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機関投資家が用いる手法「アルゴリズム取引」を理解しよう。今後は規制がなされる可能性も?

近年よく新聞やニュースなどのメディアで話題となるアルゴリズム取引。

アルゴリズムを用いたHFT(高速取引)のマーケットに及ぼす影響は非常に大きく、株式市場においても、指数の日中の振れ幅が数年前と比べ異常なほど拡大しました。

公正な取引という観点においても、世界各国でマーケットの公平性を歪めていると問題視され、規制強化の動きが活発になってきています。

では、実際にこのアルゴリズム取引とはいったい何なのか、その特徴とメリット・デメリットなど詳しく解説していきたいと思います。

アルゴリズム取引とは

アルゴリズム取引とは、あらかじめ決められたプログラム(アルゴリズム)を株式の売買やデリバティブ取引等に応用したものです。

1秒に満たないミリ秒単位のような極めて短い時間の間にアルゴリズムを利用して注文の発注や変更・取消しなどを高速かつ自動的に行う、いわゆるHFT(High Frequency Trading)が世界中の話題となっています。

アルゴリズム取引のメリット

ミリ秒単位での注文を発注できる

アルゴリズム取引では、ミリ秒単位のような極めて短い時間の中で売買注文を高速で行うことができるため、一分一秒を争う投資の世界においてその優位性は計り知れません。

通常、人の手で売買を発注する時は、様々な条件を発注画面に入力する必要があるので、投資判断決定から発注までには数秒のタイムラグが発生します。

その間にアルゴリズムは数えきれないほどの注文を発注、待機させることが可能なので、気づいたら値段が大きく動いていたということはよくあります。

投資判断はプログラムが自動で行う

アルゴリズム取引では、あらかじめ決められた条件をプログラムすることで、それに沿った投資判断をコンピューターが自動で行います。

人の感情による判断の遅れや誤りをなくすことができ、それを人では不可能な速度で連続して行うことが可能となっています。

アルゴリズム取引のデメリット

アルゴリズム取引のデメリットの最たるものは、高速取引により日中値幅が拡大してしまうことです。

世界各国で問題視されていることであり、日経平均でも好悪材料に反応し日中値幅が数年前と比べ数百円動くことが日常的にみられるようになりました。

人では不可能な速度で大量に注文を出せること自体が不公平であると言われているので、公正で健全な取引という考え方でいくと、健全な取引ではないと言われています。

実際、HFTの不正利用により刑罰が科せられた事案も存在します。

また、アルゴリズム取引は、コンピューターがあらかじめプログラムされた条件で売買を繰り返し発注しますが、そのプログラム自体は人の手で作られたものです。

何かしらのシステムトラブルが起きた場合、復旧までに時間を要する可能性がありますので、デメリットといえます。

アルゴリズム取引は規制される?

アルゴリズム取引における規制強化については、世界各国で議論されています。

欧州では、2018年1月からアルゴリズム高速取引を行う投資家を登録制とし、実効的な体制整備・リスク管理義務や当局に対する通知・情報提供義務を課されるようになりました。

また、米国でも先物市場において直接電子アクセスを利用してアルゴリズム取引を行うプロップファームに新たに登録義務を課し、欧州類似の体制整備・リスク管理義務や当局に対する情報提供義務を課す規制が導入されるそうです。

日本においても、金融庁を中心にその規制の枠組み造りが検討されていますが、日米ではマーケット構造が大きく異なるため、欧米の規制をそのまま導入すれば様々な問題や余計なコストがかかってしまう可能性があります。

しかし、世界共通のルールを作るうえでは、我が国における規制はある程度欧米市場におけるそれと足並みをそろえていかなければいけないでしょう。

個人でアルゴリズム取引を始めるには

個人でアルゴリズム取引をするには、アルゴリズムを組み立てるためのプログラミングスキルであったり、高額な機材が必要となるため、機関投資家向けの取引といえます。

実際、2018年10月9日時点において日本で高速取引利用者として10社が登録されていますが、いずれも外国法人で個人の登録はありません。

しかし、どうしてもという方は、楽天証券などネット証券で、ある注文が約定したら、別の発注をして、その発注も約定したら、さらに別の発注という連続注文をすることが可能です。

あくまでもほんの一部の機能しかありませんので、劣化版ですね。

まとめ

以上より、アルゴリズム取引は、資力があり設備を十分に整えることができる機関投資家にしか使うことができない手段といえます。

このHFTが猛威を振るうのは、悪材料により市場が大暴落した時であり、これにより売りが急加速し歯止めがきかないケースがあります。

実際、日経平均では日中値幅1000円を超えたりしたこともあります。

この時にHFTは大量に売り買い注文を流して利ザヤを稼ぎに来ますので注意が必要といえます。

しかし、公正な取引という点において規制が今後さらに強化されてくると考えられますので、将来的にはその優位性は薄れてくるものと考えられます。

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