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2019年のトップ米国金融株

モトリーフール米国本社、2019年3月12日投稿記事より

米金融セクターはS&P500インデックスの約13%を占め、インデックス全体の中で3番目に大きいセクターです。

なお、以前は不動産投資信託(REIT)がこのセクターに含まれていましたが、2016年に外されました。

2019年に注目されるトップ金融株を探ります。

金融サービス産業への投資

金融サービス産業に関係する企業数は膨大で、さまざまな業務を行っているため、テクノロジー・セクターと金融セクターの境は曖昧です。

金融テクノロジー(フィンテック)企業が、伝統的な金融機関の領域にますます入ってくるにつれ、境はさらにぼやけてきています。

金融セクターの企業は非常に多様な業務を実行しているため、含まれる企業の範囲を説明するよりも、いくつかの例を挙げたほうが簡単です。

ムーディーズおよびS&Pグローバルは、社債および政府債務に格付けを付与する信用格付機関です。

インターコンチネンタル・エクスチェンジとナスダックは、投資家が迅速かつ安全に証券を売買できる市場を提供しています。

イー・トレード・フィナンシャルとTDアメリトレード・ホールディングは、投資家がオンラインで株式を売買できる仲介サービスを提供しています。

マスターカードとビザは、広範な決済ネットワークを提供しており、消費者の銀行口座から小売店の口座へ迅速かつ安全に資金を移動しています。

Q2ホールディングスは、デジタル関連やクラウドベースの仮想バンキング・ソリューションを開発することができない中小規模の銀行に、技術的専門知識やコンサルティングサービスを提供しています。

ブラックロックは、6.3兆ドルの運用資産を保有する資産運用会社です。

金融業界の最大のリスクは?

金融セクターに投資する前に知っておく必要があることは、その企業がどれほどの債務(信用エクスポージャー)にさらされているかです。

同じようなビジネスモデルの企業であっても、信用エクスポージャー・リスクは大きく異なります。

これは、経済の下降局面において特に重要です。

たとえば、労働者がレイオフされ、次の仕事が見つからないと、借金やローンの返済ができなくなり、そうなると彼らにお金を貸し付けていた銀行や金融機関に悪影響がおよびます。

2019年のトップ金融株は?

金融セクターにおいて、2019年時点で最も優れた金融株は以下の通りです。

金融会社(カッコ内はティッカー) 優れている理由 株式時価総額
アメリカン・エキスプレス(AXP) カード保有者の質はクレジットカード業界で最高 841億ドル
バンク・オブ・アメリカ(BAC) 規模とモバイル関連で大きなプレゼンスの恩恵を享受している大手銀行 2,750億ドル
バークシャー・ハサウェイ(BRK-A, BRK-B) 保険会社からのフロート(投資使途資金)を活用して買収や投資を実施 4,800億ドル
ブロードブリッジ・ファイナンシャル(BR) 上場企業の議決権行使に関するやりとりや委託売買のコアサービスをほぼ独占 115億ドル
JPモルガン・チェース(JPM) 規模と高い自己資本利益率を誇る大手銀行 3,360億ドル
マスターカード(MA) 広範な経済的強みを持つ大規模な決済ネットワーク 2,020億ドル
ムーディーズ(MCO) ブランドと規制産業の強みを持つ信用格付機関 286億ドル
Q2ホールディングス(QTWO) 地域やコミュニティの金融機関に対し、クラウドベースの仮想バンキング・ソリューションを提供 22億ドル
ビザ(V) 最大の決済ネットワーク、スケールと高い営業利益率の大きな強みを享受 3,020億ドル

株式時価総額データ:グーグル・ファイナンス

以上の企業のいくつかを詳しく調べ、2019年以降の優れた投資である理由を確認します。

アメリカン・エキスプレス

アメリカン・エキスプレスは、クレジットカード発行から利益を得ていますが、この会社ほど質の高い借り手を選択し、貸倒損失を抑えているところはありません。

過去6四半期にわたり、回収が見込めない延滞貸出金の割合は、貸出金総額の2.1%を超えたことがありません。これは、競合他社よりもはるかに低い数字です。

同社では、カードが使われるたびに発生する手数料が、収入の大部分(約60%)を占めます。

この手数料収入は、2017年初頭の45億ドルから直近四半期には62億ドルほどに約38%増加しました。

アメックスはまた、手数料率を引き下げることで、収入を拡大させています。

2017年初め以来、平均手数料率は2.45%から2.38%に引き下げられています。

この低い手数料率により、より多くの小売業者がカードを受け入れるようになり、従ってカード会員がより多くの購入にアメックスのカードを使うことができます。

アメックスはまた、デジタル機能も飛躍的に向上させています。

最近、ペイパル・ホールディングスとの提携を完了させました。ペイパルは、2億5,000万以上のアクティブ・ユーザー・アカウントを持つデジタルウォレットです。

また、2017年10月には、レストランやバーでのデジタル支払いを専門とする新興企業のCakeを買収し、2018年には、旅行者向けのAI搭載のパーソナル・アシスタント・アプリの企業であるMeziを買収しました。

アメリカン・エキスプレスは、債務をうまく管理しながら、主要な収入源の拡大に注力し、そしてフィンテックにおけるデジタル能力の重要性を認識しています。

このため、同社は今後数年間にわたり、市場平均を上回るリターンをあげるとみられます。

JPモルガン・チェース

米国の総合金融業務を展開するユニバーサル・バンクの中では、JPモルガン・チェースが今後も最も魅力的なリターンを提供する可能性があります。

直近四半期の自己資本利益率は14%で、10%の業界水準を易々と上回っています。

他の投資家を盲目的にフォローする必要はありませんが、それでも、JPモルガン・チェースはウォーレン・バフェットのお好みの銀行であり、2018年にも40億ドル分の株を買い増しています。

JPモルガンは、常にフィンテックの最先端にあり、デジタルおよびモバイルサービスへの多大な投資を恐れないため、現在では3,250万人もアクティブ・モバイル・ユーザーを抱えています。

最近導入されたFinnは、ミレニアム世代にアピールするように設計されたオールモバイル銀行サービスで、月間手数料がかからず、無料の予算管理や貯蓄ツールが付属しています。

マスターカードとビザ

マスターカードとビザは、ほぼ同じビジネスモデルなため、区別することは困難です。

両社とも、カードかデジタルサービスによって購入が行われた場合、消費者の銀行から小売業者の銀行にお金が移動する時にいわゆる「有料道路」として機能します。

サービス提供により、両社は固定料金と売上規模のうちの一定割合を徴収します。

これらの料金はわずかですが、両社の膨大なサイズと規模により膨らみます。

世界的に電子決済が増加しており、ビザとマスターカードの利用も同様に伸びています。

もはや現金や個人小切手でオンライン販売を行う時代ではありません。

ビザのカード発行数は今や33億枚で、328億の取引に使われています。

マスターカードのカード発行数は25億枚で、188億の取引に使われました。

両社の営業利益率は良好で、ビザが66%、マスターカードが59%です。

この高い利益マージンにより、両社は買収を行い、国際的な機会に投資し、そして配当と自社株買いにより株主に還元しています。

両社とも配当利回りは依然低いものの、今後は大きく増配を続けていくと考えられます。

ムーディーズ

ムーディーズは、さまざまな種類の債務に格付けを行っており、2つの持続的な競争優位性を享受しています。

第一は、規制当局の承認です。先進国では、社債、国債、金融機関債、債券ファンドの格付けをできる機関は限られています。

米国では、証券取引委員会(SEC)によって承認されている10社のみです。

欧州ではEUは26の信用格付機関を承認しています。

そして第二に、ムーディーズは、S&Pグローバルとフィッチ・レーティングスと並ぶ3グローバル主要格付機関の一つであり、米国および欧州で90%以上の市場シェアを誇り、業界を支配しているという評価を得ています。

信用格付業界におけるムーディーズの支配的地位は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス部門に安定的な収入をもたらしています。

このセグメントは、ムーディーズの総収入の約60%を占め、直近四半期において55.1%もの極めて高い営業利益率を誇っています。

なお、ムーディーズ・アナリティックスは、財務調査、データ、および分析ツールを企業に提供します。

営業利益率はインベスターズ・サービス部門より低いものの、26.4%と立派なものです。

ムーディーズは、インベスターズ・サービス部門の利益をこの事業に再投資し、業容の拡大を図っています。

Q2ホールディングス

Q2は、小規模な銀行や信用組合の業界の巨人との競争をサポートし、大手銀行が提供できるのと同様のタイプのクラウドベースの仮想バンキングを提供しています。

これにより、地域およびコミュニティの金融機関(RCFI)の利用者は、いつでも(24時間/7日)、どこででも(いかなるデバイスからも)デジタル銀行サービスが受けられます。

これによって、消費者をめぐる今日の競争で優位に立つことができます。

CEOのマット・フレークは、地元の銀行を支援するという会社の使命を固く信じています。

消費者の選択肢が2、3の大手銀行を超える場合、世界はより良い場所になると考えています。

Q2の2018年の売上は24%増加し、5年連続で売上総利益率が向上しました。

現在、RCFIとの契約を通じて、1,280万人の登録ユーザーがいます。

この登録ユーザーベースは大きいですが、それでも、国内の11,0​​00以上のRCFIがカバーする国内消費者の一部です。

Q2のプラットフォームは全ての技術的ニーズを満たしているため、それに依存している小規模な銀行は、他で同等のサービスを見つけることは非常に困難であると考えられ、Q2の優位性が揺らぐことはないでしょう。


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