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【米国株動向】中国株投資のリスクを改めて考察

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2021930日投稿記事より 

不動産大手のエバーグランデ・グループ(恒大集団)の経営危機が明るみになったことで、中国株投資のリスク、そして中国市場と世界経済とのつながりが、改めて注目されています。

同社が8,300億ドルの利払いを見送ったというニュースを受け、ダウ工業株30種平均指数(NYダウ)(DJINDICES:^DJI)は数日間で900ポイントほど下落しました。

その後、中国政府がこの問題に積極的に関与する姿勢を見せたことでNYダウは元の水準に戻りましたが、共産党指導部が主導する幅広い業種での企業締め付けが中国株投資家を不安にさせています。

出る杭は打たれる

昨年アリババ(NYSE:BABA)の創業者ジャック・マー氏が、規制当局は企業のイノベーションを妨げているとして公然と批判を繰り広げると、中国政府は速やかに対応しました。

アリババ傘下のアント・フィナンシャルは上海と香港で予定していた新規株式公開(IPO)に待ったをかけられ、当局の「大きな問題」があるという指摘により、上場は白紙に戻されました。

さらにアリババは、百貨店チェーンのインタイム・リテール・グループの持ち分引き上げ時に当局の承認を得なかったとして、50万元(約860万円)の罰金を科されています。

一方、ゲーム動画配信大手のフヤとドウユ・インターナショナルの合併計画は、フヤの親会社テンセントが同市場で独占的な地位を築くことになると判断され、今年7月に却下されました。

締め付けの範囲が拡大

規制当局の介入は強まるばかりで、産業界を改めて管理下に置こうとする政府の取り組みは、ハイテク業界以外にも及んでいます。

ニュー・オリエンタル・エデュケーション・アンド・テクノロジーやガオトゥー・テクエデュなどのオンライン教育会社は、利益を上げることを禁止されたほか、国外資本による株式の取得を制限されました。

一方、フル・トラック・アライアンス、カンジュン、UPフィンテック・ホールディングなど、最近米国で上場した中国企業は、これから上場を検討する企業への牽制として、厳しい監視の下に置かれています。

そして最近では、中国が独自のデジタル通貨を開発するにあたり、消費者を民間の金融サービスプロバイダーから切り離すために、仮想通貨取引を全面的に禁止しました。

投資家が留意すべきは、こういった措置によってマイナスの影響を受けるのはこれらの中国株だけでなく、製品、資材、さらには売上の面で中国への依存度が高い米国企業もリスクにさらされるということです。

カジノ関連が苦境に

ラスベガス・サンズ、MGMリゾーツ、ウィン・リゾーツなどの世界的な統合リゾート運営会社は、コロナ禍によってマカオに観光客が入れなくなったことで大きな打撃を受けました。

最近になって観光客が戻り始めたものの、マカオのカジノ事業月次売上はまだ低調です。

その上、マカオで営業するリゾート運営各社は営業権(コンセッション)の更新プロセスに入っているところですが、国内事業者の参入が増えても、営業権の付与期間がこれまでの半分になる可能性もあります。

規制変更があった場合に特に影響を受けるのは、売上と利益の3分の2以上をマカオで得ているサンズ、ウィン、メルコ・リゾーツ・アンド・エンターテインメントで、なかでもサンズは今年に入って米国で所有していた資産を全て売却し、アジア事業に特化しています。

逆に最も影響を受けにくいのは、収益の大半を米国で得ているMGMリゾーツです。

リスキーな投資

投資家にとって、幅広い業界を対象に投資する場合、中国はあまりにも不透明かつ危険な市場になる可能性があります。

検索大手のバイドゥやeコマース大手のJDドット・コムなど、政府にうまく取り入っているように見える企業もあるものの、次に地雷を踏む企業を見極めるのは難しくなっています。

現時点で中国は投資を回避すべき市場というわけではありませんが、すでにリスク許容度が高い投資家にのみ適した市場だと言えるでしょう。

ハイリスクを受け入れられる場合も、銘柄選定には慎重に行う必要があり、堅実な企業にだけ投資するのが得策かもしれません。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Rich Dupreyは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、アリババ・グループ・ホールディングス株、百度株、JD.com株、テンセント・ホールディングス株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、ニュー・オリエンタル・エデュケーション・アンド・テクノロジー株を推奨しています。
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