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インフレリスクとは?物価の上昇に備えるための資産運用

皆さんはインフレと聞いてどのような状態を思い浮かべますか?

歴史の授業で第一次世界大戦後のドイツでは、パンを購入するのにリヤカーいっぱいに積んだお金を運んでいる絵を見たことがある人もいるでしょう。

また、最近では南米ベネズエラで1ヶ月に物価が2倍になるインフレが発生し、経済に混乱をもたらしています。

では日本でこのようなインフレが起こる可能性があるのでしょうか。

そもそも私達日本人にインフレという言葉に馴染みがありません。

しかし、今後インフレが起こらない可能性よりも起こる可能性の方が高いのです。

そこで今回の記事では、

  • インフレリスクとは
  • インフレに弱い金融商品
  • インフレに強い金融商品

以上について解説していきます。

この記事を読んで頂ければ、インフレに対するリスク(以後インフレリスクとします)について理解でき今後の資産運用に役立てることができるようになります。

ぜひ最後までご覧ください。

インフレリスクとは

現在、南米ベネズエラではインフレにより経済が混乱しています。 

今月1台300万円の車が翌月には1台600万円に価格が上昇します。

私達日本人には想像もできないでしょう。

これは物価が上昇したことによるものですが、逆を言えば「貨幣の価値が下落した」とも言えます。

ベネズエラでは今月の1万円が翌月5000円となってしまうのです。

日本のインフレ率は?

IMFのデータによると、2018年の日本のインフレ率は前年比で1.20となっています。

つまり2017年に比べ年平均で1.20%の物価上昇率が発生しています。

日本銀行(以下日銀)は2013年1月に目標インフレ率を前年比2%の上昇を掲げています。

残念ながら、目標を掲げてからまだインフレ率前年比2%上昇は達成できていません。

そもそも、なぜ日銀はインフレに誘導するのでしょうか?

それは長らくのデフレ(物価が下落すること)からの脱却が目的で、インフレに誘導することにより経済が上向くと考えられるからです。

つまり日本経済の上昇にはインフレに誘導する必要がある、と日銀は考えているからです。

ちなみに日本でも過去を振り返ればインフレは起きています。

例えば40年前の500万円の現在価値は今いくらになっているでしょうか?

答えはなんと782万円です。

このままのペースでインフレが続けば、40年後の500万円の現在価値は319万円になってしまいます。

つまりインフレは少しずつ続いており、日々少しずつお金の価値が減っているということになります。

そして追い打ちをかけるように、日銀の金融政策もインフレに誘導しています。

では、インフレから資産を守るにはどのような資産を持つべきなのでしょうか?

インフレリスクに弱い金融商品と強い金融商品について解説していきます。

インフレリスクに弱い金融商品

インフレリスクに弱い金融商品として、以下の3つの金融商品が挙げられます。

  • 定期預金
  • 生命保険
  • 個人向け国債

それぞれについて細かく見ていくことにしましょう。

定期預金

定期預金は代表的なインフレリスクに弱い金融商品です。

なぜならば、インフレにより預けているお金の価値が減ってしまうからです。

ただし、インフレになれば金利も上昇することが一般的ですので、受取る利息の額が増えることになります。

それでも、受け取る利息の額がインフレのスピードについていかなければ資産価値が減っていくことになります。

特に注意しなければならないのが、期間の長い固定金利の定期預金です。

例えば10年固定で金利が0.05%の定期預金を行うとしましょう。

10年間で景気が悪化して金利が0.05%を下回っていれば得をします。

しかし10年間でインフレが進行し、金利が上昇した場合は金利上昇の恩恵が受けられず損をしてしまいます。

今後は政府も日銀もインフレに誘導することを目標に掲げており、長期固定金利の定期預金は避けた方が正解でしょう。

生命保険

日本人は無類の保険好きと言われています。

8割以上の人が何らかの生命保険に加入していると言われています。

「なんとなく保険に加入していれば安心」、「いざというときのために」などの理由から保険に加入している人も多いことでしょう。

そもそも保険は長期固定金利の金融商品です。

将来受け取れる保険金は契約時にあらかじめ決められます。

たとえば、30歳の人が1000万円の終身保険に加入したとしましょう。

60歳までに支払う保険料を毎月25000円と仮定し総額900万円ほど。

支払う保険料が900万円で、死亡した場合に受け取れる保険料が1000万円の保険は果たしてお得な保険と言えるでしょうか。

現在、男性の平均寿命は80歳前後です。

政府と日銀は毎年2%のインフレを目標としています。

これが仮に上手くいった場合、平均寿命を迎える50年後は保険金の1000万円の価値が半分以下になってしまいます。

「保険で資産運用を行っているから自分は大丈夫」と思っている方も多いかと思います。

しかし、今の経済状況を踏まえると保険で資産運用をすることは不可能と言えるでしょう。

個人向け国債

国債は国が発行する債券で、言わば国の借金です。

国の資金調達のために国債を発行し、多くの人からお金を集めます。

それを個人に購入してもらうためにしたものが、個人向け国債です。

この個人向け国債もインフレに弱い金融商品です。

特に固定金利が設定されている国債は前述の定期保険同様インフレに弱くなります。

しかし、個人向け国債の中には変動金利を設定している商品もあります。

それが「変動・10年」の個人向け国債です。

その年の基準日の金利に合わせて金利を設定してくれますので、インフレで金利が上昇しても受け取れる利息も増えます。

インフレリスクに備えるためには、変動金利の個人向け国債を購入することが無難です。

インフレリスクに強い金融商品

では、インフレリスクに対応するための対策はどのように講じるのでしょうか。

実は金融商品の中にもインフレに強い商品が存在するのです。

インフレリスクに強い金融商品として、以下の3つの金融商品が挙げられます。

  • 株式
  • 不動産

それぞれについて細かく見ていくことにしましょう。

株式

インフレリスクに強い最も一般的な商品が株式です。

その理由は、「インフレによる企業の利益の上昇による株価の押し上げられる」からです。

インフレによる株価上昇までのフローを見てみましょう。

  • インフレ発生
  • 貨幣価値の減少
  • 物価の上昇(実質的な値上げ)
  • 値上げ効果による企業の売上の上昇
  • 売上と共に利益も増加し、株価も上昇

全てがこのような流れになるとは限りませんが、インフレによるこのようなシナリオは描けます。

実際、コカ・コーラも19年4月に清涼飲料の値上げを実施します。

消費税増税の影響もありますが、少しずつ物価が上がっていることも理由でしょう。

不動産

不動産もインフレに強い金融商品の1つです。

バブル経済期の不動産価格の上昇が有名です。

当時バブル期によるインフレ率の上昇と共に不動産価格も上昇していました。

不動産も株式と同じような考え方ができます。

フローを見てみましょう。

  • インフレ発生
  • 貨幣価値の減少
  • 物価の上昇(賃料の値上げ)
  • 賃料増加による不動産価格の上昇

不動産も株と同じように投資をしていれば、インフレの進行とともに収益も上げることができます。

金は米ドルと逆相関の関係、有事の際に買われる、など様々な特徴があります。

そして、金は実物資産であるがゆえにインフレの際に買われる傾向があります。

インフレとは物価が上昇し、貨幣の価値が下落することをいいます。

特に貨幣の価値が下落する、ということに注目です。

貨幣の価値が下落するということは、貨幣を発行する中央銀行(日本であれば日銀)への信用が失われるということです。

信用を失い続けると貨幣は、ただの紙くずとなる可能性があります。

そこで注目されるのが金なのです。

金は実物資産であり、世界的にも需要のある資源です。

昔から金は価値のある資源として信用されているため、インフレの際は需要が増し金が買われる傾向があります。

これからインフレが進むことを踏まえれば、金を購入しておくことも選択肢として入れておいてもいいでしょう。

まとめ

インフレリスクについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の記事のポイントは、

  • 政府、日銀は年間2%のインフレを目標としている
  • 現金は安全ではなく、インフレに弱い
  • 株式、不動産、金などインフレに強い商品は組み入れ、リスクヘッジをする

でした。

現在の日本においては、インフレの感覚はあまりありません。

それでも、昔に比べインフレは少しずつ進んでいます。

政府、日銀もインフレに誘導していることから、今後インフレが加速する可能性もあるでしょう。

インフレリスクに備え、現金だけでなく株式などでしっかりリスク分散していく必要があるでしょう。

最後までご覧頂きまして、ありがとうございます。


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