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中国の国家プロジェクトである「次世代AI発展計画」に参画する「BATIS」とは?

第4次産業革命といわれる人工知能(AI)分野の開発は、今後の世界経済の覇権を争う上で最も重要な分野であり、米中間の競争は激化してきています。

2018年から始まった米中貿易摩擦においても、知的財産の流出をアメリカが懸念したことから始まりました。

では、そこまでアメリカが懸念する中国企業の技術力は現状どうなのか、なぜ脅威と感じているのか気になる方は非常に多いと思います。

そこで、今回は中国の国家プロジェクトである「次世代AI発展計画」に参加する企業「BATIS」とは何なのか、なぜ中国企業に注目が集まっているのか詳しく解説していきたいと思います。

BATISとは

BATISとは、自動運転分野の百度(バイドゥ:Baidu)、スマートシティ分野のアリババ(Alibaba)、ヘルスケア分野のテンセント(Tencent)、音声認識分野のアイフライテック(Iflytek)、顔認識分野のセンスタイム(SenseTime)の5社の頭文字を取ったものであり、中華人民共和国の国家プロジェクト「次世代AI発展計画」で指定した5大プラットフォーマーのことを意味します。

中国のIT大手(BATIS)は、14億人の人口から得られる膨大なビッグデータを利用し、国家支援のもとブレイクスルーを目指しています。

急拡大する中国のAI企業。抑えておくべきはこの3銘柄

百度(バイドゥ:Baidu)

百度は、中華人民共和国で最大の検索エンジンを提供する企業であり、全世界の検索エンジン市場において、Googleに次いで第2位に位置します。

近年では、その技術を生かし、中国湖南省の長沙市人民政府および湖南湘江新区管理委員会と提携し、長沙市で自動運転タクシーを展開する。

バイドゥの自動運転開発プロジェクト「アポロ」を基盤として自動運転と車道を連携し、グローバルで模範となる自動運転都市を目指しています。

アリババ(Alibaba)

アリババは、中華人民共和国の情報技術などを行う会社で、企業間電子商取引 のオンライン・マーケットを運営しており、240余りの国家・地域にて5340万以上の会員を保有する会社です。

創業者である馬雲は、アメリカ検索サイト大手ヤフーの創業者ジェリー・ヤンやソフトバンクの孫正義と交流があり、アリババとソフトバンクグループは提携関係を結んでいます。

中国では、電子決済での国内屈指のシェアからビッグデータを活用しており、アリババ社は杭州市にてAIで都市を丸ごと管理統制する「都市大脳」(シティブレイン)計画で交通渋滞の解消や当局による犯罪容疑者の逮捕などにも貢献しています。

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テンセント(Tencent)

テンセントは、AIで取り組む戦略的事業領域として、ゲーム、ロボット、ヘルスケアの3つを挙げています。

人工知能の技術をヘルスケアの分野に活用するため、医療のナレッジグラフは最も重要なドライバーです。

いかに自然言語処理、知識抽出などの技術をうまく利用し、膨大な医療データから価値のある知見を取得できるのが鍵となっています。

このナレッジグラフを作成することで、医者が意思決定を行う際の支援ができるようになり、テンセントはAIを用いてヘルスケア分野に投資を行うことで、AI技術の応用を加速させようとしています。

テンセントが出資するWeDoctorでは、ビデオチャットを利用したオンライン診療サービス(Miying)を提供しており、中国全土に広がる病院を結び、ガンの早期発見に取り組んでいます。

また、このサービスでは、10秒以内に90%以上の精度で肺がんを検診できることから、放射線医師不足の解消にも一役買っています。

アイフライテック(Iflytek)

アイフライテック(科大訊飛)は、音声認識と、認識した音声を文章にする技術に強みを持ち、これに自動翻訳の機能を加えた製品で世界進出を目指しています。

中国科学技術部が推し進めるAIプラットフォーム発展計画において、音声認識分野を開発します。

アイフライテックが開発した翻訳機は、中国語を含む34の言語で発せられた音声を瞬時に翻訳するだけでなく、中国の4つの方言(広東語、河南語、四川語、東北語)も識別可能としています。

さらに翻訳機に内蔵されているカメラで紙に書かれた外国語の文字を撮影すると、母国語に翻訳してくれる機能も備えているのです。

また、アイフライテックの音声電子カルテは、医師がコンピュータに音声で指示を出すだけでカルテ作成を可能とし、さらに画像認識技術は、レントゲンやCTで撮影した画像のなかから、通常の医師であれば見逃してしまいそうな小さな病変も見つけ出すことが可能です。

センスタイム(SenseTime)

センスタイム社は、世界に先駆けてディープラーニング技術をコンピュータビジョンに応用し、顔認識技術で人間を超える性能を実現しました。

中国では、画像認識技術を使った社会全体のセキュリティーの強化策を掲げているので、そこでの需要拡大が期待できます。​​

画像認識技術は、セキュリティー分野・エンターテイメント分野・マーケティング分野・交通分野などの幅広い分野で活躍が期待できます。

華為技術(ファーウェイ)や北京小米科技(小米、シャオミ)などのスマートフォンに画像認識技術が生かされているほか、スマホを使った消費者金融向けサービスでは、スマホのカメラ撮影を通じて顔認証を行い、身分証明書の写真と同一人物かを判定する技術にも使われています。

自撮りアプリの「SNOW」も同社の顔認識機能が用いられており、エヌビディアやクアルコムとも提携を結び、AIチップの開発を加速させようとしています。

中国のAI企業に注目

現在、世界において米中がAIの技術覇権を争っている中、自動運転自動車の技術にしても、ビッグデータをどれだけ大量に蓄積できるかが勝敗を分けると言っても過言ではありません。

その点において、14億人の人口から得られる膨大なビッグデータが得られることが、中国のAI企業の成長を支えていますので、これは大きなアドバンテージとなります。

また、技術力においても、アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)が2017年に選出したグローバルスマート企業50でアイフライテックは6位、テンセントは8位とランクインし、インテル13位、アップル16位よりも上位に位置していますので、その実力の高さは世界基準です。

政府の援助では、もちろん助成金などの資金面での支援も魅力的であり、特例的な規制緩和により企業ごとに大胆な研究開発を推し進めることが可能なのです。

まとめ

以上より、中国の人口からくる膨大なビックデータの活用、中国政府による規制緩はと多額の支援、世界水準であるBATISの技術力という裏付けから、今後の中国市場がAI市場において世界を主導していくことは明らかであり、アメリカとの競争は今後さらに激化してくることが予測できます。

こういったことを考えると、中国株に投資する妙味はまだあると思いますので、興味のある方はいろいろと情報収集してみるのもいいかもしれません。


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