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リセッションとは。景気後退を判断するための2つの経済指標

リセッションとは、景気後退局面のことです。

しかし、「景気」とは何かということをきちんと理解しておく必要があります。

この記事では、景気の定義と判断する経済指標を挙げ、「リセッション」とは、どのような状態なのかを解説していきます。

景気とは

そもそも「景気」というのは曖昧な概念で、定義するのは簡単ではありません。

簡単に言うと、景気は、「経済活動全般の動向」を表しています。

つまり、商売がうまくいっているかどうかということです。

「景気がいい」とは、日本全体で商売がうまくいっていることで「好景気」と呼ばれます。

一方、「景気が悪い」とは、商売がうまくいっていないことで、「不景気(不況)」と呼ばれます。

景気にはサイクルがあります。

景気の拡張期と後退期が数年周期で繰り返されているのです。

これを「景気循環」といいます。

このサイクルの周期は好況後退不況回復と4つに分けることができます。

リセッションは、景気が低迷し不況にいたる過程の状態なので、「後退」、「不況」局面に該当します。

また、景気の拡大期(好況)の上限で後退に入る転換点を「景気の山」、その逆を「景気の谷」といい、その山から谷までがリセッションです。

大体、景気拡大期が2~3年、後退期が1~2年、合計3~5年で1循環となります。

しかし、状況によっては景気拡大が5年以上続いたり、景気後退が3年以上続いたりすることもあります。

現在は2012年に始まったアベノミクスの影響もあり、2019年1月に戦後最長の長期景気拡大(6年2ヶ月)となった可能性が高いと見られています。

ただし、景気の山と谷は内閣府の「景気動向指数研究会」で、1年以上経過してから正式な判断となります。

景気を判断する指標

景気を判断するには、主観やイメージではなく、客観的な経済指標を元にします。

具体的には次の2つを用いるのが一般的です。

GDP 

GDPは”Gross Domestic Product”の略で「国内総生産」といい、国内で生産された付加価値の合計(通常は1年)を表しています。

付加価値とは「利益」や「儲け」と同じ意味です。ですから、「国内で1年間にどれだけの利益がでたか」ということです。

GDPが増えていれば、経済が拡大している、つまり景気が良くなっていると判断できるのです。

GDPには、名目GDPと実質GDPの2種類があります。

名目GDPは、実際に取引された価格に基づいて推定された値です。

しかし、名目GDPは、経済状況だけでなく、インフレによる価格変動によっても変化してしまいます。

そこで、価格変動の影響を取り除いたものを「実質GDP」と呼んで区別しています。

世界各国の名目GDPの順位は次のようになっています。

単位:百万USドル
1 米国 19,485,394
2 中国 12,237,782
3 日本 4,872,415
4 ドイツ 3,693,204
5 イギリス 2,631,228
6 フランス 2,582,492
7 インド 2,575,667
8 ブラジル 2,055,512
9 イタリア 1,943,835
10 カナダ 1,647,120

日本は2010年に中国に抜かれ、42年間にわたって保ってきた世界第2位の地位を譲りました。

欧米では、一般的に国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナス成長となったときにリセッションとみなします。

それでは、日米のGDPについて見ていきましょう。

日本のGDP

  • 発表機関:内閣府
  • 発表時期:2月・5月・8月・11月

GDPは内閣府より3ヶ月(四半期)ごとに発表されています。

名目と実質GDPの前期や前年に対する成長率を確認することができます。

2018年10-12月期のGDPは以下のようになります。

出典:内閣府

米国のGDP

  • 発表機関:商務省経済分析局
  • 発表時期:1月・4月・7月・10月(速報値)

公表は四半期(3ヶ月)ごとで、まずは速報値が発表され、翌月に改定値、翌々月に確定値が発表されるので、毎月発表されていることになります。

ただ、最も注目されているのは速報値です。

実質GDPの推移(速報値)は次のようになっています。

出典:ヤフーファイナンス

景気動向指数

  • 発表機関:内閣府
  • 発表時期:毎月

米国では、リセッションをGDPで判断しますが、日本では景気動向指数で判断します。

景気全体の動向を知るために、29の景気指数を使って算出します。

景気動向指数には、「DI(ディフュージョン・インデックス)とCI(コンポジット・インデックス)」の2種類があります。

DI(ディフュージョン・インデックス)は景気の方向性を見る指標

景気の現状や転換点(景気の山や谷)をとらえるものです。

3ヶ月前と比較して改善している指標の割合を示します。

DIの一致指数が基準となる50%ラインを上から下にきると景気後退期への転換点(景気の山)で「リセッション」と判断されます。

一方、50%ラインを下から上に切ると景気の拡大への転換点(景気の谷)を表しています。

CI(コンポジット・インデックス)は景気の変化の大きさを見る指標

CIは景気に敏感な指標の量的な動きを合成した指標で、景気変動の大きさや強弱をとらえることができます。

CIの一致指数が上昇している時は景気拡大、低下している時は景気後退を表します。

景気動向指数は月次指標で、翌々月上旬に速報値、中旬に改定値が公表されます。

内閣府では、2008年4月以降、CIを中心とした公表形態になっています。

DI、CIは共通の指標を採用していて、先行指数・一致指数・遅行指数の3つがあります。代表的な指標は以下のようになります。

  • 先行指数(景気より先に動く指標)

実質機械受注(製造業)

東証株価指数(TOPIX)

  • 一致指数(景気と一致して動く指標)

有効求人倍率

鉱工業用生産財出荷指数

  • 遅行指数(景気に遅れて動く指標)

完全失業率

家計消費支出

景気判断は、「一致指数」で判断されます。

CI一致指数の推移を見てみましょう(2018年12月分速報)

出典:内閣府

CIによる景気の基調判断の基準は以下のようになります。

出典:内閣府

まとめ

今回は「リセッション」の定義とその判断となる「景気」について解説してきました。

米国などの欧米はGDP(国内総生産)が2四半期連続でマイナス成長となった場合をリセッションとみなします。

一方、日本では景気動向指数を参考に、内閣府の「景気動向指数研究会」で判断されます。

株や為替などを取引する際に、「景気」の動向を判断することは大切です。

GDPや景気動向指数などの経済指標は必ず確認するようにしましょう。


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