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NEXTテスラ、アマゾンも出資する電動トラック「リヴィアン」がIPO準備中

出典:Getty Images

アマゾン(NASDAQ:AMZN)の創業者ジェフ・ベゾスが目をつけた起業家、R.J.スカリンジの会社がEVメーカー「リヴィアン(Rivian)」という会社です。

このリヴィアンが秘密裏に米国証券取引委員会(SEC)に対して上場申請の書類を提出して、IPOの準備を進めている模様です。

現段階ではIPOの規模や株価幅などは未定であるものの、詳細はSECの審査プロセスが完了したのちに状況に応じて実施される見込みです。

今回はテスラ(NASDAQ:TSLA)のライバルになるとも期待されるリヴィアンについて解説していきます。

リヴィアンとは

ミシガン州プリマスに本社のあるリヴィアンは、スカリンジがMIT(マサチューセッツ工科大学)で機械工学の博士号を取得した後、2009年にメインストリーム・モーターズを設立し、その後に会社の社名を変更してリヴィアンになりました。

リヴィアンはピックアップトラックとSUVに特化していることも事業の大きな特徴です。

なぜなら米国の自動車市場は日本とは勝手が異なり、広大な土地と道があります。

そのため乗用車の中では特にピックアップトラックとSUVに人気が集まっているのです。

つまり米国の自動車業界の中でも人気カテゴリーであるため、この分野はデザイン性、高級感、環境性能の向上と配慮など、他車との差別化が最も意識される分野でもあるのです。

特に高級ピックアップトラックは富裕層に好まれています。

そしてリヴィアンは「ラグジュアリートラック」をコンセプトに掲げており、この分野のリーディングカンパニーになる可能性もあります。

なぜならテスラもサイバートラックは発表したものの販売はまだ先であり、現段階ではピックアップトラック市場に参入していません。

そして9月14日にリヴィアンはピックアップトラックの生産を実際に開始しました。

これはEV自動車の中でもリヴィアンが最初の生産開始となる歴史的な出来事と言えるでしょう。

とはいえ、これまでリヴィアンの情報はほとんどメディアに出ることがありませんでした。

なぜならリヴィアンはこれまで意図的に情報を非公開にしており、その期間は研究と実証実験に時間を割いて来ました。

こうして期間を経てIPO準備の段階に入ったということは、そのサイクルも終わり、ようやくリヴィアンが表舞台に出てきたと言えるでしょう。

今後の注目としては、テスラが開拓したEV自動車の世界をリヴィアンがEVピックアップトラックの世界で実現できるのかがポイントでしょう。

その鍵を握るのがリヴィアンのカリスマ経営者であるスカリンジなのです。

スカリンジとリヴィアン

リヴィアンがなぜピックアップ市場を攻めるのか、その経営戦略とスカリンジのライフスタイルは共鳴しています。

なぜならスカリンジの趣味はマウンテンバイクであり、生粋のアウトドア派だからです。

つまり仕事でもオフの日でも使えるEV自動車を創業当初から目指して来たのです。

またリヴィアン社内ではスカリンジの吸引力に惹きつけられている従業員も多く、そのカリスマ性もイーロン・マスクと比較されています。

またスカリンジはテスラとの競争に関してネガティブな感情を抱いておらず、EV市場の認知度を飛躍させたテスラを正当に評価しているといいます。

参入障壁の高い自動車業界において、研究開発を続けるためには莫大な資金が必要ですが、スカリンジへの期待の高さも資金集めにはとても重要な要素となっていると言えるでしょう。

アマゾンが出資を決めた理由

2019年2月にアマゾンはリヴィアンに対して7億ドルの出資と電動配送車10万台の発注をしました。

その2年後の2021年2月3日には実際にリヴィアン製の電動配送車がロサンゼルスで稼働しました。

それに先立ち、リヴィアンはアマゾンから追加で25億ドルの資金を調達しています。

年内には15都市で実装されるだけでなく、今後数年に渡り数万台の規模で増車される計画です。

この電動配送車は1回の充電による走行距離が約240キロあるので、商品配送による二酸化炭素の排出量を大幅に削減できることが期待されています。

ではアマゾンがなぜ出資を決めたのかというと、アマゾンはEVヴァンを配送用に世界中に配備したいと考えており、そこにリヴィアンが最も適していたから、と言えるでしょう。

例えば競合となるテスラの場合、車体ごとに異なるプラットフォームを開発しているのに対し、リヴィアンの場合、共通のプラットフォーム「スケートボード」を開発・設計しており、リヴィアン全車種に適用することが可能です。

またテスラの約2倍のバッテリーパックがスケートボードには搭載されているため、配送車としての適正はリヴィアンにあると言って良いでしょう。

このリヴィアンの技術、そしてEVという環境に配慮した自動車であること、この2つがアマゾンがリヴィアンに出資した大きな要因ではないでしょうか。

近い将来、リヴィアン製の環境に配慮したアマゾン配送車が無人で走る社会も実現しているかもしれません。

リヴィアンの将来性とEV自動車の行方

シンプルに考えれば、世界的な自動車業界の流れは2030年代にガソリン車が廃止されるため、自動車はEVへと完全移行することは間違いありません。

つまり需要は今後も拡大していくので、それに伴いリヴィアンの成長も拡大していうことが考えられます。

またリヴィアンのピックアップトラックと競合するのはテスラのサイバートラックと言われていますが、実際には競合しないと考えられます。

なぜなら車に限らず消費者には様々なニーズやライフスタイルがあり、リヴィアンとテスラではそもそも客層が異なる可能性が強いからです。

現段階で言えることはEVスタートアップ企業の中でも「NEXTテスラ」を挙げるならば、リヴィアンが最も有望とされている企業であり、今後も注目すべきIPO銘柄となることは間違いありません。

そしてリヴィアンの成功はアマゾンなどの配送・物流事業を前進させるだけにとどまらず、EV業界をさらに前進させるはずです。

「NEXTリヴィアン」とベンチマークされる日が期待されるほど、リヴィアンの今後の見通しは極めて明るいと筆者は考えています。

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