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マーケットメイク制度とは?取引のために知っておきたい3つのこと

マーケットメイクとは、出来高が少ない銘柄でも円滑に取引できるようにするための制度です。

海外の金融・証券取引所では多く取り入れられている制度ですが、日本ではあまり普及していません。

しかし、2018年の夏から国内ETFにマーケットメイク制度が導入されました。

ETFは株式市場に上場している投資信託です。

少額から国内外の多くの株式・債券・商品・不動産に投資できることから、人気が高まってきています。

ただ、一部の銘柄では出来高が少なく、思ったような値段で売買することができませんでした。

そこで、ETFにもマーケットメイク制度が導入されたのです。

今回は、マーケットメイク制度の仕組みについて具体例を交えながら詳しく解説していきます。

それでは、国内における売買制度から見ていきましょう。 

取引所における2つの売買制度

取引所における売買制度には次の2つがあります。

  • オークション方式
  • マーケットメイク方式

それぞれ詳しく解説します。

オークション方式は株式市場で採用されている代表的な制度

オークション方式とは、東京証券取引所などで採用されている株式の売買方法です。

多数の売り方、買い方が同時に参加できる競争売買で値段を決めていきます。

値段を決める際は、次の3つの法則があります。

  • 成行優先の原則

同じ値段、同じ時間の場合、成行注文のほうが指値注文より優先

  • 価格優先の原則

買い注文の場合にはより高い値段、売り注文の場合はよい低い値段が優先

  • 時間優先の原則

同じ値段で売りたい、あるいは買いたいという注文が複数あった場合は、早くだされた注文が優先

オークション方式では、売り注文と買い注文の条件が一致すると売買が成立します。

ただ、出来高が少ない銘柄や、売り買いどちらかに偏っている場合には売買が成立しにくく、注文ができないことがあります。

そのような銘柄のために導入されているのが「マーケットメイク方式」です。

マーケットメイク方式(MM方式)は流動性を供給する仕組み

マーケットメイク方式とは、取引所から指定されたマーケットメイカー(証券会社や銀行など)が常に「売り気配」と「買い気配」を提示して、相対取引で売買を成立させる方法です。

相対取引とは、マーケットメイカーと投資家が直接取引をすることです。

出来高が少ない銘柄などで有効とされ、流動性を供給する目的で導入されています。

流動性とは、どのような相場の動きに対して売りも買いも注文が成立しやすい状況のことです。

以下の図をご覧ください。

流動性が高い銘柄と低い銘柄のイメージ図です。

流動性を見るポイントは、売り気配と買い気配の差である「スプレッド」と取引可能な「注文数量」です。

どちらの銘柄も株価が1,000円で、売買単位は100株とします。

A銘柄のスプレッドは「1,001円―1,000円=1円」

B銘柄のスプレッドは「1,010円―990円=20円」

と大きな開きがあります。

  • 100株購入する場合

流動性が高いA銘柄は1,001円で買えますが、流動性が少ないB銘柄は1,010円で買わなければなりません。差額9円分が余計なコストとなります。

  • 1,000株購入する場合

A銘柄は同じく1001円で購入することができますが、B銘柄では、1,010円で200株、1,018円で300株、1,031円で500株とさらに高値で購入する必要があります。

このように流動性が低い銘柄では、株数や金額が増えるほど余計なコストがかかってしまいます。

B銘柄では市場参加者の増加が見込めません。

では、マーケットメイク制度が導入されたらどうなるのでしょうか。

B銘柄の例で見てみましょう。

マーケットメイカーが「売り気配」、「買い気配」を提示することにより、スプレッドが狭まっていることがわかります。

マーケットメイカーは銘柄や発注数量、スプレッドの幅といった義務を負っています。

その見返りとして、取引所は手数料の割引きなどのインセンティブ(動機)を与えているのです。

マーケットメイク制度によって流動性がつけば、投資家が売買しやすくなり取引量が増えます。

取引量が増えればマーケットメイカーも収益を上げることができ、取引所も恩恵を受けることになります。

マーケットメイク制度を採用している市場

かつては、ジャスダックが1998年12月より市場活性化のためにマーケットメイク制度を採用していましたが、取引システムを統合するために2008年3月に廃止となりました。

現在、国内でマーケットメイク制度を採用しているのは、以下の取引所です。

  • 東京金融取引所の取引所為替証拠金取引(くりっく365
  • 東京金融取引所の株価指数証拠金取引(くりっく株365 
  • 大阪取引所の先物・オプション
  • 東京証券取引所の上場投資信託(ETF

2018年7月からマーケットメイク制度が導入されました。

現在は109銘柄(2019年1月4日時点)が対象銘柄となっています。具体的な銘柄は以下をご覧ください。

マーケットメイク対象ETF一覧(東証マネ部)

マーケットメイク導入後は、日本株式ETFは1,000万円前後、外国株式・債券ETFは500万円程度であれば、一度に売買しても流動性のコストが大きくならないようにしています。

まとめ

今回の記事をまとめると以下のようになります。

  • 取引所における売買制度は「オークション方式」と「マーケットメイク方式」の2種類
  • マーケットメイク方式は、円滑な売買のために流動性を供給している。
  • マーケットメイク方式を採用しているのは、東京金融取引所、大阪取引所、東京証券取引所の3つで、特に東京証券取引所のETFは注目を集めている。

マーケットメイク制度の大きな意義は、市場に流動性を供給し、投資家の資産運用の選択肢を増やすことです。

これまで、出来高が少なくて取引を諦めていた銘柄でも取引できるようになります。

特にETFでの採用銘柄数は今後も増えていくでしょう。

この記事が新たな資産形成のきっかけになれば幸いです。


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