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【米国個別株動向】フォード、苦境の海外部門を立て直しへ

モトリーフール米国本社、2019年2月25日投稿記事より

―2018年通年の業績を見れば、フォードの問題点は明白です。果たして戦略は事態好転に十分でしょうか?―

フォード・モーター・カンパニー(ティッカー:F、以下「フォード」)の利益水準は依然高く、10年前より財務は安定していて、現金や流動性の水準は目標を上回っていますが、それでも2018年は間違いなく厳しい年となりました。

通年では、70億ドルの調整後税引前利益、調整後1株当たり利益、調整後営業キャッシュフローの全てが、前年を下回りました。

さらに悪いことには、過去3年間にゼネラルモーターズ(ティッカー:GM、以下「GM」)の株価が37%上昇したのに対し、フォードは28%下落しています。

2018年第4四半期および通期決算を振り返り、問題がある分野を挙げます。

フォードの業績の足を引っ張っている3つの海外部門について、問題点と解決策を説明します。

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欧州におけるブレグジットの苦悩

GMは、数十年にわたる苦闘と数百億ドルの損失の後、白旗を掲げ、欧州事業を売却しました。

一方、フォードは、依然欧州事業に取り組んでいます。

2017年には欧州で3億6,700万ドルの税引前利益をあげましたが、2018年には一転して3億9,800万ドルの損失になりました。

SUVへの注力は奏功し、2018年の欧州におけるSUV売上高は19.3%増となりましたが、生産および原料コストの上昇および為替効果に相殺されました。

フォードは、欧州で多くの適切な対応をとってきています。

商用車ではトップブランドですし、利益率の高いSUVおよび乗用車を展開し、高級車の売上も増加しています。

しかし、更なる対応が必要で、現在ロシア事業を戦略的に見直しています。

加えて、乗用車ラインナップの見直し、利益率の高い市場への集中、人件費および構造的コストの削減、利益率の低い自動車の改善および排除、といったソリューションがあります。

また、フォードは引き続き英国のトップブランドであるため、ブレグジットの行方と為替変動が業績に大きく響いています。

投資家は、引き続きフォードのリストラ計画を注視するでしょう。

アジア太平洋地域の急落

フォードの最大の問題の一つである中国は、税引前指標では不明確になっています。

中国はアジア太平洋地域に含まれているからです。

中国市場単体で見ると、フォードは2017年には1億5,200万ドルの税引前利益を挙げましたが、2018年には一転して15億4,000万ドルの損失に落ち込みました。

中国の問題は、その大半は、市場環境の変化ではなく、経営問題に帰するため修復が可能であり、為替変動の逆風に見舞われた欧州とは異なります。

「中国は、フォードにとって世界的に絶対に不可欠です。

フォードの経営陣は、中国事業の変革の緊急性と重要性を十分に理解しています」とフォード・チャイナ社長兼CEOのアニング・チェンはプレスリリースで述べています。

中国のおけるフォードの問題は単純です。自動車ラインナップが古くなり、競争力が低下しているのです。

フォードは、2025年までに50以上の新型車を投入する計画で、2019年だけでも10車種を発表する予定です。

新車投入に加えて、フォードは現地生産を拡大するため、中国の輸入関税関連のコストを削減できるでしょう。

南米地域の再構築

南米地域が引き続きフォードの全般的な業績を圧迫しています。

フォードは2018年に南米地域の税引前段階の損失を7,500万ドル改善しましたが、それでも損失合計額は6億7,800万ドルと依然巨額です。

フォードは最近、南米地域における大型トラック事業から撤退すると発表しました。

これは、世界的な事業再構築における重要な一歩です。

このため、フォードは4億6,000万ドルもの税引前特別引当を計上しますが、これによって南米地域のビジネスは持続可能で利益があがるものになるでしょう。

フォードはさらに、過去数ヶ月の間に、人件費と管理費を20%以上削減しています。

また、フォードは、フォルクスワーゲンとの世界的提携を進めており、商用車や中型のピックアップトラックの開発を共同で行っています。

フォードの事業再生はうまくいくでしょうか?

上述してきましたように、フォードの問題は海外にありますが、各地域で対応が進んでいます。

海外における厳しい状況は続き、事態が改善されるまでは時間がかかりそうです。

それでも、フォードは過去の景気後退局面を乗り越えてきており、多くの逆風や懐疑論にもかかわらず、事業再生能力は確かにあるでしょう。


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