The Motley Fool

今年下半期、東証一部の株式非公開化が増える?

コロナウイルス 投資
出典:Getty Images

やや大胆予想です。これから12月ぐらいにかけて、特に東証一部小型株の非公開化のアナウンスが増えると筆者は考えています。

NTTがNTTドコモの完全子会社化を発表したのは2020年9月29日でした。

3月末本決算のNTTが、年度内に完全子会社化の手続きを終えるためには、半年程度の時間が必要だったということです。

実際、公開買い付けとその受渡が終わったのは11月下旬。

その後、公開買い付けの結果、少数株主となったNTTドコモの株主に金銭を払って株式を買い取る手続きを実施しています。

上場企業を非公開化するスケジュールとして参考になる時間軸です。

つまり、今の時期は3月本決算企業が非公開化を開始するために作業を開始しがちな時期なのです。

非公開化が増えると考える理由は、2022年4月に実施される東証の市場再編です。

現在、上場企業が自らの状況を鑑みて4月以降の市場の選択を行う期間です。

筆者は今年の1月にこの東証の市場再編について記事を書いておりますので、新たな基準等につきましてはこちらをご参照ください。

東証市場再編を視野に、今後2か月程度の日本株マーケットで起きそうなこと

市場再編が非公開化のトリガーになるかもしれないと考える理由は、現東証一部上場銘柄とプライム市場の上場基準とのギャップです。

引用した記事にも掲載していますが、プライム市場においては時価総額という規模と流通株式時価総額という株式の流動性の2点が現東証一部よりも重視されます。

現在時価総額100億円未満の東証一部銘柄が多数ありますが、プライム市場では「流通している株式」の時価総額が100億円以上であることを求めますから、時価総額100億円未満の東証一部上場企業はそれだけでプライム市場の上場基準を満たさないことになります。

そのような時価総額が小さい企業が市場選択する際の選択肢がいくつか考えられます。

  1. 株価を上げて時価総額を増やす努力をする
  2. プライム市場以外の市場に上場することを選ぶ
  3. 非公開化する

1.は言うは易し、行うは難しのいい例です。

プライムに所属したければ一番望ましい状態ですが、大幅な業績改善見込みなどが無い限りはそう簡単に達成できることではありません。

2.は言い方を変えれば身の丈に合った市場を選ぶということでしょう。

とはいえ、TOPIXからいずれ除外されることを嫌がる投資家の失望売りを呼ぶ可能性が高いです。

東証一部だから持っていたというような株主にとっては残念なことですから。

3.がこの記事で筆者が予想していることです。

言葉を選ばず言えば、2.を選ぶくらいなら、もう上場を取りやめようということです。

上場しておくにはそれなりのお金が必要ですし、IRや適時開示も実施しなければならず、そのための人材も必要です。

それらの手間とお金を省けるのなら、市場から株式を回収して上場を取りやめたほうが合理的だと考える上場企業の経営者が少なからずいると考えています。

上場企業が非公開化されるときは、株式公開買い付けという手続きを踏む必要があります。

前述したNTTドコモの非公開化も最初に実施されたのは公開買い付けでした。

投資家の立場における非公開化は、当該銘柄について近い将来取引の機会を失うことになり、投資家にとっては不利益とされます。

ということも加味し、非公開化を目的とした公開買い付けを実施する際は市場で取引されている価格に上乗せしたプライスで実施するのが一般的です。

いろんな値付けの方法があるので一概に言えませんが、上乗せの目安は直近3か月程度の平均価格の30%程度といったところでしょうか。

裏を返すと、非公開化されそうな銘柄をうまく物色できればリターンを獲得できるかもしれないというわけで、これが投資家にとってのうま味です。

非公開化の主な手段は、経営者自身あるいは経営者が設立した法人等が市場から株を回収するMBO(マネジメント・バイ・アウト)やLBO(レバレッジド・バイ・アウト)と、親子上場の親会社や第三者によるM&Aによる完全子会社化です。

いずれの場合も、こんな属性なら非公開化しやすいと考えられる属性があります。

  • 浮動株が少ない

非公開化は既存の株主から株式を買い集める行為ですから、流通する株式が少なければ少ないほど資金面でも手続き面でもやりやすくなるでしょう。

また、浮動株が少ない株式はプライム市場の流通株式比率を満たさないことが多いことも非公開化のトリガーになりうると考えています。

  • 業績はさえなくても現預金をたくさん持っていて、負債が少ない

非公開化を実施するためにはお金が必要です。

公開買付は買い付ける株数×買い付け価格のお金が無いと、決済ができません。

金利が低い現在なら、借り入れも資金調達の一つの方法として考慮すると思いますが、自前の資金がどれぐらいあるかも重要です。

お金を借りずに非公開化できるなら、意思決定は速くなることでしょう。

  • 株主の数が比較的少ない

株式を買い集める行為は、その対象が少なければ少ないほど楽です。

その対象は株式数だけではなく、株主の数についても同じ性格を持つと考えます。

10万人の株主から株式を買い集めるのと5,000人の株主から買い集めるのでは、そのハードルの高さが違うであろうことは容易に想像できるのではないでしょうか?

  • どちらかと言えば小型株

時価総額が小さい銘柄の方が、株を買い集める資金が少なくて済みますのでやりやすいです。

これはあくまでも筆者が考える属性ですので、ご自身でよく咀嚼の上、こんな視点で銘柄を探してみるのも面白いと思いますし、違う条件を加味して探すのも面白いと思います。

秋の夜長、東洋経済新報社の会社四季報をめくりながら、当てはまりそうな会社を探す読書の秋はいかがでしょうか?

フリーレポート配信

優良企業30社で構成されるダウ平均株価は、1世紀以上にわたり世界中でフォローされています。ダウ構成銘柄の長年の良好なパフォーマンスを考えると、市場参加者が注目するのはごく自然なことで、最近はこれから紹介するダウ4銘柄が注目されています。

著名投資家も注目の優良大型株4銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事