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外国人投資家が注目する「ROE」とは何なのか?ROAとの違いも詳しく解説

出典:Getty Images

株式の世界は様々な単語や数字で構築されています。

どの情報を重要視し、どの数字を注目すればいいのか分かりにくいですよね。

そんな中、外国人投資家が注目するROEという数字をご存知でしょうか。

ROEはアメリカやドイツといった、外国人投資家が株を購入する際に重要視する数字で、企業の力を計る物差しとなります。

日本では2014年に話題になり、株を購入する際の目安になると注目されるようになりました。

今回はそんなROEとは何なのか、詳しく解説していきます。

ROEが企業のどんな力を測る物差しなのか、どうして外国人投資家が注目するのか、ROAとの違いなども解説していきます。

この記事を読めば、ROEに関する知識が身に付き、株式の世界がより詳しく理解できるようになるはずです。

ROEとは?

ROEとは、企業が株主から集めた資産をどれだけ効率よく運用できているのかを知るための目安です。

Return On Equityの略称で、日本語に訳すると自己資本(株主資本)利益率となります。

企業は自社で発行した株を売買し、銀行などから借金をして得た資産で事業を行います。

株の売買で得た資本を自己資本、借金などで得た資本を他人資本と呼びます。

事業を行い得た収益から、他人資本と利子、税金を差し引いた利益が株主に支払われます。

この時の、一株当たりの利益の割合がROE=自己資本利益率となります。

企業が自己資本をどれだけ有効に活用して利益を上げているかを示す指標で、アメリカの投資家達が最も重要視している財務指標となっています。

ただし、ROEが高いからといって、安定した企業・優良な企業とは限りません。

ROEの計算方法

ROEの計算方法は、

ROE=当期純利益÷自己資本

となります。

または、

ROE=EPS(一株当たり利益)÷BPS(一株当たり純資産)

となります。

例えば、当期純利益が1億円で、自己資本が10億円の企業があったとします。上記の計算式に当てはめると、

1÷10=0.1

となり、ROE=10%となります。

業種によって違いますが、ROEが8%以上だと投資する価値があると言われていますが、10%、20%という高い数字に惑わされないようにしましょう。

というのも、前述したようにROEが高くても、信頼して投資が出来るのかは別なのです。

例えば、総資産が30億円の企業が2つあり、どちらも2億円の当期純利益を上げたとします。

A社は自己資本が10億円なので、

2÷10=0.2

と、なるためROEは20%となります。

一方でB社は自己資本が20憶円なので、

2÷20=0.1

と、なるためROEは10%となります。

ROEだけを比べたら、A社の方が収益率の高い企業に見えますが、総資産30億円に対して自己資本が10億円のため、他人資本=負債が20億円ある企業となります。

いくらROEが高くても、総資産の3分の2が負債の企業では安定しているとは言いがたいです。

借金が多い企業が、すぐに潰れるとは言いません。

しかし、不景気になり銀行が負債の回収をするようになると大ダメージとなり、そのまま倒産する可能性は十分考えられます。

日本企業の平均ROE

2018年5月の日経新聞によると、日本企業の平均ROEは10.4%に達したとの事です。

2017年時点での予想ROEが8.9%だったことを考えれば、2ポイントの上昇となります。

2008年に起きたリーマンショックから、時間をかけて順調に回復したと思われますが、実は外国と比べると日本企業の平均ROEは高くありません。

参照:みずほ証券

米国企業の平均ROE

米国企業の平均ROEは、2017年時点での予想だと16.5%となっています。

単純計算でも日本の予想ROEの2倍近い数字となっています。

なぜこれほど開きがあるのかというと、理由の一つに売上高純利益率が低い事が挙げられます。

日本の売上高純利益率が5.5%と予想されるのに対して、米国企業は10.8%となっており、仮に同じだけの資産を投入しても利益が倍近く違うとされています。

また、日本企業は安定志向を望む性格をしているからと分析されています。

前述のようにROEとは、事業を行って得た利益を株主に分配する割合となります。

日本企業は稼いだ利益を株主に返さず、企業内部に溜めこむ傾向があり、これらの要因もあってROEが伸びないのではと考えられています。

対して米国企業は、借入(他人資本)を大幅に増やす事で、大きな売上高や利益を上げてROEを伸ばす傾向にあります。

そのため、ROEが高くても負債が大きいというケースが多々あり、倒産するリスクが高いです。

参照:みずほ証券

海外投資家はROEを重視する

海外の投資家はROEを重要視しています。

ROEが高ければ、企業の収益力が高いという証明になり、株価が上がるチャンスだと考えるためです。

そのため、企業は負債を増やしてでも売上高を伸ばし、ROEを上昇させることで株を買ってもらう、というのを基本的な経営戦略となしています。

一方で日本の投資家はROEをあまり重要視して来ませんでした。

日本人の中に安定志向を望む声が多いのか、負債を抱えてまで売上高を伸ばすというのを良しとしない、精神的な思想があります。

実際、ROEの平均がずっと横ばいなのも、日本企業の多くが負債を増やさずに自己資本を中心に経営をしてきた結果だという見方もあります。

しかし、2014年に発表された『伊藤レポート』と、2017年に政府が発表した『未来投資戦略2017』で、ROEとROAは注目を浴びるようになりました。

ROEとROAの違い

ROEと似ているROAの違いについて把握しておきましょう。

ROAとは?

ROAとは利益を総資産で割って算出した数字になります。

この場合の資産とは自己資産だけでなく、他人資産、現金なども含まれます。

そのため、企業が全ての資産を使って上手く利益を生みだしているかの指標となります。

ROEとの違い

ROAはROEと同じく、資産を使ってどれだけ効率よく利益を上げているのかという指標です。

しかし、ROEは自社株を買ったり、増配して自己資本を減らすといったテクニックを駆使すれば数字を誤魔化せるという欠点があります。

元々、ROEは企業が収益を上げているかどうかを見極めるための物差しだったのですが、現在ではその企業の正しい指標なのか不透明な部分が出てきてしまっています。

そのため、日本政府は企業の収益力をきちんと計る為に、利益を自己資本だけでなく他人資本を含めた総資産で割るROAを重要視するようになったのです。

ROEを見れば企業の稼ぐ力がわかる

ROEは完璧とまでは断言できませんが、企業の稼ぐ力を計る物差しです。

その企業の株を購入した場合、どれだけ利益が還元されるのか、将来的に株価が伸びるかどうかの目安になります。

だからといって、ROEが高い企業の株を購入するのは危険です。ROEが高いからといって、優良企業とは限りません。

まとめ

以上がROEの解説になります。

株式の世界は様々な単語や数字で構築されています。

最初は難しく感じるかもしれませんが、一つずつ学んでいくと、企業の動向や経済全体の流れが見えていくようになります。

今回の記事を読んで、株式に興味を持たれたら幸いです。

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