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株式の値幅制限を正しく理解しよう。ストップ高・ストップ安について解説

米中貿易摩擦により株価が乱高下し、主力銘柄の商いが細る中、利益を求め材料株の商いがここもと増えてきました。

直近では、サンバイオという企業の新薬開発に関するニュースが話題となり、株価乱高下したのも記憶に新しいと思います。

しかし、過度な値動きはあまり好ましいものではなく、逆に悪影響を及ぼす可能性があります。

そこで、今回はこういった値動きを抑止する制度である値幅制限、ストップ高・ストップ安について、その特性と特例など詳しく解説していきたいと思います。

株式の値幅制限とは?

値幅制限とは、株価の異常な暴騰・暴落を防ぐために、株価が1日に変動できる上下の幅を制限する措置のことを言います。

これにより、投資家の恐怖感・過熱感が和らげられパニック売りなど正常な判断力の失われた取引を抑制する心理的な効果が期待できます。

ストップ高・ストップ安

値幅制限とは、前述の通り、株価の異常な暴騰・暴落を防ぐための制限措置であり、この値幅制限の上限まで株価が上昇することをストップ高、下限まで下落することをストップ安といいます。

また、ストップ高・ストップ安のまま取引が引けた場合は、そこで株価を留めたまま一日置くことで過熱した投資家心理をクールダウンさせる効果が期待できます。

値幅制限は前日の終値によって異なる

値幅制限は、前営業日の終値を基準株価とし、この基準株価から1日に変動できる上下の幅を決定されます。

下記表は、その時の基準株価に対していくらの制限値幅が適用されるのかを表しています。株価が大きくなればなるほど制限値幅も拡大していきます。

基準株価 制限値幅
100円未満 30円
100円以上 200円未満 50円
200円以上 500円未満 80円
500円以上 700円未満 100円
700円以上 1,000円未満 150円
1,000円以上 1,500円未満 300円
1,500円以上 2,000円未満 400円
2,000円以上 3,000円未満 500円
3,000円以上 5,000円未満 700円
5,000円以上 7,000円未満 1,000円
7,000円以上 10,000円未満 1,500円
10,000円以上 15,000円未満 3,000円
15,000円以上 20,000円未満 4,000円
20,000円以上 30,000円未満 5,000円
30,000円以上 50,000円未満 7,000円
50,000円以上 70,000円未満 10,000円
70,000円以上 100,000円未満 15,000円
100,000円以上 150,000円未満 30,000円
150,000円以上 200,000円未満 40,000円
200,000円以上 300,000円未満 50,000円
300,000円以上 500,000円未満 70,000円
500,000円以上 700,000円未満 100,000円
700,000円以上 1,000,000円未満 150,000円
1,000,000円以上 1,500,000円未満 300,000円
1,500,000円以上 2,000,000円未満 400,000円
2,000,000円以上 3,000,000円未満 500,000円
3,000,000円以上 5,000,000円未満 700,000円
5,000,000円以上 7,000,000円未満 1,000,000円
7,000,000円以上 10,000,000円未満 1,500,000円
10,000,000円以上 15,000,000円未満 3,000,000円
15,000,000円以上 20,000,000円未満 4,000,000円
20,000,000円以上 30,000,000円未満 5,000,000円
30,000,000円以上 50,000,000円未満 7,000,000円
50,000,000円以上 10,000,000円

値幅制限の特例措置

上記では、一般的な値幅制限の範囲について解説しましたが、何事にも特例というものが存在します。

経済情勢や新規公開などのイベントが発生する時に適応されます。

値幅制限の拡大

株式が極端に買われているか、極端に売られている場合に値幅制限の拡大が行われる場合があります。

東証では、下記の条件がすべて満たされた場合、値幅制限が拡大されます。

  • 3営業日連続で、ストップ高 または ストップ安が続く
  • 3営業日連続で、ザラ場中の出来高がない
  • 3営業日連続で、比例配分がない

上記条件を満たして3日連続ストップ高となった場合、上限値幅のみ2倍に拡大され、3日連続ストップ安の場合は、下限値幅のみ2倍に拡大されます。

この拡大措置は、ザラ場中に出来高があった日の翌営業日から解除され、通常の値幅制限に戻されます。

値幅制限の縮小

社会情勢や金融危機などにより市場の大暴落が予想されるときには、値幅制限の縮小といった臨時措置がとられる場合があります。

(例)アメリカ同時多発テロ事件が発生した翌日の2001年9月12日より3日間、東証の値幅制限が当時の通常値幅の2分の1に縮小された。

新規上場銘柄

新規上場銘柄(IPO)においては、上場初日は公募価格を基準価格とし、その基準価格の4倍を上限、基準価格の1/4倍を下限として制限されます。

上場初日に初値がつかなかった場合は、その日の最終気配値を基準価格とし、翌営業日も上記と同様の制限が発動されます。

初値がついた時点で上記の値幅制限は終了し、初値を基準価格とした通常の値幅制限が適用されます。

整理銘柄

経営破綻や、重大な不祥事により整理銘柄に指定された銘柄は、指定された日の翌々営業日より、下限値幅のみ撤廃される措置がとられます。

この撤廃措置は、最初に約定した日の翌営業日に解除され、通常の値幅制限に戻されます。

サーキットブレーカー制度との違い

ストップ高・ストップ安とは、極端に売買注文が片方に偏ることで制限値幅いっぱいに株価が振れ、取引がいったんストップする状態を言います。

これは、あくまでも売買の需給関係に依存するので、投資家の動向次第で状況が変わります。

一方、サーキットブレーカー制度とは、株式市場などでは、売りが売りを呼んで下落が止まらない場合、値動きが一定の幅になったら取引を強制的に止め、投資家に冷静になってもらう目的で設けられた制度のことを言います。

これは、取引所で定められたルールであり、先物価格が毎月設定される一定の変動幅を超えて上昇または下落した場合、取引を5分間中断する措置がとられます。

また、日本のサーキットブレーカー制度は、先物とオプションにのみ適用され、現物株式は対象外とされています。

まとめ

以上より、ストップ高・ストップ安の値幅について詳しく知らない方は、その状況ごとにどういった措置が取られるのか十分に理解しておく必要があります。

ストップ取引は連日で続くケースがあるので、その日の取引中の板の状況を把握し、売り板が厚すぎたら次の日の制限値幅はいくらなのか、いったん売却すべきかの検討に踏み切ることができます。

逆にストップ高ならば、売却が早すぎてしまうというリスクを避けることができますので、必ずポイントは押さえておきましょう。


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