The Motley Fool

コストコのEC事業への積極展開は成功か。株価も堅調に上昇中

出典:Getty Images

2020年300ドル台だったコストコ(NASDAQ:COST)の株価は2021年には450ドルを越えました。

コストコは1999年に福岡県の久我倉庫店に日本1号店ができて以来、2021年現在、全国に30店舗展開されおり、日本人にも馴染みがある会員制倉庫型スーパーです。

20年以上も前から日本にあるため、成熟した老舗の企業というイメージがあるかもしれませんが、株価は堅調に上昇中で、未だに成長企業という見方もできます。

コストコはEC事業にも近年力を入れており、2019年には日本版ECサイトの運営もはじまりました。

コストコのEC事業本格参入は、パンデミックの中でコストコにプラスに働いたのでしょうか。

コストコのEC強化は物流面から整えていった

コストコはEC強化のために、ただECサイトを立ち上げた訳ではなく物流面を強化しました。

アメリカでは宅配業者のリノベル・ソリューションズ社を2020年に10億ドルで買収し、コストコ・ロジスティック社を立ち上げました。

コストコの商品は一般的な商品に比べると倉庫店だけあり、大きくてかさばるものばかりです。

しかし自前のロジスティック部門をもつことで、配送を早く、安くできるようになりました。

ただECサイトを立ち上げるだけでなく、自前の物流網を持つことで長期的にEC事業の利益をあげやすい経営体制を整えています。

EC事業をコストコが本気で一つの収入の柱として取り組もうとする覚悟がうかがえます。

コストコはUberと試験的に食品配送もはじめている

コストコのECサイト(日本版)を覗いてみても、人気惣菜のハイローラーやロティサリーチキンは買えません。

基本的に買える食品の多くはナッツや日持ちするレンジで温めるタイプの食品がほとんどです。

しかし、将来的にコストコで出前ができる未来が来るかもしれません。

コストコは日本でもお馴染みのUber Technologies社と共同で食料品の配送サービスを試験的にテキサス州限定ではじめました。

コストコはビッグサイズの惣菜も販売していますが、長持ちしないので通常のECよりもデリバリー感覚で注文するのに適しています。

もしもテキサスでの配送サービスがうまくいけば、米国全土にコストコの食品配送サービスの展開も考えられます。

日本でも専用アプリリリース。ECに力を入れる

コストコはECサイトだけでなくアプリもリリースしています。

日本でもスマートフォン、タブレット向きの専用アプリが最近リリースされました。

オンラインで直接買い物ができるだけでなく、倉庫店の割引情報やイベント情報のチェック、メンバーシップの入会・更新もできます。

コストコはEC、実店舗を様々な形でつなげるオムニチャンネル化を目に見える形で積極的に進めています。

どちらかと言えば、コストコはECやオムニチャンネルといった分野よりも実店舗に力を入れている印象がありましたが、この数年で積極的にオンラインにも力を入れるようになりました。

米国の小売大手でオムニチャンネル化に成功し、現在Amazonに次いで2位にまで上昇したウォルマートに比べると、コストコのオムニチャンネル化は、まだまだ発展途上かもしれません。

しかしアメリカの小売EC市場自体が年々上昇しているため、コストコの経営努力はプラスに働いていきそうです。

コストコのECサイトの売上高は上昇中

コストコは会員の見込み客がいる、巨大な倉庫・物流を自前で用意できる、コストコでしか買えないオリジナルの商品やプライベートブランドが充実しているなど、元々ECとの親和性が高かったことも成功につながりました。

コストコのECサイトの売上推移を2017年から追っていくと、右肩あがりの上昇です。

2017年に(単位100万ドル)3,438ドル、2018年に4,000ドル、2019年に6,842ドル、2020年に7,547ドル。

特に2019年の上昇が急でした。

売上上昇率はやや緩やかになってきてはいますが、コストコのEC部門は確実に成長しています。

EC市場全体の拡大とコストコのEC事業への取り組みは同社の成長につながっており、EC事業への積極的な取り組みはうまくいったと言えるのではないでしょうか。

ECは新規顧客獲得よりも既存顧客へのサービス

コストコのECサイトは基本的に会員にならなければ利用できません。

コストコのECは、どちらかと言えば既存の会員がより便利に買い物できるようになるサービスという意味合いが強そうです。

現在、パンデミックの影響で外出が難しくなっていることに加え、コストコは郊外型の店舗が多く、住んでいる地域によっては、せっかく会員になっても実際に行けるのが年に1〜2回程度ということもあります。

またガソリン価格が高騰すると遠出をためらう会員も出てきます。

しかし、ECが便利になればコストコの既存会員はより便利にコストコの商品を買えます。

またコストコはもともと買っても気に入らなかったら返品できるというシステムですが、ECで買ったものも店舗で買った商品と同じように返品ができるところも安心です。

コストコのビジネスモデルは商品販売よりも年会費です。

つまりどれだけ解約されないか、どれだけ新規会員を増やせるかがコストコの利益の鍵になりますが、ECで便利になれば、年に数回しか実店舗に行けない会員でも、会員を続けるメリットができます。

コストコのECは売上そのものよりも、コストコのビジネスの柱であるメンバーシップの解約率を下げる効果もありそうです。

コストコはまだまだ成長過程の企業

コストコはまだまだ成長過程の企業です。

現在、売上のほとんどはアメリカで他の小売店に比べると、まだまだ店舗は相対的に少なく進出余地があります。

そしてアメリカ以外の市場でもコストコには伸びしろがあり、成長過程です。

例えば、1999年に1号店が進出した日本では、将来的に50店舗展開していくことを目標にしていますが、2021年現在、日本の倉庫店は30店舗です。

また中国本土や中近東など、これから伸びる市場も残されており、ECもコストコの成長の柱の一つにすぎません。

しかしECの本格的な取り組みは、結果的にコストコの顧客満足度も上がるポジティブな取り組みで、今後の新しい市場での新規顧客開拓と満足度を高めるための材料としても機能していくでしょう。

フリーレポート配信

優良企業30社で構成されるダウ平均株価は、1世紀以上にわたり世界中でフォローされています。ダウ構成銘柄の長年の良好なパフォーマンスを考えると、市場参加者が注目するのはごく自然なことで、最近はこれから紹介するダウ4銘柄が注目されています。

著名投資家も注目の優良大型株4銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事の作者、田守正彦は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事