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ザイリンクス、次のエヌビディアの可能性

-ハイテク業界で進展しつつあるトレンドは、GPUメーカーにとって逆風となるかもしれません。ザイリンクスは、このトレンドの最大の受益者になる可能性があります-

モトリーフール米国本社、2019年2月21日投稿記事より

テクノロジーの世界では絶え間なく大きな変化が起こり、既存巨大企業のシェアが専門的なニッチ企業に奪われます。

このような動向が最近、NVIDIA(エヌビディア、ティッカー:NVDA)を巡って展開しています。同社のGPU(画像処理半導体)は、その効率性により画像処理にはなくてはならないものとなったため、過去数年間はハイテク株の中で最もパフォーマンスの良い株式になりました。

しかし、そんなエヌビディアも現在は押されています。同社株は2018年の最後の3カ月間に50%以上下落しました。これは2019年度第4四半期(2018年11月~2019年1月)の見通しの下方修正や、中国における需要の減速により、アナリストが徐々に予想を下方修正させているためです。

私もエヌビディアの難局が続くと考えていますが、別の理由からです。エヌビディアにとって最も重要な成長市場の一つが、クラウドコンピューティング用のデータセンターです。しかし、私は、この市場においてFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ、回路の書き換えが可能な集積回路)がGPUに取って変わる可能性が高い、と考えています。もしそれが実現すれば、エヌビディアの高度成長の日々は過去のものとなる可能性があります。

では、どんな企業が台頭するのか?私は、業界の最新動向を収益化する上で極めて良好な立場にあるザイリンクス(ティッカー:XLNX)が、注目すべきハイテク株であると考えています。そしてそれは、投資家に対する大きなリターンを意味します。

FPGAの時代

FPGAは、ロジックプログラミングの変更が可能な集積回路であり、それはつまり、ソフトウェアの要件変更に対応できることを意味します。これはマシンラーニング(機械学習)に好適です。マシンラーニングでは、パフォーマンスを最適化させるために、AI(人工知能)のアルゴリズムを常にトレーニングして修正しているからです。

ザイリンクスは、30年前にFPGA技術を開発し、今日に至るまで同技術にフォーカスしている大企業2社の一つです。もう1社はインテル(ティッカー:INTC)で、同社は2015年にアルテラを167億ドルの巨費で買収して、FPGAに参入しました。つまり、半導体で世界第2位の巨大企業が、FPGAの重要性を認識していたのです。

インテルは膨大な研究開発予算を持つ大企業であり、FPGAの中で最も手強いプレーヤーになるかもしれない、と考えられるかもしません。しかし、インテル内には、データセンターで競合する幾つかのプロダクトラインがあり、アルテラ部門は、他のプロダクトに対抗するには十分ではない可能性があります。

その点、ザイリンクスは、FPGAに徹底的に集中しています。ハードウェアは、FPGAのために設計され、最適化されており、同社は、さらに開発ユーザーが使いやすい態勢を整えています(いわゆる「エコシステム」を開発)。

ニッチ企業から巨大なプレーヤーへ

Adaptive Compute Acceleration Platform(ACAP)と呼ばれるエコシステムの成功が、極めて重要になります。ザイリンクスは、「業界で最も動的な処理テクノロジー」により、アプリケーションとハードウェアの完璧な適合を目指しています。アマゾン・ドットコム(ティッカー:AMZN)のような大規模クラウドベンダーにとっては、これはウェブサービス部門(ザイリンクスの顧客です)において、アプリケーションのパフォーマンスを最大化し、一方でデータセンターの電力コストを最小化することを意味します。

しかし、これは技術的には簡単ではありません。ユーザーの開発者がハードウェアではなくソフトウェア開発に専念するためには、ザイリンクスの側で、プログラミング抽象化のために膨大なプログラムを組む必要があります。

しかし、FPGAの最適化されたパフォーマンスがあれば、それに貢献する可能性があります。FPGAは、GPUよりもはるかに効率的で柔軟性に優れているため、長期的なデータセンターのポテンシャルは、ザイリンクスにとって大きなチャンスです。FPGAの強みを活かすことができれば、ザイリンクスはニッチなハードウェア企業から、クラウドコンピューティングの最適化において巨大なプレーヤーへと変貌する可能性があります。

ザイリンクスのポテンシャル

データセンターのポテンシャルを定量化してみましょう。

データセンター市場は、現在のザイリンクスにとって大きいものではありません。データセンター市場の現在の年間売上高は6億ドルほどで、ザイリンクスの全売上高の約5分の1ほどです。

ザイリンクスは、同社が関係している全ての市場は年間13%で拡大し、合計額は2019年度の140億ドルから2023年には230億ドルに増加するとみています。これはかなりの成長率ですが、際立ったものとは言えません。

しかし、データセンターのポテンシャル(特にパブリッククラウドで使用されるプログラマブル・ロジック・ハードウェア・デバイス)は、はるかに大きく拡大するとザイリンクスは予想しています。IHS Markit(情報サービス会社)とザイリンクスは、このニッチ市場は年間67%増加を続け、2019年度の6億ドルから2023年度には46億ドルに成長すると予想しています。

ザイリンクスは、この巨大な追い風を最も享受できるでしょう。同社の「データセンター第一」戦略により、大手クラウドベンダーにおけるGPUと特定用途向けチップが駆逐されるとの見方があります。

前述のように、FPGAは寡占化されており、ザイリンクスは、2017年度末時点で59%の世界市場シェアを有していました(インテルがその他の41%を保有)。その市場シェアがデータセンターでも当てはまる場合、2023年度のデータセンター部門の売上高は27億ドルに達し、総売上高に貢献する可能性があります。

結論

クラウドサービスとAIサービスは、どちらもまだ極めて初期段階にあります。企業は、AIアルゴリズムを作成するために、いかに新しいソフトウェア言語を使用するのかを日々学習しています。AIを理解し活用する企業は、洞察をつきとめ、強力な競争優位性を確立できるでしょう。そして、そういった企業が新しいAI時代の先駆者になるでしょう。

しかし、舞台裏では、このAI動向の真の主役は、データセンターのハードウェアチップになります。チップは、洞察を突き止めるために、絶え間なく全データを処理しています。リアルタイムの意思決定のためには、迅速な対応と処理が必要です。当初は、消費者向けアプリケーションでも有効かもしれませんが、進展していくと、高度で高額なアプリケーションがクラウドに移行するようになるでしょう。ですから、FPGAの優位性は、さらに多くの事業機会を見いだすでしょう。

ザイリンクスは、このトレンドに完全に乗っており、データセンターへのFPGA採用を最大限に活用する態勢を整えています。ザイリンクスには長期的な成長ストーリーがあるため、長期投資家は同社株に注目すべきでしょう。


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