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沸騰するデジタル資産「NFT」に注目。NFTとは一体なんなのか

出典:Getty Images

現在、様々なメディアで大注目されているNFT。

そもそもNFTとは代替不可能なトークン「Non-Fungible Token」の頭文字を取った造語ですが、ブロックチェーン上に存在するデジタル資産の1つがNFTです。

これは分散型台帳と言って、NFT同士を交換する際はまるで石板に書き込むように記録が永遠に残り続ける仕組みです。

つまりNFTは代替不可能な唯一無二のデジタル署名という特性を持っているため、購入者は正式な所有者として記録され続けることとなるのです。

今回はこのNFTがなぜ注目なのか、どんな領域でNFTが注目されているのかについて考察していきます。

NFTの勢いが止まらない

2021年に入ってから、毎月のようにNFTの価格高騰がニュースになっていますが、特に3月は連日のようにNFT関連のビッグニュースが発表されました。

そのニュースを時系列で見ていくと下記の通りです。

  • プリングルスのデジタルフレーバー&ピザハットのピクセル化ピザがNFT化して販売(3/18)
  • TwitterとSquareのCEOジャック・ドーシーの初ツイートが291万5835万ドルで落札(3/22)
  • コインチェックがNFTのマーケットプレイスサービスを開始(3/24)
  • ニューヨークタイムズのNFTコラムがNFT化され、350ETH(約6000万円)で落札(3/26)

たった9日間のNFT関連ニュースの一部だけを抜粋しても、どれだけNFTが盛り上がりを見せているのかが分かるかと思います。

そしてこのバブルのような盛り上がりを予見していたのか、何年も前から戦略的にNFTに取り組んできた会社があります。

それが「ダッパーラボ(Dapper Labs)」という会社です。

ダッパーラボに注目。デジタル資産のコレクタブルとは

カナダのゲームスタジオ「ダッパーラボ」は、2017年にNFTカードゲーム「クリプトキティーズ(CryptoKitties)」を大ヒットさせた後、2020年には人気ブロックチェーンゲーム「NBA Top Shot」を展開して現在に至ります。

これはNBA選手のスーパープレーをNFT化したゲームですが、今年の3月30日にダッパーラボは3億500万ドルの資金を調達することに成功しました。

出資した投資家の中には、バスケ界のレジェンドであるマイケル・ジョーダン、NBAの現役選手ケビン・デュラント(ネッツ)、ラッパーの2チェインズ、ハリウッド俳優ウィル・スミスとサッカー元日本代表の本田圭佑によるドリーマーズVCなど、有名人が名を連ねたことでも話題になりました。

では猫のゲームである「クリプトキティーズ」とNBA選手のプレー集である「NBA Top Shot」 にはどんな繋がりがあるのかというと、それはNFTのコンセプトでもある「収集」という人間の本能に訴えかけている共通項があるのです。

収集可能である状態のことを英語では「コレクタブル」と言いますが、ダッパーラボは巧みにデジタルコレクティブの需要を創出し、大きな利益を上げています。

例えばNBAのスタープレーヤーであるレブロン・ジェームズのダンクシーンには約2,000万円の価格が付いています。

またダッパーラボは高騰しているイーサリアムの取引手数料(ガス代)問題を解決するために、独自のブロックチェーン「Flow」を構築しています。

今後は米国の総合メディア企業のワーナー・メディア・グループや人気総合格闘技「UFC」などのデジタルコレクティブを「Flow」に投入する計画を発表しており、NFTを牽引する企業としてダッパーラボはさらに注目を集めるでしょう。

ゲームとNFT

「ゲームとNFT」が現在のように親和性が生まれたきっかけが「クリプトキティーズ」です。

ブロックチェーン上で仮想猫の「収集〜繁殖〜販売」ができるNFTゲームが盛り上がったことで、業界を一気に押し上げた存在と言えるでしょう。

なぜこのゲームが人気を博し、多くの支持を集めたのかというと、そこにはゲームを通じて「コレクション欲」という人間の本能を掻き立てる作用があるからです。

昔からトレーディングカードを収集するカルチャーがありますが、ここには袋を開ける前のワクワク感、コレクションしていく喜び、カードを交換する面白さ、レアカードのプレミアム感とカード価格の高騰など、さまざまな面白さが詰まっています。

従来のカードの世界のように、実際に手にとれるフィジカルな世界にしかなかった「唯一無二の価値」を付与するために生まれたのが、デジタルに保有する「NFT」なのです。

またNFTが優れているのは、デジタル空間でのやりとりであるため、世界中のユーザーが市場に参加できることです。

こうしたネットワーク効果に加えて、フィジカル(現物)では実現しなかった動画などをコレクションすることがNFTで実現したのです。

アートとNFT

アート業界とNFTの親和性も高いです。

なぜならアート作品は基本的には1点モノなど作品数が限られていることで希少性が担保された市場原理が働いています。

日本人アーティストの村上隆は、24×24ピクセルで表現された「花のモチーフ」のデジタルアートによるNFT作品を世界最大手のNFTマーケットプレイスである「OpenSea」で発表しました。

ところが現在は一旦作品が取り下げられています。

これにはアートならではの事情もあるようで、アート系コレクターはNFTのプラットフォームにおけるスマートコントラクト(契約履行管理の自動化)による購入よりも、アーティスト独自のスマートコントラクトからNFTを生成した方がアート作品には適している、という判断があったようです。

またOpenSeaは確かに便利ではあるものの、購入作品はOpenSeaのサーバー内に作品が格納されるため、データ消失のリスクを極力回避したかったとも言えるでしょう。

このようにアート作品のNFT化は可能性は無数にあるものの、まだまだ現状では課題も山積みと言えるでしょう。

ルイ・ヴィトンとNFT

服飾ブランドのルイ・ヴィトンが8月4日から生誕200年を記念したゲームアプリ「LOUIS THE GAME」を発表しました。

これはブランドマスコットの「ヴィヴィエンヌ」がルイの森から旅をしてモノグラムのキャンドルを集めるゲームです。

このゲーム内において30のNFT作品も含まれており、その中にはNFTを先導するアーティストであるBEEPLEの作品が10作品登場します。

ブランドコンセプトを守りながらゲームの世界観を構築し、その中にNFT作品がある、という状況は今までにない取り組みの一つとして注目されています。

今後はファッションに留まらず様々なジャンルにおけるプロモーション戦略の一つに「NFT」が組み込まれるのも時間の問題と言えるでしょう。

現在NFTが議論されていること

現在様々なジャンルで話題のNFTですが、現状は資産価値として興味がある方や暗号通貨に投資をしてきた投機筋との連続性の中にNFTが存在する側面が強いと言えます。

なぜなら現物保有のアートコレクター側の意見として多いのが、いくらNFTがアートだからとはいえ、実際のアート作品を所有しなくても満足な人は、そもそもアート作品に興味がない、またはアートの体験に興味がない人が大半だと言われているからです。

つまりNFTの今後の課題としては、いかに投機的な側面とクリエイションを融合させながら発展させていけるかがポイントではないでしょうか。

言い換えればアーティストがアートを作る根本には、お金を稼ぐことよりも世界の見方や在り方への違和感や拭ぬ感情の解放がまず最初にあり、生きるためにアート作品を作っているとも言えるのです。

こうした多様な世界の中でNFTがどのように成立するのか、あるいは成立しないのか、今まさに議論や実験が続けられている過渡期にあり、投資としてもアートとしてもNFTは危うく面白い存在だと筆者は考えます。

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