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消費税10%へ。株式や投資信託の投資家も負担が増えるのか?

2019年10月より消費税増税が予定されています。

現在、消費税率は8%ですが、軽減税率が適用されるものを除いて10%になります。

この消費税増税は株式や投資信託に投資している個人投資家にどのような影響があるのでしょうか。

また、個人投資家はどこまで気にしておくべきでしょうか。

具体的な事例を含めて考えてみましょう。

株式等の取引は非課税だけれども

そもそも株式や投資信託などの譲渡は消費税の対象となっていません。

株式や投資信託は、それ自体が「消費」する目的で取引されているわけではなく、株式などの取引は、税の性格から消費税の対象とするにはなじまないため非課税となっているのです。

ですから、個人投資家が100万円の株式を購入するのに、消費税込108万円を支払うことはありません。

100万円の株式は100万円を支払うことで購入でき、株式の代金に消費税がかかることはないのです。

しかしながら、株式や投資信託に投資している投資家は、金融機関の様々なサービスを利用しています。

取引に伴う手数料や情報サービス料などです。

それらサービスの対価として支払うものには消費税がかかってきます。

では、具体的にはどのようなものが消費税増税の影響を受けるのでしょうか。

株式の売買手数料

まずは株式への影響について考えましょう。

株式を売買する際には、証券会社に売買手数料を支払います。

これには消費税がかかっていますので、増税により増税分が加算されることになります。

例えば、消費税率8%で100万円の株式を購入するのにかかる売買手数料が税込2160円(税抜2000円)であるとします。

消費税増税により消費税率が8%から10%になると、税込2200円になり1取引あたり40円ほど投資家の負担が増えることになります。

増える負担は1回の取引では僅かですが、短期で売買を繰り返すような投資家の場合、積み重なると負担が大きくなるかもしれません。

投資信託の購入時手数料

投資信託の場合はどうでしょうか。

投資信託を購入する際に、販売会社に手数料を支払いますが、この購入時手数料には消費税がかかっています。

現在、購入時手数料が税込3.24%(税抜3%)の投資信託を100万円購入すると、税込3万2400円の購入時手数料が発生します。

では、消費税率が10%になるとどうなるでしょうか。

購入時手数料は税込3.3%となるため、3万3000円の支払いが必要となります。

消費税増税の影響で、100万円の投資信託を購入するのに、600円ほど手数料負担が増えることになります。

なお、購入時手数料がゼロ(ノーロード)の投資信託も増えています。

もちろんですが、購入時手数料がゼロの場合は、課税の対象がありませんので消費税増税の影響は受けません。

投資信託の信託報酬

投資信託の場合、保有している間に信託報酬(運用管理費用)を負担することになります。

投資信託の運用期間中、信託財産から間接的に信託報酬が日々差し引かれます。

この信託報酬にも原則として消費税が課税されます。

信託報酬は投資信託によって異なりますが、現在は信託報酬が低く抑えられた投資信託がたくさんあります。

信託報酬が非常に低い投資信託では、消費税増税に伴う負担増もそれほど大きくならないでしょう。

しかし、信託報酬は保有期間中にずっと継続して負担するコストです。

長期間保有すればするほど、消費税増税が運用パフォーマンスに影響を与えてくる可能性は高くなるでしょう。

なお、公社債投資信託の信託報酬は、消費税の課税の対象になじまないものとして、一部が非課税となっています。

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投資信託の信託財産留保額

投資信託の信託財産留保額はどうでしょうか。

一般的に投資信託の換金時に投資家が負担する信託財産留保額ですが、これには消費税はかかりません。

信託財産留保額は、換金する投資家が負担するものではありますが、手数料として金融機関に支払うものではなく、信託財産に留保されるものだからです。

信託財産留保額が設定されている投資信託もたくさんありますが、消費税増税の影響を受けることはありません。

金融機関が提供するその他のサービス

株式や投資信託の取引等で消費税増税の影響を受けるものを考えましたが、その他に、金融機関への各種の支払いも消費税増税の影響を受けることを忘れてはなりません。

一例として、一部の証券会社では口座維持手数料(口座管理料)を徴収しています。

この口座維持手数料にも、消費税がかかります。

現在、口座維持手数料が年間税込3240円(税抜3000円)である場合、消費税率が10%になれば税込3300円となり、投資家の負担が年間で60円増えることになります。

また、金融機関から有料情報サービスの提供を受けていれば、そのサービス料にも消費税がかかります。

その他、「残高証明書」の発行を依頼したり、「取引報告書」や「特定口座取引報告書」などの再発行を依頼したりすると、それに伴う手数料を徴収する金融機関もあります。

これらの手数料にも消費税がかかるため、投資家の負担は増えることになるでしょう。

消費税増税よりも気にすべきことがある

株式や投資信託に投資する投資家にとって、消費税増税がどのような影響があるのかを考えました。

確かに、多くの手数料に消費税が課せられているため、消費税増税の影響はほとんどの投資家が少なからず受けることでしょう。

しかし、現在、手数料が自由化されインターネットを使った証券取引が主流となるなかで、各種の手数料が比較的低く抑えられています。

いくつか具体的な金額を例にしてみたとおり、消費税率8%が10%になったとしても金額としてはそれほどの負担増とはなりません。

それよりも、消費税増税に伴う市場の変動や経済の動きの方が投資パフォーマンスに与える影響が大きいでしょう。

また、個人投資家は消費税よりも他の税金に目を向ける方が賢明かもしれません。

例えば、株式や投資信託などを売却して得た利益や受け取った配当などに対して約20%の税金がかかります。

この税金負担を抑えることに目を向けることができるでしょう。

個人投資家には様々な税制優遇制度があります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)などを最大限に活用することのほうが大切ではないでしょうか。


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