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問題を抱えるGEとコカ・コーラ、長期的にはどちらが有望か?

モトリーフール米国本社、2019年3月12日投稿記事より

ゼネラル・エレクトリック(ティッカー:GE、以下「GE」)とコカ・コーラ(ティッカー:KO)は、比較するにはやや奇妙な組み合わせですが、両株式への長期投資を検討する上で役立ちます。

両社とも象徴的な米国企業で、良き日々がありましたが、短期的なフリーキャッシュフロー(FCF)創出と長期的な成長見通しについて課題があります。

それでは、両社の状況を見ていきます。

コカ・コーラの配当は大丈夫か?

コカ・コーラは最近、四半期配当を、以前の1株0.39ドルから1株あたり0.40ドルに引き上げました。

現時点での予想配当利回りは3.6%となっています。

これは「配当王」株を所有してきた投資家にとっては朗報です。

「配当王」企業は、過去50年以上にわたって増配しつづけてきた企業で、コカ・コーラもその1社です。

しかし、注意すべきことがあります。

コカ・コーラの2018年の配当はFCFでカバーされておらず、2019年も同様になる見通しです。

財務指標 コカ・コーラの2019年予想 同社の2018年実績
営業キャッシュフロー 80億ドル 73.2億ドル
設備投資 20億ドル 13.5億ドル
フリーキャッシュフロー 60億ドル 59.7億ドル
支払利息 69億ドル 66.4億ドル

出典:コカ・コーラのプレゼンテーション資料

これは、明らかに持続可能な状況ではありません。

特に経営陣の意図が、75%の配当性向を目指して、FCFを活用して増配を検討している場合はそうです。

しかし、実際は、事業再構築と長期的な生産性向上のために経営陣が取った行動によって、利益成長とキャッシュフロー創出が抑制されているのです。

コカ・コーラの成長への取り組み

ボトリング事業の再フランチャイズ化や「コスタ(コーヒー)」やその他飲料会社の買収等の成長イニシアチブへの投資は、生産性向上や利益およびキャッシュフローの成長につながると考えられます。

経営陣は、長期的には、4%~6%の本源的売上高の成長、7%~9%の1株当たり利益(EPS)の成長を目指し、FCFの純利益への転換率も2018年の70%程度から90%~95%の改善も予想しています。

これらは野心的な目標であり、達成できれば、数年内には配当は持続可能なものになるでしょう。

しかし、経営陣が既に営業利益率目標(2017年の27%から2020年までに34%に改善)を取り下げたことを考えると、投資家が目標達成を疑問視するのは当然です。

長期的に考えた場合、先進国における健康志向で甘いソフトドリンク需要の減少を相殺するため、コカ・コーラとペプシコが新興市場の成長機会を活用できるかどうかも投資家は考慮する必要もあります。

GEのキャッシュフロー問題

最近の決算発表の電話会議によれば、CEOのラリー・カルプは、2019年にはGEの産業部門のFCFがマイナスになると予想しています。

しかし、コカ・コーラとは異なり、GEの株価を左右する主な要因は、配当利回りではなく利益とFCFの見通しです。

GEが極めて困難な時期にあることは事実です。

GEパワー(電力部門)で進められている大規模なリストラとGEアビエーション(航空部門)で収益化が遅れている次世代LEAPエンジン生産により、利益およびキャッシュフローが抑制されています。

しかし数年後には、LEAPエンジンは、利益率の高いサービスおよびアフターマーケット売上高を生み出すことでしょう。

GEの課題は、ここ数年間はどのようにキャッシュフローを生み出していくかです。

カルプが、まもなくこの質問に答えると思われます。

GEの長期的な見通し

GEアビエーションは、2018年に64億7,000万ドルのセグメント利益を生み出し、2019年には1桁台前半の利益成長を見込んでいます。

LEAPエンジンの増産が緩やかになり、アフターマーケットの売上が計上されるようになれば、GEアビエーションの利益率、利益、キャッシュフローの転換が、今後数年間で改善すると考えられます。

GEキャピタルの潜在的な問題を除くと、電力部門の利益率をいかに改善させるかが重要な問題です。

なお、カルプが説明したように、GEパワーを好転させるにはしばらく時間がかかるでしょう。

GEかコカ・コーラか?

コカ・コーラよりGEの方が良いように思われます。

しかし、それは現時点での話ではありません。

株式を購入して10年保有することを余儀なくされる、と想定した場合の選択です。

それでは、どうしてコカ・コーラではなくGEなのでしょうか?

コカ・コーラの場合、目標を達成できなかった場合の悪影響が極めて大きいためで、配当を削減した場合、大きなダメージを受けるでしょう。

また、株価は予想PERの21倍で取引されているため、株価の上昇余地は限定的とみられます。

GEも深刻な下振れリスクに直面していますが、ガスタービン発電機で競合のシーメンスは、2019年に電力部門で1桁台前半の利益率を予想しているため、GEパワーも利益をあげることが可能でしょう。

さらに、コスト削減が順調に進んだ場合、GEパワーの利益率が1桁台後半に回復する可能性もあります。

そうなった場合、強力なアビエーション・セグメントの下支えもあり、株式が再評価される可能性も十分あるでしょう。


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