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自動車銘柄比較:トヨタとフィアット・クライスラーはどちらがおすすめか?

モトリーフール米国本社、2019年2月24日投稿記事より

自動車産業は世界規模のビジネスですが、本社所在地よりも、主要市場向け生産設備がある場所の方が重要です。

トヨタ自動車(ティッカー:TM、以下「トヨタ」)とフィアット・クライスラー・オートモービルズ(ティッカー:FCAU、以下「フィアット・クライスラー」)は、米国内および世界中で広範に事業展開しています。

両社は、世界中の売上と利益を最大化するような巧みな決断を下していますが、それでも関税およびその他の貿易関連の脅威克服に必死に取り組んでいます。

最近の自動車銘柄の株価下落を考えると、自動車セクター全体をバリュー投資の機会と捉えるのは容易です。

しかし、銘柄ごとに評価し、各社の成長見通しを組み入れることが重要です。

以下、トヨタとフィアット・クライスラーについて、どちらの銘柄の方が購入対象として良好かを詳しく見ていきます。

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バリュエーションと株価のパフォーマンス

トヨタとフィアット・クライスラーの株価は最近圧迫されています。

トヨタ株は過去1年間で10%下落し、フィアット・クライスラーの株価は2018年2月以降32%の劇的な下落となっています。

両社の株式は利益ベースで見ると途方もなく割安に見えます。

トヨタのPER約7.5倍に対してフィアット・クライスラーは6.5倍のため、フィアット・クライスラーの方が若干魅力的です。

短期的な利益見通しを織り込むと、トヨタの予想PERは8倍に近づくのに対し、フィアット・クライスラーは4~5倍に落ち込むため、差は大きくなります。

バリュエーションで見た場合、株価下落によってトヨタよりフィアット・クライスラーの方が魅力的になっています。

配当

もしあなたが配当を欲しいのであれば、取るべき選択肢は一つです。

フィアット・クライスラーは配当を支払っていません。

一方、トヨタは一貫して配当を支払ってきており、現在の配当利回りは3%超です。

この理由はとても簡単です。

フィアット・クライスラーはバランスシート上に多額の債務を抱えており、この債務残高を管理可能な水準にまで引き下げることが最優先課題なためです。

これは特に、将来の成長に関する懸念が浮上してきている時には重要です。

このため、キャッシュフローの一部を債務返済に充て、将来の金利上昇に伴う財務コストの上昇を抑えることができます。

一方、トヨタは配当性向約30%を継続し、株主に報いてきました。

配当性向は、円ベースでは長年にわたり徐々に上昇していますが、ドルベースでは為替変動がありやや不安定です。

それでも、良好かつ増加する配当により、インカムを重視する投資家にとっては、フィアット・クライスラーよりトヨタの方が魅力的です。

成長と潜在的なリスク

自動車産業は難局に直面しており、トヨタとフィアット・クライスラーの両社も成長維持のための手立てを取っています。

トヨタにとっては、コスト上昇が最も重要な問題です。

直近の四半期決算によれば、トヨタの売上高は減速し、巨額の一時調整により純利益は前年同期比で80%以上減少しました。

特に重要なのは、北米、アジア(除く日本)、大半の新興国で業績が低迷しており、トヨタの牙城である日本と欧州の業績の足を引っ張っています。

トヨタは、2019年度通期の純利益予想を当初よりは下方修正していますが、売上高予想は当初から変えておらず、営業利益の着実な増加も見込んでいます。

 一方、フィアット・クライスラーの直近四半期決算は良好ですが、今後に問題を抱えています。

2018年第4四半期の売上高は前年同期比で6%増加し、利益は同60%以上急上昇しました。

北米および南米部門の大きな利益がアジア太平洋部門の損失を補いましたが、それでも欧州全般の低迷が全体の業績に響いています。

に高級車マセラティ部門の落ち込みが大きく、フィアット・クライスラーは2019年の見通しを引き下げました。

中国と欧州の成長見通しを享受できるようになるまでは、フィアット・クライスラーはそのポテンシャルを十分に発揮できないでしょう。

 今後を見据えた場合

高い配当と堅調な成長見通しを考えると、トヨタ株の方が購入対象としては魅力的とみられます。

フィアット・クライスラーも業績回復の可能性は大きいですが、そのプロセスは投資家の予想以上の時間がかかるかもしれません。

フィアット・クライスラーの改革成功の兆しがより明確になるまでは、トヨタの方がリスクとリターンのバランスが良好でしょう。


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