変動を「変化の大きさ」で捉えるというのが両者の違いです。

過去に日本では景気拡張を示すDIがメインに扱われていましたが、現在では世界標準であるCIがメインに扱われるようになりました。

詳細にDIとCIについて説明していきましょう。

DI(ディフュージョン・インデックス)

ディフュージョンとは「拡散、波及」を意味し、DIは景気拡張への動きと各経済部門への波及具合を捉えることを目的としています。

DIの算出方法は、景気の影響を受けやすい指数(投資、雇用、物価など)を3ヶ月前と比較し、「良い」「普通」「悪い」の3つの選択肢で評価、単純集計して百分率で表示するという方法です。

「良い」は1.0、「普通」は0.5、「悪い」は0と評価し、下記の計算式に当てはめてDIを計算します。

DI=「良い」の数×1+「普通」の数×0.5÷採用指数×100

(採用指数とは、使用した指数の数のこと)

DIが50%を上回ると景気拡大期、逆に50%を下回り続けると景気後退期であると言えます。

しかし、景気の変動が短期間である場合には、景気拡大期あるいは景気後退期であると判断するにはふさわしくありません。

最低でも3ヶ月連続した同一の動きから、景気の方向性を判断するようにしましょう。

また、DIでは大まかな景気変動の方向性を捉えることができますが、景気変動の大きさを判断することはできません。

そこで、景気変動の大きさを捉えるためのCIを併せて利用すると良いです。

CI(コンポジット・インデックス)

コンポジットとは「合成、複合」を意味し、CIはDIで採用した各系列の変化率を合成することで求めることができます。

CIの算出方法は、「①各指標の前月からの変化率を求める②60ヵ月後方移動平均によって導かれたトレンドによって変化の量感を求めた上で合成③前月のCIに累積する」です。

CIの算出方法はDIと比べてかなり複雑ですが、DIでは捉えることができない「景気変動の大きさ」を捉えることができます。

CIは基準となる年を100とし、前月やそれ以前との比較から何ポイント増減したかを景気の判断材料とします。

平成17年を基準とすることが多いですがこの限りではありません。

次にDIとCIの算出に用いられる3種類の採用指数について説明していきます。

それぞれの採用指数

DIとCIは共通する29項目の採用指数を使って算出されます。(2019年2月現在)

全ての指数に共通することは、景気の影響を受けて変動することですが、全ての指数が一斉に変動することはありません。

採用指数は変動の時期に着目して「先行指数」、「一致指数」、「遅行指数」に分けることができます。

それぞれの採用指数について簡単に説明していきましょう。

先行指数

先行指数は「新規求人数、東証株価指数、実質機械受注」などの11項目からなり、景気の動きに先行して反応を示すのが特徴です。

先行指数は景気動向に敏感であり、景気に数ヶ月先行して動くと言われており、景気の動きを予測する目的で使われます。

一致指数

一致指数は「有効求人数、商業販売額、大口電力使用量」などの9項目からなり、景気の動きに連動して反応を示すのが特徴です。

遅行指数

遅行指数は「法人税収入、家計消費支出、完全失業率」などの9項目からなり、景気の動きに遅れて反応を示すのが特徴です。

遅行指数は景気の動向への反応が鈍く、景気に数ヶ月から半年遅れて動くと言われており、事後的な確認に用いられます。

景気動向指数は毎月内閣府から発表される

景気動向指数は毎月内閣府から発表され、ホームページなどで確認することができます。

以前はDIが使用されていましたが、2008年4月以降は景気変動の大きさや量感を把握するためにCIに移行しました。

景気動向指数を確認し、投資に役立てよう

景気動向指数は多くの投資家が注目しており、株式市場のトレンドを判断する材料として活用しています。

そのため、株式投資において景気動向指数が発表されるタイミングで市場が大きく動くことは珍しくありません。

また、先行・一致・遅行指数を活用することで将来の景気の予測が立てられますので、株式への投資タイミングを計ることに役立ちます。

投資初心者で複雑な予測が難しい場合は無理にCIを使用せず、DIだけのチェックにとどめておきましょう。

このように景気動向指数を確認することで投資を有利に進めることができますので、ぜひ有効活用していってくださいね。

まとめ

今回は、景気動向指数についての基礎的知識と指数の種類について説明しました。

景気動向指数は景気を示す総合的な指標です。

必ずしも先行指数の通りに市場が変動するわけではありませんが、多くの投資家が注目している指標なので重要度は高いといえます。

あなたが投資をする上での判断材料の一つになれば幸いです。


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